夢に向かう過程で必要な努力なら惜しみなくできる ヘッドスパニストbebiさん♯1
美容師からヘッドスパニストに転身したtetedebebe headspa by unreve(テテドベベ ヘッドスパ バイ アンレーヴ)のbebiさん。新人時代、どこに向かって進めばいいか分からなくなってしまったとき、「気持ちいい」とお客様に喜ばれたシャンプーで自分の存在意義を実感し、ヘッドスパニストへの夢が浮上しました。
その夢を強力に支え、応援してくれたオーナーやスタッフに恩返ししたいという一心で、bebiさんは夢に向かう過程において必要な努力を惜しみなく遂行。ディプロマ取得のための勉強はもちろん、ヘッドスパニストへの弟子入りなどを経て、見事ヘッドスパニストに転身します。
お話を伺ったのは…
tetedebebe headspa by unreve
ヘッドスパニストbebiさん
美容師時代に抱えたモヤモヤをオーナーとのカウンセリングでヘッドスパニストになりたいという夢に変換。美容室unreve(アンレーヴ)に籍を置きながら、cotaヘッドスパディプロマ1級を取得。その後もヘッドスパニストへの弟子入り、都内美容スクールなどで学びを深め、独自のヘッドスパメソッドtetedebebe(テテドベベ)を考案。サロンでトップクラスの売上を上げる。2023年unreve内に完全個室のtetedebebe headspa by unreveをオープン。2024年にはtetedebebeヘッドスパメソッドスクールを開校、bebi学長となる。アパレルブランド「bebiKo」のデザイナーとしても活躍中。
お客様に必要とされていると実感できたシャンプー
――まずはunreveに転職するまでの経緯を教えてください。
地元滋賀で、普通科と美容師の勉強が同時にできる通信制高校を卒業後、大阪・名古屋の美容室に勤めました。4年後、環境を変えたくなって転職を考えるようになり、当時女性が働きやすい環境を推し進めていたunreveへの入社を決めました。
――unreve入社後の環境はいかがでしたか?
まわりの環境にも慣れてきた頃、人より早く美容師になったのに、高校卒業後に美容学校に行った人たちと何も変わらない。自分だけできてないなど、人と比べてマイナスに考えてしまうことが多くなり、お店を休みがちになった時期がありました。そんな状況を気にかけてくれたオーナーが、営業前にドライブやカフェのモーニングにたびたび誘ってくれて、話を聞いてもらいました。そうしているうちに、ヘッドスパニストになりたいという夢を持てるようになったんです。
――ヘッドスパニストになりたいと思ったのはなぜですか?
アシスタント時代、お客様と1対1になれるシャンプーの時間がいちばん好きだったんです。シャンプー後に「気持ちよかった」と喜んでもらえると、わたしはお客様に必要とされていると思えて、なんかモチベーションが上がったんですよね。これをメインにできる仕事はヘッドスパだと気づいたんです。
夢に向かう過程で必要な努力は惜しみなくする
――ヘッドスパニストの技術はどこで学んだのですか?
お店がcotaを使っていたので、cotaのヘッドスパニスト講習を受講しました。技術はもちろん覚えないといけない知識も多かったので、決して楽ではありませんでしたが、夢に向かう過程で必要な苦労だったので、嫌ではなかったです。ディプロマを取得すれば、自信を持ってヘッドスパニストと名乗れる。そう信じて2年間でcotaヘッドスパニスト3級から1級までを取得しました。
当時、1級の取得者は各都道府県に1人いるかいないかだったので、ヘッドスパニストを目指す他のサロンの美容師の方が1級取得者の施術を受けたいとお店に来てくれたこともあったんです。
――ディプロマ取得後、ヘッドスパの仕事は順調でしたか?
ディプロマを取ったからといって、いきなりヘッドスパの集客ができるわけでもなく、最初は月の売り上げも数万円でした。なので、カラーもカットもパーマも他のスタッフと同じようにそれまで通りやっていました。でも、スパニストだけでお客様が溢れる状態をつくり、一流のスパニストになるという最終目標ができたことで、以前の何倍も仕事が楽しいと思えるようになったんです。
――bebiさんの気持ちが変わったことは、周りのスタッフにはどう映ったのでしょうか?
今でこそスパニスト選任の方も増えていますが、当時はまだそんな風潮もなく、ただわたしがスパをやりたいというだけで何の実績もなかったので、スタッフ間には反対ムードもありました。でも、わたしの仕事に対する熱意が上がったことで、最初は反対していたスタッフも「bebiちゃんがヘッドスパを始めたから試してみて」とお客様に声をかけてくれるようになったんです。そのときは、認めてもらえたんだなと思って本当に嬉しかったですね。
――ヘッドスパニストに弟子入りもされたそうですね。
資格を取ったけれど集客できない状況を心配してくれた先輩が、美容室でスパをやっている方をインスタで見つけてくれて、その人にコンタクトをとりました。その方のサロンに通って、カウンセリングの方法や具体的なマッサージ方法を学びました。ディプロマ取得のときは、カリキュラムに沿った内容でしたが、実際にお客様と接している方から学べたので、こんなふうにマッサージされたら嫌なんだなとか、とても役立つことが多かったです。
オーナーやお店に恩返ししたい気持ちが原動力に
――いまではサロンでトップクラスの売上だそうですが、売上はどのように伸びていったのですか?
5年前のスタート時は月3万円くらいしかなかったヘッドスパの売上が、5万になり、10万超えるようになって、20万、30万と徐々に伸びていきました。まずは、スタイリストの一般的な売上の60万~80万円を超えるスパニストになることを目指していて、それを達成したのが1~2年前ですね。
――売上が上がっていくことをご自身はどういう風に感じていましたか?
「達成しましたね~」という感じ(笑)。もちろんそれも嬉しかったですが、わざわざ来てくれるお客様の存在が嬉しいという気持ちのほうが大きかったですね。こんな風になれるなんて自分でも思ってなかったので、オーナーの言葉を信じてやってきてよかったなとつくづく思います。
――トップクラスの売上を上げられるようになったのはなぜだと思いますか?
完全個室や頭浸浴付きのフルフラットシャンプー台など設備や環境面でもかなり支えてもらっているので、やりたいことをやらせてくれたオーナーやお店に恩返ししたいという気持ちがいちばんの原動力になりました。そんな環境にいられることがとてもありがたいですし、それからファンになってくれたお客様をもっと喜ばせたいという気持ちも大きかったです。
bebiさんが美容師からヘッドスパニストに転身できた3つの理由は
1.シャンプーで自分の存在意義を実感し、スパニストへ発想転換
2.夢に向かう過程で必要な努力を惜しみなくしてきた
3.オーナーやお店に恩返ししたい気持ちが原動力になった
後編では、開校したばかりのtetedebebeヘッドスパメソッドスクール、bebiさんがデザイナーを務めるアパレルブランド「bebiKo」についても伺います。
取材・文/永瀬紀子