プライベートが充実すれば、きっと『仕事』はもっと楽しくなる!
スタイリストという職業は、一見華やかに見えるもの。でもその裏には、週休1日。不慮の残業。朝も夜も練習ざんまい……と、厳しい環境が待っていることは言うまでもありません。仕事へのモチベーションを高めるために、プライベートでどのような生活を送り、どのようなことに気を配っているのか――人気美容師のライフワークバランスをCHECK!!
第2回 ISM 北千住店:オーナー 吉田潤さん
吉田さんの労働環境
- 12時出社~20時退社
- 月数日程度、完全なOFF日あり
遊びも仕事のうち。引き出しに何を溜めるかが、腕を磨くカギになる
――毎日忙しく過ごしていらっしゃる吉田さん。OFFの日はどのように過ごされていますか?
「OFFの日……ですか。まるっきり仕事を考えずにすむ日は、千葉の海に出かけてサーフィンをしていますよ。ハワイまでサーフィンをしに行くこともあるんですが、いずれにしても趣味の範囲でサーフィンは軽く遊ぶ程度でおさめています。「もっと上手になりたい!」「誰にも負けたくない!」って思い始めてしまうと、ストレスを抱えちゃうじゃないですか。ストレスがあると美容師としての仕事に響くので、下手だろうが、なんだろうがいいんです。海で、まったりと波に乗る。それだけで十分に、息抜きになりますからね。あとは、クルマとバイク。“エンジン”が好きなんですよね、男子なので(笑)。」
――お休みのたびに、アクティブに活動されているんですか?
「いや~、こんなことを言ってしまっていいのかわかりませんが、部屋で引きこもってるときもあるんですよ。常に仕事のことを考えているので、自分がこれから美容師としてどこに向かうべきか、何をするべきか、若手を育てるために何が必要か……そうした情報をネットや本から拾って、自分の引き出しに詰め込んでいる日もあります。こういう日はほんと、ベッドから出ることすらしないですね。僕ももうすぐ50歳。美容師として活躍できる年齢は、すでに過ぎていることは知っています。でも、だからと言って、ただの年寄りにはなりたくないんです。「老害」っていう言葉がありますが、そんな老人になりたくはないので、できる限り多くの情報を吸収しようと思っています。」
――体力づくりのために、日ごろから気を付けていることはありますか?
「一度、高血圧で倒れたことがあったんですよ。それから、食生活は……改善……出来てないかな(笑)。ただ、肉を多く食べるようにしています。長生きする人って、肉食だっていうじゃないですか。やっぱりたんぱく質は必要なんですよ! なので、何はなくとも肉! それと……これは健康うんぬんのためじゃないんですが、寝るまでの間に決まった「ルーティーン」を組んでいて、それを必ず実践しています。耳栓、アイマスク、加湿器、除湿器、そうしたアイテムを多用しているのも“自分”という存在を保つために欠かせないルーティーンですね。で、最後の最後に、とあるアイドルの声を聞いて寝るんです(笑)。モチベーションをあげるために、これだけは絶対にやめられないですね。」
――仕事の後のリフレッシュ方法は?
「お酒です(断言)。シャンパン、ワイン……このふたつが欠かせませんね。そもそもぶどう好きなので! ビールよりシャンパン派です。」
――先ほど、アイドルの声を聞いて仕事のモチベーションをあげる……とおっしゃっていましたが、お店の若者たちのモチベーションを高めるために、指導していることはありますか?
「とにかく『遊びに行け!』って言っていますね。渋谷や原宿、銀座に出て、思いっきり遊んで、空っぽになったところに、いろいろな刺激を受け止めていっぱいにしてきてほしい。カメラでもいい、アートでもいい、たんに酒を飲んでクラブで遊んだっていい。美容師はハサミを置くまで美容師なので、アシスタントであろうと僕であろうと、日々、練習あるのみ。でも、そうして磨いた技術だけでは食っていけない、それが美容師なんですよね。いろいろなことを知って、コツコツと積み重ねた技術の上に、いかにその知識を広げていけるかが、美容師として大成できるかどうかだと思っています。たくさん遊んで、柔軟な思考を身に付けて――多彩に活躍できる美容師として育ってほしいですね。」
――ありがとうございました!