リピート率91%を誇るヘアサロン! 髪質改善に特化したメニュー開発で人気店に成長した『AnFye for prco』の経営術に迫る
表参道から徒歩5分という好立地にある美容室『AnFye for prco』。ヘアサロンの激戦区にありながら安定した集客を実現しており、そのリピート率は91%というから驚き。そんな『AnFye for prco』が人気を獲得している背景には、業界内で敬遠されている分野を武器する独特のスタイルや、お店の特性に合ったサイズ感で出店する経営術がありました。
前編では専門店で成果を上げる極意に迫ります。
オリジナル技術「ジュエリーシステム」とは?
————まず『AnFye for prco』が人気を集めている理由は、どのようなポイントにあるとお考えでしょうか?
「『ジュエリーシステム』という武器を持っているからだと思います。一般的な街のサロンが行っているヘアケアのメニューよりも大きな成果を上げることができる、『AnFye for prco』が独自に開発した髪質改善の技術で、とても好評です。ダメージを受けているヘアに対し、多くの美容室が行っているトリートメントのメニューは、髪の表面だけにアプローチを加えることがほとんど。言い換えると髪の全体をコーティングしているイメージです。
しかし『ジュエリーシステム』では傷んでいる箇所に、できるだけピンポイントに施術を行っていきます。傷口にしっかりと入れ込んでいく様子を思い浮かべていただけると、わかりやすいかもしれません。そのためコーティングがはがれにくく、きれいな髪の毛が長続きします。これまで髪質改善を試みても艶髪を手に入れることができなかった方にもしっかりと結果を残しているので、多くの方に評価をいただけておりリピート率は91%です」
不人気の施術にこそチャンスがある
————髪質改善に着目した理由を教えてください。
「美容師の大半が避けたがる施術にビジネスチャンスがあると思ったからです。私がサロンをオープンした頃は、縮毛強制デジタルパーマの流行により、髪の毛が傷んでいる方が数多くいました。しかし美容業界を見渡した時に、髪のケアに取り組む美容師はほとんどいませんでした。カットやカラーのほうがクリエイティブな感じがして周りからの印象がよく、また髪質改善は専門知識が必要になり難しいためです。だからこそ艶髪を求めている方をターゲットにして、特化したスキルを身につければ勝負ができると思いました。
ちなみに当時影響を受けたのが、メンズカットの美容室です。数年前までメンズカットは女性に比べて単価が低く、美容師の間では人気がない施術でした。ところが、それをウリにした人気サロンが誕生したので『敬遠されるメニューには好機があるのだ』と、とても参考になりましたね」
小規模サロンでの展開の理由とは?
————空間へのこだわりはありますか?
「まずは、5席以内を目安にサロンの規模感を小箱に決めました。大きな空間を避けた理由は2つあり、まずはお客さまにくつろいでいただくためです。『AnFye for prco』のお客さまのほとんどが髪のダメージを気にしていらっしゃるので、『他人にはできるだけ髪の毛を見られたくない』と思っています。そのため、広い店内でたくさんのお客さまやスタッフに囲まれている空間では落ち着くことができません。お客さまは施術だけでなく癒しを求めていらっしゃいますから、居心地のよい雰囲気はとても大切だと思います。
次に、専門性をアピールするためです。大型店は幅広いお客さまをターゲットにしているサロンがほとんどで、美容師が身につけているスキルも一定レベルの技術を幅広く持っている印象があります。しかし『AnFye for prco』は髪質改善に特化しているので、隠れ家的で専門店をイメージさせるような立地をあえて選びました」
————店舗展開の予定はあるのでしょうか?
「店舗展開は積極的に進めていきたいと考えています。ちなみに2016年には2号店である『AnFye.dueldo』を原宿のキャットストリートにオープンしました。店舗展開の際に決めているのは、全員集めって終礼を行うために本店から10~15分の徒歩圏内に出店することです。
現在はLINEやSNSなど実際に会わなくてもコミュニケーションはとれますが、強いチームを作るためには毎日顔を合わすことが大切だと思っています。ちょっとした表情の変化から、仕事の調子を察知することができますからね。美容師は人とのつながりで成り立っている仕事なので、その第一歩はスタッフ間の関係を良好にすることだと感じています」
専門店で成果を上げる極意
髪のお悩み解決でファンを獲得してきた『AnFye for prco』。専門店で成果を上げるための極意をまとめると下記の3つでした。
1.業界内で敬遠されている分野に着目し武器にする
2.お店のスタイルに合ったサイズ感で出店する
3.それぞれの店舗を徒歩圏内にし、スタッフ同士の関係を良好に保つ
後編では、高いリピート率を実現する方法に迫ります。
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