どうしたらいいの？最近の子は叱るのがむずかしい!?仕事で間違いのない『叱り方』

おシゴトをしていると避けられないさまざまな試練。新人には新人の、トップにはトップの困難があるかと思います。そこで「迷える美容業界相談室」と題して、いろんな人たちの悩みに「フルーツルーツ」の榎戸さんがお答えします。

業界を引っ張るリーダーの言葉は重くて鋭い！　２回目の今回は上司からのお悩みです。

「上の人間が下の者に対して怒るというのはすごく難しくて、僕も苦戦してきました。いろいろ失敗もしてきた中で今思うのは、相手がどう捉えるかということを考えなくてはいけないということです。スタッフと完全な信頼関係ができていれば、どんなに怒っても、どんなに感情的になっても大丈夫なんです。信頼関係ができていないうちに怒ってしまうと、『辞めます』みたいな感じになるので、段階を見極めて慎重にやらないといけません。

特に今の若い子は叱られた経験が少ないのか、精神的にすごく弱いんですよね。叱られたら泣いてしまう子もいます。僕自身、男性社会で育ったので、『なんで？』って思ったこともありました。だけど、今の時代それでは通用しないので、『あなたのことを思って言っているんですよ』というふうに、こちら側が向こうに合わせてやっていかないといけない気がします。つまり“寄り添い感”を持つということですよね。それは今日、明日のことではなく、新入社員が入ってきたときから信頼関係を作っていくようなプロセスを踏んでいかないと、ですよね。信頼関係があっても暴言や暴力はもちろん論外ですよ。馬鹿野郎、ゴツンというのでは社会的に許されませんから。

今の子は褒められるのがとにかく好きなんですよ。常に褒められていたいというか。だから例えば、弊社のサロンで僕の知り合いが施術を受けたとき、『君のことを褒めていたよ』と、3倍ぐらいにして伝えるとか。あと、その子の誕生日会をサロンで開いたり、歓迎会を盛大にやるとか。そういった形で信頼関係作りにはとても力を入れています。

だけど、ここで注意点があって、馴れ合いになってはいけないということです。『あのさ～社長』なんてふうになると、本末転倒じゃないですか。僕の場合は、社会的な礼儀は最初の研修の時点でしっかり言います。それでも、そういう子が出た場合はその子の先輩に伝えて、僕の代わりに言ってもらうようにしています。僕が直接言うと『俺は社長だぞ』って感じになるじゃないですか（笑）。それもまた不本意というか……。

リーダーというのは、新人が仕事を覚えられなくてつらい思いをしているときの声掛けも大事です。どんなスタッフでも得意なこと、不得意なことがあって、スピードの早い子、遅い子がいます。遅いからダメということはまったくなく、新人時代に仕事が遅いスタッフのほうが意外と伸びたりするんです。不器用なぶん、しっかりやるんですよ。しかも3年後、5年後に、教えるのが上手かったりもするんです。反対に早い子って感覚的で器用なので、最初は伸びます。でも飽きっぽいので、あまり努力しない傾向があります。教えるのも天才的な感覚なので、相手に伝わりにくい。

覚えるのが遅くてつらい思いをしている子がいたら、僕は今のような話をします。未来を教えるというか。すると向こうも安心しますよね。基本的にみんな自信がないんですよ。そこがすべての出発点なんです。ここにいていいんだよ、あなたが必要なんだよっということを、リーダーは叱らなくてはいけない場面でいっしょに伝えてほしいですね。今の先輩たちだってそういう時期があったはずなので、『今、あんなにバリバリ仕事をしている子だって、昔は君みたいだったんだよ』という話をするといいと思いますよ」

『目標』って立ててますか？

モチベーションを維持するための１つとして、目標を立てることは重要なことです。なぜ目標を立てるのか？時間をかけて目標を立てても「目標なんて忘れちゃう」「達成できるか分からない」「頑張るのはしんどい」などと、ネガティブな考えにもなってしまうかと思います。目標の達成を目指して頑張ることは、何だかものすごく大変なことのように思えてしまいます。そうではありません。

まずは、やりたいことを書き出してみてください。これこそが目標設定の第一歩です。やりたいことという位置付けであれば、目標としてもやり遂げるための行動も上がるはずです。目標がクリアできないなど、目先のつらいことばかりを考えるのではなく、達成できた際のわくわくする目的を思い出して、突き進んでみましょう。

Profile

榎戸淳一さん

（株）ES-ROOTS代表取締役社長

船井総合研究所時代に社内にエステ業界のコンサルティングを立ち上げ、実績を残す。退社後、（株）ES-ROOTSを設立し、オーガニックコスメエステティックサロン「フルーツルーツ」をオープン。２年後に第２回エステティックグランンプリ、モデルサロン部門、フェイシャル技術部門で全国１位受賞。著書に「サロンはスタッフ育成で99％決まる」「愛されるエステティシャンの秘密！」などがあり、業界を牽引する役割を果たしている。

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