薬剤師の初任給はどれくらい?勤務先別の初任給や手取りとの違いなどを紹介
薬剤師として就職を考える際、初任給は多くの人が最初に気になるポイントでしょう。給与は生活に直結するため、実際のデータをもとに全体像を把握しておくことが重要です。
今回は、賃金構造基本統計調査に基づいて薬剤師の初任給や薬剤師全体での給与目安、年収の傾向などについて解説します。
薬剤師の初任給や薬剤師全体の給与目安
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まず前提として、「初任給」とは、社会人になって初めてもらう給料のことです。そのため、2カ月目以降にもらう給料は「初任給」とは呼びません。
厚生労働省が毎年実施している賃金構造基本統計調査では、職種・年齢階級・経験年数などごとの賃金が公表されています。初任給・初年度のみのデータではありませんが、薬剤師になりたての年の給料の目安も、この調査結果から把握することが可能です。
令和6年の薬剤師のデータのうち、初任給に近いものとして「20~24歳」かつ「経験年数0年」の欄を見てみると、月給(所定内給与額)は32万1,500円、賞与など(年間賞与その他特別給与額)は1万1,400円です。
この数値を年収に換算すると、32万1,500×12カ月+1万1,400=386万9,400円になります。
ボーナスが少ないのは経験が浅いためと考えられますが、月給は初年度にもかかわらず30万円を超えており、比較的高水準であることがわかるでしょう。
引用元
e-Stat:賃金構造基本統計調査 令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種 10
e-Stat:賃金構造基本統計調査 令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種 10(ダウンロードデータ)
ほかの医療職とはどれくらい違う?
同調査結果をもとに、ほかの医療関連職種である医師・看護師・歯科医師の「経験年数0年」の賃金とも比較してみましょう。
月給 |
賞与 |
年収(月給×12+賞与で計算) |
|
薬剤師 |
32万1,500円 |
1万1,400円 |
386万9,400円 |
医師 |
34万5,700円 |
1万8,400円 |
416万6,800円 |
看護師 |
26万500円 |
5万8,800円 |
318万4,800円 |
歯科医師(25~29歳) |
20万9,800円 |
7,600円 |
252万5,200円 |
このように、薬剤師の給料は、医師よりは低いものの看護師や歯科医師より高めでした。
なお、歯科医師のデータのみ20~24歳に該当するものがなく、25~29歳のデータです。年齢は上がっても、歯科医師の初年度の給料はほかの医療職より大幅に少ないという結果でした。
薬剤師全体の月給は?
つづいて、経験年数を問わない薬剤師全体の給料を、同じく令和6年の賃金構造基本統計調査(企業規模10人以上)でチェックすると、「きまって支給する現金給与額」(月給)は43万800円でした。初年度より10万円ほど高いという結果です。
また、賞与などの特別給与は82万3,600円なので、年収を求めると、43万800×12カ月+82万3,600=599万3,200円。つまり、薬剤師は、初年度は400万円弱の年収ですが、将来的には600万円、あるいはもっと高額を狙える可能性があるということになります。
引用元
e-Stat:賃金構造基本統計調査 令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種 1
e-Stat:賃金構造基本統計調査 令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種 1(ダウンロードデータ)
job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET)):薬剤師 – 職業詳細
経験年数別の年収
薬剤師の経験年数ごとの給料や年収も見てみましょう。
月給 |
賞与 |
年収(月給×12+賞与で計算) |
|
0年 |
32万7,800円 |
15万7,400円 |
409万1,000円 |
1~4年 |
35万1,200円 |
71万9,000円 |
493万3,400円 |
5~9年 |
39万3,100円 |
82万8,300円 |
554万5,500円 |
10~14年 |
42万1,400円 |
94万600円 |
599万7,400円 |
15年~ |
45万8,800円 |
96万4,900円 |
647万500円 |
このように、薬剤師は初任給や初年度の給料も高めですが、経験年数を重ねることでさらなる年収アップを目指せるため、将来性の高い職種だと考えられます。
引用元
e-Stat:賃金構造基本統計調査 令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種 14
e-Stat:賃金構造基本統計調査 令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種 14(ダウンロードデータ)
勤務先・業種ごとの初任給の違い
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薬剤師の勤務先にはさまざまな道があります。そこで、業種ごとに初任給や初年度の給与がどれくらい異なるのかを押さえましょう。
1. 病院
初任給のみのデータではありませんが、病院における薬剤師の月給を求人情報で見てみると、おおむね25万~26万円前後でした。このなかには、資格手当や地域手当が含まれることが一般的です。
また、職場や実績などによっては住宅手当・通勤手当・時間外勤務手当・夜勤手当などが加算されることもあるようで、ベースの月給と合わせて30万円ほどになる可能性に期待できます。
賞与は年2回、給料4カ月分以上をもらえることもあり、初年度から高収入を狙いやすいでしょう。
引用元
北里大学病院 薬剤部:当院薬剤部の勤務体制等
JMA GROUP RECRUIT:海老名総合病院 薬剤師 新卒 求人詳細
大阪府病院薬剤師会:地方独立行政法人大阪府立病院機構 大阪はびきの医療センター
2. 調剤薬局
調剤薬局では、同じ企業でも配属地域や勤務コースにより初任給に幅があるケースが見られました。今回見た募集内容では、月給は26万円程度から、高い場合は46万円くらいまでと大きな差があります。
国内の各地に店舗を持つ薬局も多く、転勤の有無や配属されるエリアによって給料の変動があるようです。全国転勤が可能で、手当を多くもらえる地域に勤務することになった場合、他の同期より高給取りになれるかもしれません。
病院勤務と同じく、賞与も年に2回支給される薬局が多いです。
引用元
日本調剤:新卒採用 募集要項
アイセイ薬局:2026年新卒採用 募集要項(薬剤師)
たんぽぽ薬局:新卒薬剤師職初任給について
3. ドラッグストア
ドラッグストアの求人例では、初任給から35万円を超える求人がありました。一方で、30万円前後という企業も見られます。調剤薬局と同様に、全国展開している企業の場合は転勤の可能性があるため、自分に合った道を選択することが重要です。
賞与は年2回というケースが多く、給料4カ月分以上という実績が見られる企業もあります。
引用元
welcia:新卒採用募集要項 薬剤師
スギ薬局:薬剤師 | 新卒採用求人
アルカドラッグストア・アルカ調剤薬局:薬剤師新卒採用
4. 公共機関|公務員
薬剤師は公務員として働くケースもあります。地方厚生局や公立病院(都道府県や市町村が運営する病院)などで薬剤師業務を行います。
初任給は勤務地やポジションによって異なり、幅も大きいですが、20万円を切るケースもあるようです。その後の実績や昇進に応じて給料アップの可能性があるので、高収入を目指したいなら、地道に経験を重ねていくことが重要でしょう。
引用元
ロ 医療職俸給表(二)
東京都人事委員会:医療職給料表(二)
東京都立病院機構:令和7年度独立行政法人東京都立病院機構職員採用選考案内【コメディカル(有資格者)】
総務省:地方公務員の給料表の仕組み
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初任給と手取りの違い
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初任給として提示されている金額と、実際に受け取る金額(手取り)は一致しません。それを知っておかないと、入社後に「給料が想像と違う」と感じる原因になることがあるため、初任給と手取りの違いを正しく理解しましょう。
手取りとは?
手取りとは、給料の総支給額から社会保険料や税金などを引いた、実際にもらえる金額のことです。一般的に、手取りは「基本給+各種手当-控除」で計算されます。
手当とは?
前章で登場しましたが、手当とは、基本給以外に加算される報酬です。手当の種類には、たとえば下記のようなものがあります。
・資格手当
・住宅手当
・通勤手当
・地域手当
・時間外勤務手当
・休日出勤手当
・夜勤手当
・役職手当 など
勤務先によって、つく・つかないケースが異なるほか、金額もまちまちです。就職先を探す際に、どんな手当がどの程度もらえるかをチェックするとよいでしょう。
控除とは?
控除とは、給料から差し引かれるもので、社会保険料・所得税・住民税などが対象です。ただし、住民税は前年の収入から算出されるため、初任給や初年度の給料では引かれず2年目から適用されます。
就職を目指す薬剤師が初任給以外にチェックしておきたいポイント
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初任給は重要な指標ですが、長く働くことを考えると、ほかの条件も総合的に確認することが大切です。そこで、待遇面で初任給以外にチェックしておきたいポイントを紹介します。
福利厚生
福利厚生とは、給料やボーナス以外に従業員やその家族のために提供される制度・サービスのこと。控除として引かれる社会保険も、福利厚生の一環です。ほかにも、企業によって下記のようなさまざまな待遇が用意されています。
・各種手当
・家賃補助
・有休・産休・育休
・リフレッシュ休暇
・キャリアアップ支援(研修・資格取得費用の補助など)
・奨学金返済補助
・健康診断
・社員食堂
・社員旅行
・施設・レジャー・サービスなどの優待 など
給料自体はそこまで高くなくても、福利厚生が充実していることにより満足できる可能性があります。どんな待遇が受けられるかをチェックしましょう。
昇給するスピード・昇格制度
昇給のタイミングや昇格制度(試験など)も、重要なチェックポイントです。
前述した求人例では、昇給が「年1回」という企業も多く見られました。しかし、昇給はあっても上がり幅が少なかったり、初任給は高めでもその後なかなか給料が上がらなかったりすると、生涯収入としては低くなるかもしれません。
どのような条件で給与が増えるのかは企業ごとに異なるため、あらかじめ把握しておくことで将来のキャリアを描きやすくなります。
薬剤師の初任給は職場によっても違う
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薬剤師の初任給や初年度の給料は比較的高水準ですが、職場によって金額や条件は異なります。また、初任給と手取りの違いを理解し、福利厚生や昇給スピードを含めて比較することも大切です。
薬剤師としてのキャリアを考えるにあたり、自分に合った職場がわからない場合は、薬剤師専門の転職エージェントを利用する方法もあります。
「ファーマキャリア」では、求職者一人ひとりの希望に寄り添った「オーダーメイド求人」サービスを提供しているので、気軽に相談し、満足のいく働き方を手に入れましょう。
監修者
この記事の監修者
森正弘
薬剤師専任キャリアアドバイザー
社内MVP受賞
【経歴・実績】
・北海道大学大学院(修士)修了 / 元大手インフラ企業 研究職
・社内受注金額MVP / 成約率41%の実績
【プロフィール】
理系院卒の深い理解と論理的交渉で、週休3日や高年収など他社が敬遠する難条件も実現。
深層心理まで掘り下げ、客観的な利点と欠点を提示します。意見を押し付けず、最終的にはご本人の意思決定を最優先に尊重します。
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