5年、10年後もトップでいるためには、もう一歩先へ行っていないといけない!
男性美容研究家として活躍されている藤村岳さん。ここでは今注目のコスメや今後やりたいことなどをお伺いしました。トップを走る人だからこその着眼点や発想は、仕事で活躍したいと考えているモアリジョブ読者の参考になるのではないでしょうか。
男性メイクの基準を作るのが今の目標ですね
――今、メンズの美容アイテムで注目しているものはありますか?
「メンズというわけではないんですけど、今年はバリア系に注目しています。これまでは守るというと紫外線だったんですね。2、3年前からは近赤外線が紫外線とともに悪いと言われるようになり、プラスして可視光線のブルーライトも良くないということが叫ばれるようになりました。加えて、PM2,5や花粉などの大気中の微粒子もありますから、そういうもの全般から肌を守ることが大切だと思っています」
――肌に悪いものって紫外線だけではないんですね?
「そうなんです。刺激物って意外と多いんですよ」
――近赤外線やブルーライトから守るって、例えばメガネとかですか?
「いえいえ。クリームがあるんです」
――ブルーライトってスマホやパソコンの光ですよね。
「そうです。メラノサイトを刺激し、色素沈着を起こすことが分かっているんですよ。先日、今年のバリア系コスメの総括的な記事を『日経ウーマンオンライン』で書いたんですけど、肌を守るのはもう男女関係なくジェンダーレスだと考えています」
――ということは、コスメは男女共用?
「はい。今やコスメは、若い世代においては性別が関係なくなっていると言って過言ではありません。区切ることのほうが、違和感があるかもしれませんね。今どきの若い男の子にはメイクをする人だっています。唯一の違いはシェービングくらい。だけど、若い世代は永久脱毛をしたがる人もいるので、そのうちシェービングさえもなくなるのかなと思います。そのことに関しては、個人的な意見はありますが、原則的に良いか悪いかは言わないようにしています。そういう流れがあるのなら、僕はどういう提案をすればいいかを考えるだけです」
――どちらかに傾くのではなく、中立的な立場でいると。
「何をするか、しないかは個人の自由ですし、その人にとっての幸福を考えたとき、『毎日のシェービングが面倒だ』『肌に負担がかかるからやりたくない』と思っている人に、『シェービングは大事なんだよ』『頭が薄くなってきたときにヒゲがあると便利だよ』と言っても、その人の幸福度は上がらないと思うんです」
――確かにそうですね。分かりやすいたとえです。今後はご自身の活動をどのように発展させていきたいですか?
「特に壮大な夢はないのですが、男性のメイクをもうちょっと真面目に考えようと思っています。若い男性のメイクが増えている一方で、やりすぎる人も見かけます。そういうところでの男性の新しい身だしなみの基準を作ることができればなと。例えば、肌をキレイに見せるBBクリームやファンデーションを使うのは悪いことではなくて、どのくらいの量をつけたらやりすぎてしまうのか、一般に受け入れられる量とはどれほどか。そういう具体的なことですよね。眉毛も薄かったら描くしかないわけで、何色で描くのか、どれだけ描くのか、そういう基準を作りたい。また、こういうことをやると理解のない人たちからバカにされたり、蔑まされたりという社会的状況もあると思います。だとしたら、どう折り合いをつけるのがいいのかという議論も必要かもしれません」
――いろんな美容の考えを持つ男性がいていいということでしょうか?
「ただし、クサイとか汚いとかは、受け入れられない人が圧倒的に多いですから。繰り返しますが、清潔であることはスタートライン。マイナスを減らすのは絶対に必要です。その先にあるものは一概に良い悪いじゃない。今、大半の人は男のメイクなんて『やらなくていいよ』『気持ち悪い』と感じていると思うんです。しかし5年後、10年後には状況は変わっている可能性だってあります。5年後も10年後もトップでいるためには、僕は世間よりもう一歩先へ行っていないといけないんです」
Profile
藤村 岳(ふじむら がく)さん
男性美容研究家
出身地・東京都
大学卒業後、植物関連の雑誌・書籍の編集を行い、ハーブやアロマテラピーの知識を得る。その後、『オレンジページ』に転職し、料理、健康などの生活情報誌に携わる。そんな中、男性が読む美容記事を、ヒゲを剃らない女性美容ライターが書くことに違和感を覚えて、男性美容の道に進む。シェービングを中心に据えた独自の男性美容理論を打ち立て、男性美容のパイオニアとして活動中。総合情報サイト『All About』にて「メンズコスメ」のガイドも務めている。『Safari』『UOMO』『GOETHE』などの雑誌でも連載し、数々のテレビ番組やラジオなどの出演のほか、講演・イベントなども行う。
また、コンサルタントとしてコスメの開発にも携わる。その他、男性用コスメのマーケティングも行っている。国内外のスパを訪れ、男性が楽しめるスパ・エステについても造詣が深い。
Information
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