「片付けられない」はもう卒業! “捨てる系”片付けで、気持ちのいい空間作り、サロン作りを!
日ごろから美容に携わる職業に就いている皆さんですから、片付けられない女子・男子なんていない? いやいや、表立っては言えないけれど「片付けられない美容師」「自宅に人を呼べないエステティシャン」……実はけっこういるんじゃないですか? そんなみなさんのために、メディアで話題の“捨てる系”片付け術について調べてみました。きれいなお店、きれいな部屋をキープして、仕事もプライベートも今よりもっと充実させちゃいましょう。
もっとも効率的?“捨てる系”片付けのススメ
星の数ほどある片付け法のなかで今、もっとも人気があるのが、持ち物を自分が管理できる量まで減らしてミニマムな物のなかで生活するという ”捨てる系”の片付け術です 。物は増えれば増えただけ、その管理も大変になるというもの。だったら物が散らかる原因を根本から断って、片付けの負担を軽くすればいいのではという発想です。今回はそんな“捨てる系”の片付けブームの元祖となった書籍2冊をご紹介しながら、その片付け術の神髄を探っていきます。
元祖・片付けの哲学【断捨離】
捨てる系片付けブームの火付け役となった「断捨離」というワード。いまや巷で知らぬ者はないというくらい有名になったこの言葉は、ヨーガの行法である「絶行」「捨行」「離行」の心得を片付けに応用したもの。住まいや心のガラクタを整理する“クラターコンサルタント”である、やましたひでこさんの著書内で発表されました。やましたさんの著書『新・片づけ術断捨離』(マガジンハウス)にて登場する「断捨離」は、ヨーガに端を発していることからよく仏教用語と間違われますが、言葉自体はやましたさんが考案した新語。現在では商標登録もされているのだそうです。
そんな「断捨離」の本来の意味合いは、以下の通り。
捨:家にはびこるガラクタを捨てる。
そして断と捨を繰り返した結果、訪れる状態を
離:モノへの執着から離れ、ゆとりある“自在”の空間にいる私。
と定義づけます。
【やましたひでこ公式サイト(https://yamashitahideko.com/profile/)より】
つまりは「家のガラクタを片づけることで、心のガラクタをも整理して、人生をご機嫌へと入れ替える方法」のこと。
新たに物を増やさず(断)、いらない物を思いきって捨て(捨)、結果物への執着から解放される(離)こと。これは、なにも片付けだけに限られた話ではありません。物との関係を見直して、本当に必要な物だけを選び取るというその行動を自分の心、ひいては自分の生き方に応用して、それぞれが本来持っている人生のスタンスに立ち返ること。これこそが断捨離の最大の目的となるのです。
なんとも壮大なスケールですが、物と向き合うことは自分と向き合うこと。さまざまなしがらみ、混乱、ガラクタを手放し、本当に必要な物だけを選び取る思考をマスターすれば、部屋がすっきりと片付くだけでなく、人生を大きく転換させるきっかけにも繋がっていく。そんな風に自分自身の「内在智」(心や体を快方向に導くセンサー)が磨かれる書籍になっています。
アフターフォローまで万全!【片付けの魔法】
“片付けをすると肉体のみならず、精神的にものすごく疲労感が残る…”。
そんな人は、物を捨てる「罪悪感」に苛まれているせいかもしれません。
国内にとどまらず、アメリカ、ニューヨーク・タイムズ紙でNo.1ベストセラーにもなった、こんまりさんこと近藤麻理恵さんの著書『人生がときめく片づけの魔法』(サンマーク出版)は、そんな心のアフターケアも秀逸。
彼女の片付け術は、はじめになりたい部屋やこうなりたいという生活を思い浮かべることから始めます。そしてそのあこがれの生活に必要でない物はすべて捨てるという方法で、いらない物を整理していくのです。
しかしこの方法で弊害となるのが“罪悪感”。物を捨てられない人にとっては、捨てる=罪。買ってから1回しか着ていない洋服、いただきもののインテリアなどなど、必要ないとわかっていても、罪悪感にかられてなかなか捨てる決心ができないという人が多いのです。
こんな風に迷ったとき、こんまりさんの判断基準は、ズバリ“心がときめく”かどうか。最初に自分が思い描いた理想の暮らしのなかに、その「物」があることを想像する。あるいはじっさいにその「物」自体に触れて、自分の心に直接聞く。そうして心がときめかなかった物に対しては「ありがとう」と、過去の自分をときめかせてくれたことにきちんと感謝してから捨てるのです。
いる物といらない物の判断がルール化されているため、自然と残すべき物がわかりますし、捨てる物に対しても、捨てっぱなしではなくきちんとフォローがあるため、片付けは辛いものという考え方を取り払ってくれる。これが「片付けの魔法」の魅力です。実際に書籍を読むと、片付け中の心の機微や、迷ったときの気持ちのフォローがよりわかりやすく書かれているので、いっそう片付けがしたくなるはずですよ。
以上、メディアを牽引する片付け本2冊から“捨てる”系の片付けについて学んできました。双方の本に共通することは「物を捨てるということは、その人の生き方に通ずる」ということではないでしょうか。片付けのヒントになるアイディアが少しでもみつかれば幸いです。これを期に手もとに1冊好きな片付け本を用意して、今までになかった新しい片付けを始めてみませんか。