NSTにおける薬剤師の仕事内容とは?資格取得方法と3つの取得メリット
薬剤師が活躍できる分野の一つに、「NST」があります。「NST専門療法士」という資格もあり、高い専門知識や実務スキルを持つ立場として注目されています。
そこで今回は、NST専門療法士の概要や取得方法・メリットのほか、NSTにおける薬剤師の仕事内容もチェックしてみましょう。
NST専門療法士とは
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NST専門療法士とは、栄養サポートチーム(NST=Nutrition Support Team)において高度な専門知識と実践力を持ち、患者の栄養管理に貢献する医療従事者に与えられる認定資格です。
一般社団法人日本栄養治療学会が認定しており、一定の実務経験や研修、試験を経て取得できます。
NSTは、管理栄養士・看護師・薬剤師など多職種で構成され、患者の栄養状態を管理しながら健康状態の改善や治療効果の向上を目指します。
NST専門療法士は、専門性の高さから、医療現場においても重要な役割を担う存在の一つです。
引用元
日本栄養治療学会 栄養サポートチーム専門療法士認定規程
NST専門療法士の資格取得方法
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NST専門療法士の資格は、一定の条件を満たしたうえで申請し、試験に合格することで取得できます。大まかな流れは「資格要件を満たす→実務研修を受ける→書類審査→認定試験」という順序です。
それぞれのステップについて、以下で詳しく見ていきましょう。
引用元
日本栄養治療学会:申請方法
日本栄養治療学会 栄養サポートチーム専門療法士認定規程
申請要件に関するQ&A 【NST 専門療法士 新規申請】
資格要件
NST専門療法士の資格を取得するためには、申請時に日本栄養治療学会の会員であり、会費を完納していることが前提です。
さらに、定められた医療系の国家資格を所有していなければなりません。前でも触れていますが、対象の国家資格者は、管理栄養士・看護師・薬剤師・臨床検査技師・理学療法士・作業療法士などです。准看護師や栄養士は対象外のため、注意しましょう。
要件のなかでも重要なのが、一定期間以上の業務経験と栄養管理業務の実績です。具体的には、国家資格取得後に3年以上、医療機関や福祉施設などで勤務していること(同じ施設でなくても可)と、栄養サポートに携わった経験があることが条件とされています。
栄養サポート業務の定義は、下記のとおりです。
栄養障害の状態や栄養管理をしなければ栄養障害が見込まれる患者に対し、生活の質の向上、原疾患の治癒促進及び感染症等の合併症予防等を目的として、栄養管理に係る専門的知識を活かしてサポートする業務
また、学会の学術集会に1回(10単位)以上、学会主催のNST専門療法士受験必須セミナー(10単位)に1回以上参加することが必須である(この単位を必須単位とする)ほか、必須単位数が30以上あるか、必須単位数に加え、学会が認める栄養に関する全国学会・地方会・研究会への参加単位数の合計が30以上あることも欠かせない要件です。
さらに、認定教育施設での合計40時間の実地修練を修了していることも求められます。そのうえで、後述する認定試験に合格しなければなりません。
栄養サポート業務の従事経験とは
栄養サポート業務の従事経験とは、NST活動や栄養管理に関する業務に携わった経験のことです。
NSTでは、主にスクリーニング(ピックアップ)・カンファレンス・勉強会といった活動を行っています。
スクリーニングとは、低栄養状態や食欲低下など、栄養管理が必要な患者をピックアップするものです。管理がスタートすると、随時患者の状況をモニタリングしながらカンファレンス(協議)を行います。
また、NSTメンバー以外の職場スタッフも含めた勉強会により、活動の啓発も実施しています。NSTでの薬剤師の業務内容については後ほど解説するので、あわせてご覧ください。
なお、前述のとおり、所定の国家資格を取得してから3年以上、医療または福祉施設に勤務していることも条件です。
実地修練とは
実地修練は、日本栄養治療学会が認定した教育施設で実施される研修です。教育施設は全国各地に多数用意されており、指導責任者や研修期間も公表されています。
具体的なカリキュラムには、下記のようなものがあります。
・栄養障害例の抽出・早期対応(スクリーニング法)
・栄養薬剤・栄養剤・食品の選択・適正使用法の指導
・経腸栄養剤の衛生管理・適正調剤法の指導
・栄養療法に関する合併症の予防・発症時の対応
・栄養管理についての患者・家族への説明・指導 など
教育施設にも認定のための厳しい規則が設けられているため、どの施設で研修を受ける場合でも、学会の方針に基づいたNSTの実践的な知識やスキルを体系的に学ぶことが可能です。
引用元
日本栄養治療学会 認定教育施設制度規則
栄養サポートチーム(NST)専門療法士認定教育施設一覧
臨床実地修練研修一覧
認定試験
要件を満たし実地修練を受けたのち、必要書類(セミナーや実地修練などの参加証・修了証など)をアップロードし、審査・受験料として10,000円受験料を納付します。その後、書類審査を経て、審査通過後に認定試験を受験しなければなりません。
試験は年に1回、10月ごろに行われます。合格することでNST専門療法士として認定され、認定料20,000円を支払ったうえで、認定証を受けられます。認定の有効期間は5年間です。
更新の申請要件と方法
NST専門療法士の資格を維持するためには、5年ごとの更新が必要です。更新時には引き続き学会員でなければなりません。
また、臨床栄養管理業務の従事経験が2年以上必要で、2年に満たない場合は1年につき所定の10単位の取得が求められます。また、JSPEN学術集会への参加1回(10単位)以上や、NST専門療法士更新必須セミナーの受講なども必須です。
手続きは新規認定時とほぼ同じですが、認定試験はなく、書類審査に通過すれば更新できます。新規で認定を受けた後もたゆまぬ努力と勉強を続けることにより、知識やスキルを保ちながら現場で活躍し続けられる仕組みです。
NST専門療法士の資格を取得する3つのメリット
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NST専門療法士の資格を取得することで、薬剤師としてのキャリアや業務の幅が大きく広がります。そこで、資格取得における代表的なメリットを3つ紹介します。
引用元
日本栄養治療学会:「NST専門療法士」有資格者インタビュー vol.4
1. 最新の知識やスキルを身につけられる
資格取得の過程や更新のためには、研修や学会への参加が必須です。そのため、栄養療法やチーム医療に関する最新の知識を継続的に学べます。
医療は日々進歩しているため、知識のアップデートは欠かせません。新しい情報を取り入れ続けることで、より質の高い医療提供につながります。
2. 違う分野の知識を学べる
NSTでは多職種が連携して患者の栄養状態を支えるため、薬学以外の知識に触れる機会も自然と多くなります。具体的には、栄養学や看護、リハビリなどの視点を学べるのが特徴です。
知見が広がることにより、患者の状態を多角的に理解できるようになり、業務の幅がますます広がっていくでしょう。
3. NST関係の診療報酬加算が得られる
NSTに関わることで、「栄養管理実施加算」や「栄養サポートチーム加算」といった診療報酬の算定に貢献できることも魅力です。加算は医療機関にとっても経営面でのメリットになるため、NSTの導入は今後さらに拡大すると考えられます。
そのため、NST専門療法士の需要は高まっており、今後は資格を持つ薬剤師の活躍の場もますます広がっていくことでしょう。
NSTにおける薬剤師の仕事内容
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NSTにおいて、薬剤師は、栄養療法と薬物療法の両面から患者を支える重要な役割を担います。下記で具体的な仕事内容を押さえていきましょう。
引用元
香芝生喜病院:NSTにおける薬剤師の仕事
チーム医療推進協議会:栄養サポートチーム
静脈・経腸栄養療法のサポート
まず、静脈・経腸栄養療法の処方設計をサポートする業務です。静脈・経腸栄養療法とは、口から食事を摂取できない場合に、患者の静脈や腸に直接栄養を吸収させる手段です。どの薬剤をどれくらい処方するのが適切か、医師に提案を行います。
また、患者の状態に応じて適切な栄養製剤を選択することや、静脈栄養輸液(TPN)の無菌調製なども業務の一つです。薬や衛生に関係する仕事なので、薬剤師ならではの専門性が発揮される場面といえるでしょう。
栄養療法のチェック
患者への栄養療法が適切に行われているかどうか、注意深く確認するのも重要な役割です。たとえば、静脈・経腸栄養剤と薬・食品との相互作用や、経管投与へのリスクなどを回避します。
さらに、投与速度の調整や栄養療法に用いる器材の使用方法のチェックなど、細かな対応が求められます。患者の安全性に直結するため、責任の重い業務です。
患者と家族への情報提供
患者やその家族に対し、栄養療法の情報提供を行うのも薬剤師の仕事です。特に、患者が自宅で生活する・家族が在宅でケアを行う在宅栄養療法の場合は、より丁寧な指導やサポートが求められます。
正しい知識をわかりやすく伝えることで、治療の効果や患者の生活の質の向上に貢献できるでしょう。
NST専門療法士の資格取得は薬剤師としてのキャリアアップにもおすすめ
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NST専門療法士は、栄養療法の専門知識と実務経験を証明する資格です。取得することで、チーム医療における自身の存在価値が高まり、業務の幅も大きく広がります。
今後は高齢化の進行に伴い、栄養管理の重要性もさらに高まると考えられます。そのなかで、NST専門療法士の資格を持つ薬剤師は、需要が高く重宝されることでしょう。
もし資格を活かしてキャリアアップを目指すのであれば、NSTに積極的に関われる職場選びも重要です。専門性を発揮できる環境を探すなら、ぜひ薬剤師専門の転職支援サービス「ファーマキャリア」を活用してみましょう。
自身の希望に合った職場に出会い、NST専門療法士として身につけたスキルを存分に発揮していってください。
監修者
この記事の監修者
森正弘
薬剤師専任キャリアアドバイザー
社内MVP受賞
【経歴・実績】
・北海道大学大学院(修士)修了 / 元大手インフラ企業 研究職
・社内受注金額MVP / 成約率41%の実績
【プロフィール】
理系院卒の深い理解と論理的交渉で、週休3日や高年収など他社が敬遠する難条件も実現。
深層心理まで掘り下げ、客観的な利点と欠点を提示します。意見を押し付けず、最終的にはご本人の意思決定を最優先に尊重します。
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