ネガティブな思い込みに負けないで!【接客の苦手意識から解放されるには? #2】
接客業で働く人に意外と多く見受けられるのが、コミュニケーションの悩み。お客様も自分も楽しくいられる関係を作るには、どうしたらいいのでしょうか。
のべ1000人のクライアントのセッションをおこなってきた、人気セラピスト・小貫淳子さんに、接客の苦手意識から、自分を解放して楽になる方法をうかがいました。
思い込みが苦手意識を大きくする
小貫さんのところに来るクライアントさんで、「仕事は好きだけれど、お客さんとの会話が苦手」と訴える人は少なくないそうです。
「会話がもりあがらない」「何を話したらよいのかわからない」というのが、もっとも多い声だとか。
「苦手意識を持つ方には、真面目な人が多いです。本人のなかに〈会話はこうあるべき〉〈こんなふうに話したほうが良い〉という、モデルがある。そのモデルを基準に、自分はできていない、だから会話がうまくないんだ――と思いつめ、それが自分のなかで思いこみになってしまうと、苦手意識が大きくなります」
お客様にはこうしなくてはいけない――と、信念が強くある人も多いそう。目標を持つこと自体は、決して悪くはありません。ただ、そのことで「自分はダメだ」「できない」と追い詰めてしまうのでは、本末転倒です。
「信念や理想がよいものであっても、とらわれすぎてしまっては苦しくなるばかりです。現実は、頭の中で考えるようには動いてくれません。自分の考えに固執し過ぎると、意外な出来事が起こった時に対応できなくなります」
「楽しい会話」を考えてみると、実は黙っている静かな時間も大事です。
自分自身がゆったりと安心していれば、お客様もリラックスできます。自分がお客様との時間を楽しむことができれば、言葉は少なくても好感度があがるはず。静かに過ごしたい人、少しだけ会話をしたい人、それぞれのサインを見逃さないことが大切です。
感情を抱え込まず、ありのままを受け止める
お客さんとの関係に悩み人には、「お客さんが収入(お金)をもたらしてくれる」「良くも悪くも、お客様が第一だ」と考えるあまり、無意識のうちに「自分がクライアント(客)の下だ」という関係性を作ってしまう人も。
「お客様が大事だと思いすぎると、余計に緊張感が生まれます。〈気〉を〈持つ〉から〈気持ち〉というくらいで、人間は無意識のうちに感情を身体に抱え込んでしまうのです。大事なのは、感情が生まれた時に見逃さないこと。そして〈ああ、自分は今、こんな感情を持っている〉と受け止めることです。それだけでも、感情は表にでることができるからです」
嫌だ、怖い、という気持ちはネガティブなので、普段は気づかないふりをしてしまうが、そうした感情こそ、解放してスッキリするのだとか。
「まず、自分自身がその場に存在することを楽しみ、受け入れること。それができていれば、〈何を話すか〉などは大きな問題ではありません。いつも穏やかで、ホッとできる人、お友達にいませんか? 多くを話さなくても、リラックスできるなら、それに越したことはないのです」
どうしても苦手意識が消えないときは?
どうしても会話への苦手意識が消えず、緊張してしまうという方には、感情を外に解放するための手法、EFT(Emotional Freedom Technique)がおすすめです。いくつかの経絡のツボを覚え、順番に触れながら、感情を解放していくという手法で、難しいものではありません。東日本大震災の被災地で開催してきたEFTセミナーでも効果を実感しました」
生まれてくる感情に気づき、そのつど解放していくEFTのテクニックは穏やかで優しいけれど、効果はパワフル! F1レーサーが、レース前にコックピットでおこなうほど実践的なのです。
EFTは「タッピングポイント」にそっと触れながら、感情を解放していくシンプルなメソッド。具体的な方法は、小貫さんのブログ(https://junko-onuki.com/eft/)を覗いてみてください。
また、小貫さんが教えてくれる講座も、定期的におこなわれているので、興味のある方は参加してみては。疲れて、考えられないときにも、そっとタッピングすることで気持ちが楽になります。
取材・文/矢内裕子
Profile
小貫淳子( おぬきじゅんこ)さん
JMET認定トレーナー
心理セラピスト Holistic Healing College(英国)Integrated Counselorディプロマ取得。一般社団法人ハートレジリエンス協会(旧ハートサークル)(※)のセラピストとして、気仙沼、釜石等被災地でのEFT体験講習会や個人相談に精力的に参加。( ※「被災地におけるメンタルケアプロジェクトは「レジリエンスジャパン推進協議会」より「優良賞」授賞 」
ブログ「ココロを解く」:http://junko-onuki.com
information
一般社団法人ハートレジリエンス協会(旧ハートサークル)
溝口あゆかさんが代表を務め、小貫さんも参加している英国ホリスティック・ヒーリング・カレッジ出身の卒業生が中心となったセラピストの集まり。トラウマ解放から家庭や職場での悩みといった様々な心のケアに対応できる経験とスキルを持ったセラピストによるカウンセリングサービスを行う。普段気付いていない意識を掘り下げながら本人からの気づきを促し、セラピーで感情を解放するという特徴的なセッションを提供。身近にカウンセリングやセラピーを受けられるシステム作りを目指している。
小貫淳子さんが編集人となっている『介護をしているケアラーのあなたへ こころを軽くするヒント集』(一般社団法人ハートレジリエンス協会)が、無料配布中です。
冊子の無料発送や、無料ダウンロードのサービスも。
日常生活をおくるヒントも書いてあるので、ぜひ覗いてみてください。
相手の気持ちに寄り添い受け止めること!【接客の苦手意識から解放されるには? #3】