心と体をむすぶ呼吸が肝心!太極拳で心と体をクリアにする #2

大好きな美容の仕事についたはずなのに、何かが違う、仕事のスキルもアップしているのにどこか満足していない、そう思っているあなたは心も体も凝り固まり、自分の軸を見失っているかもしれません。

そんな時は何をやってもうまくいかないもの。もう一度自分自身の内面を見つめ直し、心も体もクリアにすることから始めてみてはいかがでしょう。

太極拳と出会って、心と体のバランスを見つめ直すきっかけができた!という、太極道家・いしいまゆみさん(愛称:みんみんさん)に、太極拳を通して得た“心と体の軸”についてお話を伺いました。

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自分の呼吸のリズムを知ることが大切!

「太極マーク(陰陽図:写真の扇の中央)は、『ひとつの現象』を表しており、そこには2つの異なる要素(陰陽)が入ります。例えば健康という現象には、“体”と“心”が入ります。この異なるふたつの要素がバランスよく存在している状態こそが“円満”です。健康のためには、体の状態だけではなく、心の在り方も大きく関係します。そして、この体と心をむすぶのが、私たちが当たり前のように毎日行っている“呼吸”なのです」とみんみんさん。

まず自分の軸をつくること!太極拳で心と体をクリアにする

みなさん、呼吸を意識したこと、ありますか?

呼吸は当たり前のように自然にしているものなので、意識しなければ、中々そのことに気がつきません。

みんみんさんは、「話すスピードと呼吸のリズムは同じ」だと言います。自分のリズムで呼吸できていれば、ストレスはかかっていないのです。そう言われてみると、旅に行った時や、平穏な時間が流れている時には、呼吸は確かにゆっくり行っています。

反対に人前でスピーチなどを行う時などは、緊張から練習よりも本番の方が速くなりがちです。また、息せき切ってしゃべるほどの興奮状態にあったり、怒っているような口調で話す場合も緊張してストレスがかかるため、呼吸が浅くなり、話すスピードが速くなってしまいます。

しかし、このようにストレスを受けて速くなった呼吸も「自分の意思で変えることができる」とみんみんさんは言います。緊張して心臓がバクバクしてしまった時、短い時間でも呼吸に意識を向けてみれば、落着きを取り戻せるのです。
自分の声の速度を意識して、どの速度が、一番心が落ち着いている状態であるかを把握しておくと、心の平穏を保ちやすくなります。

“吐く”と“吸う”の“間”に意識を向ける呼吸法

「呼吸にも陰陽があります。吐く(陽)、吸う(陰)です。太極図(以下の写真)は静止しているのではなく、陽(白)が大きくなりすぎる前に陰(黒)が現れ、陰が大きくなりすぎる前に陽が現れ、という循環を繰り返します。つまり、陽が極まって陰になり、陰が極まって陽になります。呼吸は、いきなり“吐く”から“吸う”に変わるのではなく、なだらかな曲線を描いて移り変わります。
太極図には、白の中に黒(白い魚の黒い目、と言われます)、黒の中に白があります。陽の中にも陰があり、陰の中にも陽があるのです。お互いの要素を含んでいることが、なだらかに切り替わる鍵のような気がします」と語る、みんみんさん。

まず自分の軸をつくること!太極拳で心と体をクリアにする

それでは、この“吐く”と“吸う”の“間(ま)”に意識を向ける呼吸ワークをご紹介しましょう。

まず自分の軸をつくること!太極拳で心と体をクリアにする

1.坐骨の上にまっすぐ体を乗せて座り、体のチェックから始めます。脚、腕、中心軸の3パートに分けて、余計な力が入っていたり、緊張しているところを見つけて、緩めていきます。

脚:息を丹田(へそから5㎝下のところで背骨に向かって5センチの場所。下腹の内部にあり、気が集まるとされる場所。呼吸する時は、そこを中心に手のひらを置いた大きさくらいの空間を意識します。)に吸い込み、丹田から足裏に向かって吐くイメージをします。吐く息が、鼠蹊部(そけいぶ)、腿、膝、ふくらはぎ、足首、足裏を通る時、緊張があれば、息と一緒に流しましょう。

腕:息を丹田に吸い込み、丹田から手のひらに向かって吐くイメージをします。吐く息が、肩、二の腕、肘、手首、手のひらを通る時、緊張があれば、息と一緒に流します。

中心軸:息を丹田に吸い込み、背骨の下から頭頂部に向かって息を吐くイメージをします。坐骨は下に向かって根をはり、吐いた息が昇っていく時に背骨が伸びて、背が高くなるようにイメージします。

まず自分の軸をつくること!太極拳で心と体をクリアにする

2.呼吸に意識を向けます。目は軽く閉じ、口も閉じ、舌は上あごの下につけて、鼻で呼吸します。
“吐く”と“吸う”の“間”を丁寧に観察しながら、しばらく続けましょう。

3.終わりに向かう準備ができたら、ゆっくり目を開けます。見えるもの、聞こえる音、香りなどを意識してみましょう。ワークをする前と違う感じ方をするかもしれません。

4.体と心を、日常生活に戻す準備をします(時間がなければ、省略できます)

顔:両手の中指が鼻の両脇にくるように手のひらを置き、噴水を描くように顔をなでます。
目:手のひらをこすり合わせて温かくし、閉じた目の前に当てます。

まず自分の軸をつくること!太極拳で心と体をクリアにする

頭:額から頭の後ろにむけて、指で梳かします。
耳:指で引っ張ります。
全身:手のひらで、肘の内側、脇の下、鼠蹊部、膝を叩きます。脚も全体を叩きます。力を込めず、腕の重さで落とすように叩きます。
これで終了です。

まず自分の軸をつくること!太極拳で心と体をクリアにする

ワークの途中でチャイムが鳴った時などは、あわてて返事をせず、ひと呼吸おいてから対応しましょう。せっかく整った自分の呼吸のリズムが乱れてしまうからです。

そして、ワーク後、声を出し、そのトーンを観察してみましょう。ワーク中の体の様子、呼吸のリズムと声のトーンが、自分のベースになります。ベースがわかっていると、心が乱れた時、体が固くなった時に、気づきやすくなります。

「私はこの“吸う”と“吐く”の“間”を丁寧に感じることで、ふわっと、柔らかい気持ちになり、落ち着きを取り戻します。そして、このワークが終わった後は、すごく内側に意識が向きます。人の評価や相手のことが気になる方、自分の気持ちが、どうしても外へ外へと向いていってしまう方には、とくにおすすめの呼吸法です。これを繰り返し行うことで、自分自身が満ちていく、そして満たされていくのを、感じとっていただけると思います。

毎日のお仕事を楽しく前向きにするためにも、心と体のバランスと整えて、ストレスのない毎日を送っていただきたいと思います。ぜひ、試してみてください」と呼吸法の極意を説いてくださいました。

まず自分の軸をつくること!太極拳で心と体をクリアにする

撮影・取材・文/ORCA
写真/いしいまゆみさん提供

Profile

プロフィール

いしい まゆみさん(道号:静慧)

太極道家
第4回世界伝統武術大会(中国・湖北省)太極拳 金メダリスト
オフィシャルサイト:みんみんカンフー体と心が目覚める太極拳 minminkung-fu
英国ヨーク大学大学院で中世学(英文学専攻)修士課程修了後、帰国して翻訳業務を開始。人と関わる仕事に興味を持ち、広報などコミュニケーション業務に携わる中、「人財」を活かすことに関心を持ち、人事・組織のコンサルタントとして組織改革に関わる。人がイキイキと輝きはじめる場面に立ち会う仕事にやりがいを感じる一方、痒疹(ようしん)という皮膚疾患にかかったこと、太極拳と出会ったことが、自らの体と心のバランスを見直すきっかけとなる。

「Kung-fu is my life(太極拳は、わたしの人生を生きること)」として、太極拳を通して、体と心をリラックスさせ、目覚め、本当の願いのままに生きる人を育てようと、東京を中心に太極拳教室を開催している。
ハーブやアロマを使った植物療法を行うメディカルフィトセラピスト(AMPP認定)でもあり、季節にあわせた薬膳にも造詣が深い。
静慧(Jing Hui)は道号、武当玄武派第十五代伝人 田理阳師父からいただいた名前。「静」と「慧」の2つの要素があり、心穏やかになることで智慧が出てくるという意味。
毎年、中国の武当山を訪れ、武当玄武派第十六代伝人 明月師父に師事し、稽古を続けている。好きな言葉は、「笑う門には福来る」

ブログ「みんみんの陽だまり太極道日記」
http://blog.minminkung-fu.com/
講座のお知らせはこちらから
http://blog.minminkung-fu.com/?cid=5

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