【美容師のカット技術】KATE 豊田光信さん流『ツーセクションで作るジェンダーレスな黒髪ショート』#2

おしゃれな女性からの人気が続く、さっぱりと切り込んだショートスタイル。注目キーワード「ジェンダーレス」を体現したショートスタイルを提案してくれたのは、「KETE」代表の豊田光信さん。後編では、詳しいカット法とスタイリングについて教えていただきます。

豊田さんが提案する『ツーセクションで作るジェンダーレスな黒髪ショート』

ツーセクションのショートヘアにトレンドな’90年代風のテイストを加え、ジェンダーレスでカジュアルモードな雰囲気に。センターパートで耳をくっきり出したベースカットに、パラっとした少なめの前髪でこなれ感アップ。黒髪が映えるセミウエットな質感で。

『ツーセクションで作るジェンダーレスな黒髪ショート』の施術ポイント

1. 上下ツーセクションに分けてカット

激しくないインナーエリアの長さ設定でチャレンジしやすいスタイルに。上下にセクショニングすることで、フィット感があり、スタイリングのしやすい仕上がりになる。

2. ちょうど耳が出るレングスですっきりと

流行りのショートも潔く耳を出すデザインにすることで、こなれ感が出てオシャレ度アップ。

3. 古臭くならないレイヤーの入り方

クラシックに仕上がりがちなデザインなので、遊びのレイヤーを入れることにより、いい感じにハズして今っぽさを演出。

HOW TO

BEFORE
マッシュベースのショートがのび、耳周りがもっさりとしてきた状態。パーマやカラーの履歴はなし。乾燥しがちなクセ毛さん。

1 スライス線を取る
全体を濡らした状態でスタート。イアートゥイアーで分け、フロントサイドはハチラインからこめかみまで、やや前下がりにブロッキング。バックサイドは、コントロールポイントからぼんのくぼまで、なだらかなラウンド状にスライスを取る。

2 アンダーセクションのウエイトラインを作る
サイドから耳後ろくらいまで、スライスラインに対して90度に引き出し、ハイグラデーションで2.5~3cmカット。回り込みながらバックまで同様に。バックセンターのみ、トップとのつながりをイメージして、やや長めにカットする。

3 もみあげ~襟足のアウトラインをカット
耳にかぶる毛の量を見ながら、耳周りのアウトラインをフリーハンドでカット。アウトラインとスライス線の1番短い毛をつなぐように、縦に細かく分け取りながらレイヤーカット。
耳後ろ~襟足は、耳後ろの肌の露出量を見ながら、モデルに似合うところでフリーハンドでカット。耳周りと同様に、スライス線とつなげていく。
バックセンターから八の字にスライスを取り、襟足につながるようにレイヤーカット。必要に応じて毛先を中心にセニングを入れる。ぼんのくぼ下にくびれができるように。

4 トップセクションのウエイトラインを作る
トップセクションを、ナチュラルにセンターで分けて下ろす。髪が自然に落ちる位置を見て、ウエイトラインを決定。
フロントサイドは耳にかかる長さで、やや前下がりにチョップカット。前髪近辺の髪は、サイドにシェープして、仕上がりが少し長くなるように意識する。同様に、耳後ろからぼんのくぼにつながるようにカットしていく。
上記と同じパネルをハチから60度で引き出し、グラデーションカット(5mm前後)。トップのアウトラインに、マッシュっぽい丸みを作る。

5 トップに動きを出す
モヒカンパートを2cm幅で取り、左右に落ちる位置をイメージして1~1.5cmカットしてレイヤーを入れる。髪表面に動く毛を作る。
トップのレイヤーとつなげないように、一段下のパネルにレイヤーを1周入れる。床と平行に引き出し、出てきた角を取る程度に。バイアススライスで毛流れを意識しながら引き出し、後ろまでカット。

6 前髪をカット
前髪を自然に下ろし、スタイリングをイメージして狭め&浅めに取る。頭なりに引き出して、目ラインでカット。

7 毛量調整
一度全体をドライ&ブロー。後頭部のボリュームゾーンは外し、バックのぼんのくぼ上~ハチ下を中心に、中間から大胆にセニング。そのほかはバランスを見て整える。

カット前

カット後

スタイリング

ハーフドライの状態でスタート。シアバターとポリッシュオイルを手のひらで混ぜ、指の間までしっかりなじませたら、毛束を握るようにしてクセを出していく。前髪は一度全体をかき上げてから、一束ずつ下ろして調整。もみあげや襟足の細かい毛は、ポイントスティックでウェットな質感を出しながら整える。

仕上がり

タイトなアンダーセクションと、動きのあるトップセクションが好バランス。顔周りがすっきりとしたデザインで、ジェンダーレスなカジュアルショートに。

90年代テイストを取り入れた、トレンドのジェンダーレスショートを提案してくれた豊田さん。顔周りをすっきりとさせたデザインは、首周りにボリュームのある服が増える冬にもぴったりです。

▽前編はこちら▽
【美容師のカット技術】KATE 豊田光信さん流『ツーセクションで作るジェンダーレスな黒髪ショート』#1>>

取材・文:山本二季
撮影:奥村亮介(スタジオバンバン)
ヘア:豊田光信(KATE)
メイク:早川藍(KATE)
モデル:スローカム・ニコール

教えてくれたのはこの人!

豊田光信さん
KATE 代表/トップ スタイリスト都内大手サロンに15年勤続後、2015年2月より代表としてKATEに参加。ファッション性の高いデザインはもちろん、ナチュラルからコンサバまで幅広い引き出しを持つ。程よくトレンドを取り入れる感性と、ロジカルな提案力に定評があり、長年の顧客も多い。
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Salon Data

KATE OMOTESANDO(ケイト オモテサンドウ)

住所:東京都渋谷区神宮前5-2-7 北上ビル2F・3F
TEL:03-6427-5093
URL:
https://kate-hair.jp/

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