スタッフひとりひとりに考える力を『Ame hair & nail エイム』
新宿3丁目に店をかまえるAme hair & nail(エイム ヘア アンドネイル 以下エイム)。ヘアとネイルケアを同時にできる、トータルビューティーを提案することで店の特色を出し、他店との差別化をはかっています。そんな店内は、中心スタッフが話し合いを重ねて作り上げた美容室らしさを払拭したカフェ風の待合室やカットの椅子はソファという新しい挑戦。そして、その話し合う姿勢は、経営にも現れていました。丁寧に、そして店名の「Ame」(フランス語)の意味とおりに”心”を通わせる、店舗運営について、代表の小林宣洋さんにお伺いします。
得意な施術を、より得意にする
――店内を見渡すと、膨大な量のヘアカラー剤とネイルが目に入ります。
小林「カラーはどちらも豊富にそろえています。当店では『ヘアカラーナシードオーッガニックカラー』を使っているんですが、これは100色。通常、お客様が希望されるカラーに近くなるように混ぜて使いますが、それをしなくても大丈夫という利点があります。また、ネイルのリーフジェルも200色揃えていますので、感覚的にご希望される色を選べると思います。ヘアもネイルも多種多様な色に対応できるようにしています。カラーもですが、当店がもっとも得意な施術はTOKIOインカラミトリートメントですね。スチームと超音波アイロンを使用して内部にトリートメント剤を入れていくんですが、このひと手間をかけるのは新宿では当店だけのようです。」
経営のすべての情報を共有する
――商材を揃えるということは、コストもかかるかと思います。
小林「当店ではスタッフは全員、お店の家賃や広告費、人件費などお金の流れを月1度の全体ミーティングで話をしているため、コスト意識はおのずと育まれています。他店なら店長クラスのスタッフも多いとはいえ、経営に携わった経験がなければ美容師もネイリストもお金のことを知らないのが実情かと思います。そのため、「材料を節約しましょう」や「お客様を店に呼ぶのは大変なこと」と言葉で説明をしてもピンとこないため、なかなか動くことができません。知っていれば、コスト面を考慮して効率よく材料を使えて使えることになります。」
――そのようにスタッフを教育しているのは、どんな点を考慮しているのでしょうか?
小林「スタッフがお店で取り組みたいことがあったとき、お金の流れや経営的な考え方、お客様の心理をすべて考えたうえで、提案ができるように育ってもらいたいからです。どうしたらお店に取り入れてもらえる提案になるかを、深く考えられるようになるためです。知らなければ、提案が却下されたら不満が溜まるだけになるんじゃないでしょうか。また、将来的には、スタッフがいつか美容師やネイリストとして自分のお店を開きたいと思ったときに、“経営を知っていることの強み”になればと思っています。」
働きやすい職場のためのバランスつくり
――知る、そして任されることは、スタッフのモチベーションが上がると思います。ほかに取り組んでいることはありますか?
小林「美容業界で美容師やネイリストのお店の定着率が低いのは、ひとつにワークバランスが崩れているというのがあると思います。そのため、当店では完全週休二日制をとっています。一日の勤務時間も9時間までとして、プライベートも充実できるようにサポートを。また、早朝など時間外の予約をとった場合は、早く帰れるようにするなど柔軟に対応しています。今後は結婚、出産、育児などライフステージに合わせた応援ができる店でありたいと思っています。やはり仕事をしっかりするには、勤務や給料体系の安定だけでなく、プライベートの時間も確保することも大切なことですから。それ以外に、外部講師を読んでの勉強会やスキルアップのバックアップも準備中です。」
――具体的にはどのようなことでしょうか?
小林「美容師としての将来を考えると、同じように働き続けるのは難しいと考えています。そこで、将来の選択肢のひとつとして考えられるのは、美容師からネイリストへの転身。ネイルサロンが併設されているため、実際のサロンワークを見ることもでき、また美容師の仕事の合間に効率よく技術を習得することも可能です。すでに当店で働いている間にネイルを勉強したスタッフもいるのですが、これのバックアップ体制をもっと強化して、スタッフがより働きやすい職場をつくっていきたいと考えています。」
profile
小林宣洋さん
施術歴10年になる『エイム』の代表となるスタイリスト。
都内の美容室激戦区などでの店舗勤務経験を経て、現在にいたる。ヘアケアマイスター。髪の毛本来のきれいさを引き出して、似合うヘアスタイルを提案する。
Salon Data
Ame hair & nail
東京都新宿区新宿3-11-9 花菱ビル2F
03-5341-4262