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まず自分の軸をつくること!太極拳で心と体をクリアにする #1

大好きな美容の仕事についたはずなのに、何かが違う、仕事のスキルもアップしているのにどこか満足していない、そう思っているあなたは心も体も凝り固まり、自分の軸を見失っているかもしれません。

そんな時は何をやってもうまくいかないもの。もう一度自分自身の内面を見つめ直し、心も体もクリアにすることから始めてみてはいかがでしょう。

太極拳と出会って、心と体のバランスを見つめ直すきっかけができた!という、太極道家・いしいまゆみさん(愛称:みんみんさん)に、太極拳を通して得た“心と体の軸”についてお話を伺いました。

太極拳の魅力とは

まず自分の軸をつくること!太極拳で心と体をクリアにする

「太極拳は、ゆったり呼吸してゆっくり動く、全身運動です。それは単なる運動ではなく、私にとっては、生きていくことを教えてくれるものです」と語るみんみんさん。

太極拳の効果として、

  • 筋力がつく
  • 血行促進
  • 内臓機能のアップ
  • ハリツヤ肌の実現
  • 老化の速度を遅らせる
  • 体の緊張やこわばりをほぐすなど

精神面では、

  • 気分転換
  • 自分のリズムを取り戻す
  • 集中力が増す
  • 勘が鋭くなるなど

そして人との関りにおいても、とても円満な人間関係につながり、太極拳は人生のよきパートナーともなり得る存在です。個人差はありますが、身体面はもちろん、精神面や人との付き合い方にもとても役に立つと言えるでしょう。

まず自分の軸をつくること!太極拳で心と体をクリアにする
今の太極拳(武当太極拳)に出会った地、それが中国、湖北省にある武当山だそうです。道教の聖地のひとつであり、寺院が世界遺産に指定されているこの地を、みんみんさんは毎年訪れ稽古を続けています。

縦に伸びる力と陰陽均衡が軸を作る!

「太極拳の動作の基本は、ふたつだと思っています」とみんみんさん。1つ目は、“縦に伸びる力”です。積極的に足で大地を踏みしめると、自然と頭が天に向かって高く伸びていきます。2つ目は、“陰陽均衡”です。

「縦に伸びる力は、健康はもちろん、老化スピードを緩めることにも役立ちます。老化に伴い体は縮み、背は低く、腕や体はこわばりがちになりますが、この縦に伸びる力があることで、関節に隙間ができ、体にはゆとりが生まれます。ゆとりがあれば血が流れやすくなり、血が流れれば、体温が上昇します。体温は、健康を保つ大切な要素です。

そしてもうひとつの陰陽均衡については、“シーソー”をイメージしてみてください。重い荷物を持ち上げるのは大変ですが、シーソーを使って、片側に荷物を置き、もう片方に座われば、簡単に持ち上げることができます。陰陽均衡は、この“シーソー”のしくみと同じです」と、みんみんさんは太極拳の動作について興味深いお話をしてくださいました。

まず自分の軸をつくること!太極拳で心と体をクリアにする

太極拳は、山や森など自然の中に身を置いて自然のあり方から自分のあり方を学ぶもので、これもそのひとつだそうです。水は高いところから低いところに流れます。上げるためにはモーターやポンプが必要で、労力がかかります。自然な動きは上から下、つまりシーソーでいえば、下げる、ということです。下げるを“陰”、上がるを“陽”とし、陰を作れば陽は自然に発生するというのが、太極拳の陰陽均衡の考え方だそうです。人の体はシーソーのように相反する動きで楽に力を出すことができるのです。これが太極拳の体に負担をかけずに力を発揮するコツなのです。

このように縦に伸びる力と陰陽均衡により、体の中に“軸”が作られていくといいます。シーソーには軸があります。軸がないと、どちらも成立しません。それと同じように、体にしっかりとした軸ができると、自然とバランスが保たれてくるのです。

地に足の着いた人になる!

軸がしっかりしていれば、たとえば道でつまずいた人が倒れかかってきても、一緒に倒れにくくなります。自分の身を守るばかりでなく、倒れてきた人を支えて助けることもできるのです。これは人間関係にもつながるそうです。世の中で起きている争いごとは、お互い反発しあっています。攻撃意欲に燃えた相手に向かっていくとき、自分は前のめりな状態で軸を失っています。相手を倒そうとしているつもりでも、実は相手があることで自分が立っていられるということなのです。だからやめられないのです。一方、太極拳は、自分の軸を失わないことで、起きてしまった戦いを穏やかに終わらせていくことができるそうです。

「たとえば、前方から誰かが押してきた場合、それに抵抗して押し返すのではなく、縦に伸びる力で吸収します。相手がいるから自分が存在しているわけではありません。誰かがいてもいなくても、自分はちゃんと、存在しているのです。軸がある人は大地にしっかり根を張り動じないので、押してきた相手も自然とやる気をなくしていきます。誰も傷つくことなく、争いを収めることができます。社会の中でも、上司や同僚、お客様のために自分が存在するのではなく、自然界に生きるひとりであることを思い出し、自分の軸で立つことが大切なのです。

軸があって安定して立てれば、何よりも自分が安心します。軸がないと、立ち続けるために、代わりに何かを固めます。たとえば筋肉の緊張という鎧を着て、体を支えようとします。『体がかたい』とか『コリがひどい』という人は、必死で自分を守ろうとしているのかもしれないのです。でも逆の立場から見ると、鎧を着ている人は怖いため、逃げるか、攻撃したくなります。そんな状況ではコミュニケーションもスムーズにいきません。

まず自分の軸をつくること!太極拳で心と体をクリアにする

“地に足がついた人”というと、どっしりして安心感がある人をイメージしますよね。人を助けられる人になるには、まず自分から。自分を見つめ、しっかりと大地に根をはり、軸を持てば、心身の緊張は取りやすくなり、結果的にはコミュニケーション力を高めることにもなります」と、みんみんさん。

自分の心の声に耳を傾けて

みんみんさんは、以前、人事や組織のコンサルタントとして組織改革などに携わるお仕事をされていましたが、人がイキイキと輝き始める場面に立ち会うやりがいを感じながらも、ストレスにより痒疹(ようしん)という皮膚疾患にかかってしまったそうです。

「会社員だった頃は、常に外から見られる自分を気にしていました。外からの評価が自分の価値だと思っているので、他人とも競争します。その競争には、終わりがありません。そんな中で仕事をしていくのはとても苦しい事ですが、自分では全く気づいていませんでした。外ばかりを見ていて、本当の自分とは向き合っていなかったと思います。

そして発症したのが、痒疹という皮膚疾患です。痒さで眠れないこともありましたし、何よりも皮膚がキレイではない。それが嫌でたまりませんでした。でも、太極拳を続けて、自分の内側を見つめていくことで、気づきと変化が訪れます。痒疹は、自分の体をないがしろにしてきた自分の内の声を伝えていたのだと気づいたのです。赤信号は『止まれ』なのに、無理やり渡ろうとしてきたことにも気づかされました。自分の体に『ごめんなさい』と謝り、その時、これからは何があっても、自分の心身は自分で守ると約束したのです。体は、自分の心の声を教えてくれます」と語ってくださいました。

心と体のバランスを保つことが大切

まず自分の軸をつくること!太極拳で心と体をクリアにする

現代社会には多くのストレスや負担になること、複雑な人間関係が絡んでいますが、太極拳で学んだ、自分の体の内側を感じること、そして軸をしっかり持つことが、とても役に立っているとおっしゃいます。

きっとみなさん、憧れだった好きな仕事についているはず。その大好きな仕事をする中でも、自分の軸をしっかり持っていないと、いつの間にかいろんなことに流されていってしまいます。そしてなぜ大好きだったのか、それさえもわからなくなってしまうこともあります。

自分軸があることで、自分の本当の願いに気づきやすくなったというみんみんさんですが、それでも時々「あれっ、何かが違う!」と思うことがあるそうです。そんな時でも、体を通して軸を確認し、自分の内側にある心をみつめていくと、答えがふっと湧いてくるような経験をたくさんしているそうです。

心身ともにリラックスさせてくれ、より高い位置へと意識をあげてくれる太極拳。
#2では心と体をむすびつける呼吸について、実践を交えて具体的にご紹介いたします。

取材・文/ORCA
写真/いしいまゆみさん提供(一部ORCA)

Profile

プロフィール

いしい まゆみさん(道号:静慧)

太極道家
第4回世界伝統武術大会(中国・湖北省)太極拳 金メダリスト
オフィシャルサイト:みんみんカンフー体と心が目覚める太極拳 minminkung-fu
英国ヨーク大学大学院で中世学(英文学専攻)修士課程修了後、帰国して翻訳業務を開始。人と関わる仕事に興味を持ち、広報などコミュニケーション業務に携わる中、「人財」を活かすことに関心を持ち、人事・組織のコンサルタントとして組織改革に関わる。人がイキイキと輝きはじめる場面に立ち会う仕事にやりがいを感じる一方、痒疹(ようしん)という皮膚疾患にかかったこと、太極拳と出会ったことが、自らの体と心のバランスを見直すきっかけとなる。

「Kung-fu is my life(太極拳は、わたしの人生を生きること)」として、太極拳を通して、体と心をリラックスさせ、目覚め、本当の願いのままに生きる人を育てようと、東京を中心に太極拳教室を開催している。
ハーブやアロマを使った植物療法を行うメディカルフィトセラピスト(AMPP認定)でもあり、季節にあわせた薬膳にも造詣が深い。
静慧(Jing Hui)は道号、武当玄武派第十五代伝人 田理阳師父からいただいた名前。「静」と「慧」の2つの要素があり、心穏やかになることで智慧が出てくるという意味。
毎年、中国の武当山を訪れ、武当玄武派第十六代伝人 明月師父に師事し、稽古を続けている。好きな言葉は、「笑う門には福来る」

ブログ「みんみんの陽だまり太極道日記」
http://blog.minminkung-fu.com/
講座のお知らせはこちらから
http://blog.minminkung-fu.com/?cid=5

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