採用試験では、自分なりの表現で「自分の色」を伝えることが大切「FILMS銀座」平松巧希さん

銀座からスタートし、現在では関東に7店舗を構える「FILMS」。その初めての新卒採用枠で入社し、現在は5年目になるのが平松巧希さんです。前編ではなぜ「FILMS」に入社したか、採用面接で心がけてきたことなどを伺いました。

後編では、人事担当として採用に携わる平松さんに、美容学生へのアドバイスを伺いました。また入社から4年目で最年少幹部に抜擢され副店長となった平松さんが、どんな新人時代を過ごしたかも伺います。

今回、お話を伺ったのは…

平松巧希さん

美容師/「FILMS銀座」副店長・人事担当

静岡県出身。国際文化理美容専門学校卒業後、「FILMS」に入社。入社4年目で副店長となり、FILMSで最年少幹部に抜擢される。現在は入社5年目で副店長のほかにも人事部所属として採用にも携わる。

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採用試験で重要なのは「自分の色」を伝えられるかどうか

採用担当として面接に同席することも多い平松さん。自分の色を見せてほしいと話す

――現在は人事担当として採用にも携わられているとのことですが、美容学生さんへのアドバイスがあればお願いします。

うちの採用面接では、という話になってしまうのですが、自分の色を見せてもらいと思っています。自分を表現する作品でも、自分なりの言葉でも、文章でも、どんなものでもいいと思うので。そういうものを提示してもらえると、その方の人となりがよく分かります。

うちのサロンの面接はわりとカジュアルで、笑いもありますし、面接官同士でいじりあったりするような(笑)フランクな雰囲気を心がけています。それはそういう空気感をこちら側が作ることで、緊張せずに人間性をしっかり伝えてほしいという思いがあるからです。あまり堅くなりすぎずに自分の色を表してもらえると、面接官にはそれが伝わると思います。

――学生時代にやっておいた方がいいことはありますか?

今はSNSの時代で、さまざまなところから情報収集ができるので、まずは自分の「好き」という軸を見つけるといいのではないかと思います。それが見つかったら、もう少し幅を広げて感性を身につけていく。感性に関しては、美容師に関わる部分だけではなく、広くファッションでも自分が好きな系統、スタイルを磨いていくことが大事だと思っています。

今の時代は、トレンドがすごく変わりやすいので、流行だけを追おうとすると、なかなか難しいと思うんです。好きという軸を見つけておき、それを幅広く表現できることが、美容師として活躍していくうえでとても大事な指標になると思います

あとは前編でお話した通り、根拠のない自信を身につけるために、1つの分野でもいいので人に負けないくらいやりきったことを作っておくと、自信につながるのかなと思います

――好きなものを見つけることと、幅広くたくさんのことに興味を持つことというのは、相反している気もするのですが、その点はいかがですか。

自分が好きなものに熱中するのもいいことだと思うし、信念を持つことも大きな武器になるとは思うのですが、美容師としていろんな技術を覚えていくなかでは幅広いことに興味を持つのも必要なことだと思っています。それがこれからの時代にあっているのかな、と。

先輩に徹底的に「聞く」ことで、求められることが分かった

入社した当初は、スタイリストとお客さまが生み出す空間に圧倒されたという平松さん

――ここからは、平松さんが入社したあとに、どんな体験をしたかも伺いたいのですが、入社時はどんなことを感じましたか?

入社前とのギャップはほとんどなくて、思っていた通りの環境だったのですが、セット面にお客さまとスタイリストとアシスタントがいて、その3人で作られる空間にすごく圧倒されたんですね。スタイリストの空気感というか、お客さまと生み出す空間がすごくて、プロだなと感じました。

――緊張感があるというか?

緊張感とは少し違うんです。うちはサロン全体で緊張感はなく、みんなも働きやすいのですが、どちらかというとスタイリストとお客さまの関係性というんでしょうか。そこにスタッフ同士の信頼関係が相まって、お客さまに対応している感じがあり、自分が入って仕事をこなすことができるのか、不安に感じたことはありました。今まで接客されていたので、それを自分が提供する側になるのも強い緊張感がありましたね。

――そんな中でも入社4年目で副店長となり、最年少幹部にもなったそうですが、どのような努力を重ねてきたのでしょうか。

これは今でも変わっていませんが、自分がやってきたことに対して自分を振り返り反省する機会はかならず作るようにしています。アシスタント時代はとくに、先輩スタイリストの施術に入ったときは、かならず先輩にだめなところはなかったか、気になる点はなかったかなどを聞くようにしていました。それも先輩が嫌がるくらい徹底的に(笑)。

僕はこの徹底的に、がポイントだと思っていて、それぐらい聞いていて初めて分かることや見えてくることがあると思っています。実際、徹底的に聞くことでスタイリストの技術のこだわりがそれぞれ全然違うことも分かりました。

――先輩に聞くと、ダメだしをされそうで怖いという人も多いと思うのですが、それはあまり気にならないのでしょうか。

そうですね。僕は聞くことも含めて、仕事のうちだと捉えていました。仕事というのは喜んでもらったり役に立って初めて成立すると思うので、問題なかったかを聞くまでが仕事のような気がします。また先輩からアドバイスをもらえたほうが成長できると思っていましたし、先輩にも適当な気持ちで仕事をしているわけではないことが伝わり、信頼関係を築くことにもつながったと思います

就活は自分を知る絶好のチャンス

ご自身の就活を振り返り、自分のことを知るきっかけになったと話す平松さん

――最後にご自身の就活を振り返ってみて、どんな経験や学びになったと感じていますか?

自分にはどういう強みがあるのか、自分がどんな人間かということを知るいいきっかけになったと思います。これって普段の生活ではなかなかは考えることがないと思うんです。就活をすると自分のことを言葉にしてみたり、表現する機会があるので自己分析をするいい機会になりました。

これから面接を受ける方たちも、結果がついてこないときはどうしても気持ちが揺れてしまうこともあるとは思います。ですが、就活はサロンとの相性もあると思うので、そこに気持ちをとらわれすぎずに、自分の強みを明確化できる機会だと捉えて前進してもらえるといいかなと思います


採用担当も担う平松さんから、就活生への3つのアドバイス

1.採用試験では自分の色を見つけ、作品、言葉、文字などで伝える努力をする

2.学生時代は、自分の「好き」を見つけることと、感性を磨くことに注力する

3.入社後は、先輩に自分のできていなかったところを聞くなどして、先輩との信頼関係を作る

就活時は物怖じせずサロンの方向性について質問したり、入社後は自分のだめだったところを徹底的にヒアリングするなど、ストイックに自分の道を進む平松さん。「何か1つでもいいから、自分がやりきったことがあればそれが自信になる」という平松さんの言葉は強く心に残りました。これから美容業界を目指す人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

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Salon Data

FILMS 銀座
住所:東京都中央区銀座1-8-7 VORTGINZA6F
電話:03-6263-2966
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