アイキャッチ

注目のブランド「TOMOKO KODERA」とは?揺るぎない美を極める【ジュエリーデザイナー小寺智子さん #1】

ジュエリーデザイナーの小寺智子さんは、その作品も、ブティックも、凛としたご本人の佇まいとともに、自分らしいスタイルが隅々にまで貫かれています。一度身につけると、身につけた人の個性と相まって、その世界観に魅せられる人が多いジュエリーブランドがTOMOKO KODERAなのです。

ところが、小寺さんは、個人でブランドを立ち上げたわけではなく、ダイヤモンドジュエリーの会社の一社員として、個人名をつけたブランドを展開しているという、とても稀有な存在。

その仕事術と美しいジュエリーが生まれる秘密を知りたくて、お話を伺いました。仕事をするってどういうことなのか、参考になるヒントがいっぱい詰まっています。まず、この#1では、2016年春にオープンしたお店とジュエリーをご紹介します。

TOMOKO KODERA CONCEPT SHOP
コンセプトショップ正面のショーケース。思わず引き込まれる美しさ。このガラスケースの中に商品がディスプレイされています。

東京青山の骨董通りの入り口にある「TOMOKO KODERA CONCEPT SHOP」は、2016年春にオープンした小寺智子さん初のコンセプトショップです。外観はまるでギャラリーのような面持ち。ガラス越しに美しくディスプレイされたジュエリーは、ジュエリーが映えるようにモノトーンに統一されています。このモダンな空間は、流線型の小道に導かれるようにデザインされ、中に入るとコンパクトなのに、広がりを感じるように工夫されています。

TOMOKO KODERA CONCEPT SHOP
店内から入口方向を見るとこんな感じになっています。

写真のストライプのように見えるものは、すべて細いポールになっており、ここにジュエリーが実際に身につけたようになるように展示されていて、いままでのジュエリーショップとはあきらかに違う雰囲気。徹底的に計算してディスプレイしているのだそうです。

TOMOKO KODERA CONCEPT SHOP
コンセプトショップの入り口。

「コンセプトショップのテーマは“宇宙(そら)から吹く風”。お店がコンパクトなので、通常のよくあるジュエリーのショーケースだと、場所もとってしまいますし、店舗デザインについては何度も打ち合わせを重ね、このようなものができあがりました。とても満足のいく仕上がりです。

ジュエリーを留めているものが見えないような工夫など、随所にさまざまなテクニックが使われ、そしてジュエリーを照らすライトも、このチューブが担っているんですよ」と話す小寺さん。

小寺智子さん
ジュエリーデザイナーの小寺智子さん。

ジュエリーがまるで宙に浮いているように見えるディスプレイ方法は、どこまでも美しく、そして不思議。じっと見ていても飽きることがありません。

「もちろん、これを取り出すときもスマートな動作になるように、商品を置くための台や小さな鏡なども隠されています」

こちらは読んで想像するよりも体験してみるのが一番。実際にお店に行って、この美しい空間に身を置いてみてください。

輪っかじゃないリング
“輪っかじゃないリング”

コンセプトショップのモノトーンの空間とも美しく溶け合う小寺さんのジュエリー。コンテンポラリーな雰囲気を醸すそのジュエリーの数々は、女性の体に寄り添うことを熟慮してデザインして作られています。

「たとえばリング。通常のリングのほとんどはストレートなデザインのものが多いですよね。でも手をよく見れば、指の付け根の部分って緩く弧を描いています。この角度に合わせたデザインにすれば、付け心地もよいものになります。私のブライダルリングコレクション”15 DEGREES Ring(フィフティーン ディグリーズ リング)”はそれをまさに形にしたものなんです」

15DEGREESとはまさしく角度のこと。左手の薬指の付け根の傾斜を15度と考えていて、フィット感もとても素晴らしいものになっています。

風をあやつるリング
15 DEGREES Ring(フィフティーン ディグリーズ リング)のひとつ「風をあやつるリング」。絶妙な角度のリングは、いままで知っているリングとはまた異なるイメージ。ストレートラインから解き放たれることで生まれるデザインが、とても新鮮です。

そもそも、これまでもそれぞれの指にフィットするリングや、ふっくら耳、すっきり耳というように、耳の形に寄り添うイヤリングやピアスを作ってきた小寺さん。自然な形に寄り添うジュエリーは、身につけたときに体との馴染みも美しいものになるということを提案してきたのです。

使用例

「体の流れとその空間に寄り添う。そんなテーマを見出しジュエリーデザインをしています。このコンセプトショップでは、オーダーもできますから、サイズをきちんと計測して、よりパーソナルなものに近づけていくことも可能です」

小寺さんが生み出すジュエリーとコンセプトショップのこの空間。どこを切り取っても気持ちいいほど小寺さんの美意識が貫かれていて、付け心地の良さだけでない何かを感じます。その秘密はどこにあるのかーー。「ゆるぎない」魅力を持つジュエリーを発信する、そんなジュエリーデザイナーを目指すきっかけになったエピソードは、#2でご紹介しますのでお楽しみに。

構成・文/高橋麻紀子

Profile

小寺智子さん

小寺智子さん

京都芸術短期大学日本画科卒。1990年ヒコ・みづのジュエリーカレッジを卒業後、ダイヤモンドディーラーである株式会社柏圭に入社。1996年よりハイクラスジュエリーブランドTOMOKO KODERAコレクションがスタートし、現在に至る。全国の百貨店コーナーに加え、ブランド創設20周年で初の路面店「TOMOKO KODERA」を南青山にオープンした。数々のジュエリーデザインの権威ある賞の受賞歴多数。HRD Awards 2015インターナショナル ダイヤモンドジュエリーコンペティションで、日本人初のグランプリ受賞という快挙をなしとげた。

http://www.tomoko-kodera.com/

Shop Data

TOMOKO KODERA CONCEPT SHOP

東京都港区南青山5-10-1 二葉ビル1F
Tel.03-3486-1051
営業時間:11:00~19:30 火曜・水曜定休

ちまたで話題のブランド「TOMOKO KODERA」。誕生までのその道のりとは?【ジュエリーデザイナー小寺智子さん #2】 

業界未経験でも企業からスカウトが届く まずは登録
この記事をシェアする
アイキャッチ

編集部のおすすめ

関連記事