海外を含め約10カ所のサロンを経験。「成長のための転職」でスキルアップを叶える「masago AVEDA」加藤圭以子さん
東京・亀有唯一の自然派化粧品ブランド「AVEDA」のコンセプトサロン「masago AVEDA」。地元の方々から長く愛される、落ち着いた雰囲気と確かな技術が魅力のお店です。
そこでスタイリストとして多くのお客様から支持を集めているのが、加藤圭以子さん。なんとこれまで10社ほどのサロンでの勤務経験があり、個人店から大型有名店、さらには海外のサロンまで幅広く活躍してきました。
今回はそんな加藤さんに、転職を重ねてきた理由や、採用の際に意識しているポイントについてお話を伺います。前編では、多彩な経験を通して感じた仕事への想いや、海外での学びについてご紹介。転職を考えている方にとってヒントとなるエピソードが満載です。
今回、お話を伺ったのは…
「masago AVEDA」
スタイリスト 加藤圭以子さん
短大卒業後、夜間の美容専門学校に通いながらサロンでのアルバイトをスタート。卒業後は「さまざまな環境で学びたい」という想いから、個人店から大型店まで都内のあらゆるサロンでアシスタント経験を積む。スタイリスト昇格後は、さらなるスキルアップを求めて1年間ロンドンのサロンにて勤務。現在は「masago AVEDA」と、お母様が経営する店舗の両方で活躍している。約10社のサロンで経験を重ねてきた今も、学びへの意欲は衰えることなく、美容師として日々成長を続けている。
夜間の美容学校とサロンのアルバイトを両立し、スキルアップを目指す
――もともとは美容専門学校ではなく、短期大学に通われていたとのことですが、美容師を目指した理由を教えてください。
最初は企業に就職するつもりで短大に入学しました。しかし就職活動を始めたときに、どうしても企業で働く自分の姿が想像できず……。そこで「自分は技術を身につけて働く職人タイプなのかもしれない」と気づき、卒業後に美容専門学校へ進むことを決めたんです。美容師をしている祖母と母の影響も大きかったと思います。
また、人をもてなして喜んでもらえる接客の部分にも惹かれました。現場でスキルを身につけ、人を笑顔にすることにやりがいを感じる——そんな自分にとって、美容師という仕事はぴったりだと思ったんです。
――短大に行かれた分、周りより少し遅れてのスタートだったと思いますが、どのように感じていましたか?
2年の差があることはわかっていたので、学びと実践を同時に進めようと決めていました。夜間の美容専門学校に通いながら、昼間はサロンでアルバイトとして勤務。まだ免許がなかったのでできることは限られていましたが、先輩の技術を間近で見て学び、自分にできることを探す姿勢はこの時期に身についたと思います。
学校と仕事の両立は大変でしたが、学びながら現場を体験できる環境はとても刺激的で、今振り返っても充実した時間でした。
所属サロンは約10店舗!スキル習得のため異なる環境を選び続ける
――専門学校を卒業してからは、どのような働き方をされていたのですか?
学生時代にアルバイトしていたサロンにそのまま就職しましたが、その後は転職を繰り返し、複数のサロンで働いた経験があります。数カ月から1年ほどのペースで職場を変え、これまでに10店舗ほどのサロンを渡り歩きました。
――10店舗! 短期間で次々と職場を変えられた理由は?
美容師といっても、サロンによって学べる技術や接客スタイルはさまざま。だからこそ、いろんな環境で経験を積みたいと思い、意図的に転職を続けてきたんです。
「ひとつの技術を身につけたら、次の環境で新しい学びを得る」という考えのもと働いていました。個人経営のお店から銀座などの有名大型サロンまで、それぞれテーマやマニュアルが異なり、とてもおもしろかったですね。
スタイリストとして声を掛けていただく機会もありましたが、まずはアシスタントとして徹底的に基礎を学ぶ期間を大切にしていました。
――一般的には、早くスタイリストになりたいと思う方が多い印象ですが、アシスタントにこだわったのはなぜですか?
アシスタントのほうが、学べることが多いと感じていたからです。スタイリストになると、お客様を担当する責任が増える一方で、研修や学習の機会はどうしても減ってしまいます。私は立場や収入よりも、まずは幅広い技術を身につけたいという気持ちが強かったんです。
また、スタイリストになるとお客様を継続して担当することになるため、途中で退職しづらくなってしまいますよね。美容師になった当初から「いろんなサロンで経験を積みたい」という目標があったので、できる限りお客様に迷惑を掛けない形でそれを実現したいと考えていました。
目的を明確にして転職することがスキルアップの秘訣
――海外のサロンでも働かれていたそうですね。
はい。ちょうどアシスタントとして経験を積んでいるときに、親戚がロンドンに駐在することになったんです。以前から海外のサロンでも働いてみたいという思いがあったので、そのタイミングで渡英を決意。アシスタントのままでは雇ってもらえないと思い、日本のサロンでスタイリストに昇格してから現地に足を運びました。
そこで1年間、日本人が経営しているサロンに勤務。お客様は地元の方から駐在している日本人まで、いろんな方がいらっしゃいましたね。
――フットワークが軽いですね!具体的にどんなことを学べましたか?
お客様の髪質や使用する薬剤など、日本とはまったく異なるので、海外ならではの技術や知識を得られたと思います。どのようなお客様が来てもその方の髪質や雰囲気に合わせた施術ができるようになりました。
また、考え方にも変化が。ロンドンでは転職がとても一般的で、よりよい環境や条件があればすぐに職場を変える文化があります。当時の日本ではまだ「転職=ネガティブ」と捉えられがちだったのですが、目的を持った転職なら前向きな選択だという価値観に変わりました。実力主義の環境のなかで、技術面はもちろん、どんな状況でも結果を出すメンタルの強さも鍛えられたと思います。
――海外と日本の美容室はどのような点が異なっていましたか?
日本はチームワークやお客様との信頼関係をとても大切にしていて、その丁寧さは世界に誇れると感じました。海外では「個の力」で評価されますが、日本のように「ひとりのお客様を大切にする姿勢」は自分にすごく合っていると再認識できてよかったです。どちらのよさも知ったうえで、今は日本の美容の在り方に誇りを持っています。
――転職を繰り返すなかで大切にしていたことはありますか?
目的をもって動くことです。次のサロンで何を学びたいのかを明確にして転職をしていました。
たとえば「縮毛矯正の技術を極めたいので得意なサロンを探そう」「流行りを取り入れる習慣をつけたいから若い方が多いエリアで働きたい」など、テーマをもって選ぶことが大切。キャリアアップのための転職であれば、変化を恐れず挑戦していいと思っています。
職場を転々とするのはよくないという考えもあるかもしれません。しかし私は、自分のなかで明確な目的を持った「学びのための転職」であり、それがキャリアアップにつながると信じて動いていました。
後編ではさまざまなサロンを経験した加藤さんが「masago AVEDA」で働く理由や、学びと挑戦を続ける原動力などについてご紹介します。
Check it
masago AVEDA
住所:東京都葛飾区亀有3丁目7-11 2F
Tel:03-3838-3130


-min.png?q=1)


-min.png?q=1)