ネイリスト検定でも重要になるウェルとは?ウェルの種類や注意点
ネイルチップはお客様の爪の長さを出すためには欠かせないものですが、その装着には高いスキルが求められます。ネイルチップにはさまざまなタイプのものがありますが、ウェルと呼ばれる部分があるネイルチップもあります。
そこで、ウェルの役割と何か、ネイリスト検定1級や2級でも使用されるハーフウェルチップとフルウェルチップの違い、さらにはウェルとつけやすさの関係やウェルがあるネイルチップ装着時の注意点などについてご紹介します。
ウェルとはネイルチップの装着部分のこと
ネイルの世界にはさまざまな用語があります。ネイリストになるためにはさまざまな技術を修得する必要がありますが、その過程では数多くの用語を理解することも求められます。その用語のなかに『ウェル』というものがあります。
ウェルとは、ネイルチップを爪に装着するときに爪とネイルチップを接着する部分のことを指し、ネイルチップの根元部分がその場所にあたります。ネイルチップの内側がくぼんでいる部分もしくは段差があるところが、ナチュラルネイルと接して接合部となる役割を果たしています。すべてのネイルチップにウェルがあるわけではありませんが、ウェルがあるタイプも多いです。
ネイルチップには、ナチュラルネイルの全体を覆うフルチップと半分を覆うハーフチップがありますが、それぞれにウェルありとウェルなしが用意されています。ウェルはその形状によって2種類に分類され、フルウェルとハーフウェルがあります。それぞれ特徴が違い、さらにチップの長さや形、カーブによって数多くのネイルチップがありますので、ネイリストとしてはお客様のネイルのタイプやデザイン、要望、そして目的に沿って使い分けることが大切になります。ネイルチップはネイルの長さを出すものとして使用する場合も多いでしょう。
そのため、ネイリストとしてはウェルに関する知識は欠かせないもののひとついえます。
ネイリスト検定1級で使うフルウェルチップについて
ウェルにはフルウェルとハーフウェルがあるということはご紹介しましたが、フルウェルとハーフウェルではどんな違いがあるのでしょう?まず、フルウェルについてお伝えします。
フルウェルチップとは、ナチュラルネイル全体を覆うフルチップの付け根の部分にくぼみや段差があり、その部分がナチュラルネイルとの接着部分になるタイプのネイルチップのことです。フルチップのウェルにあたる部分と接着しない部分の境目をポジションストップといい、接着剤をつける前にナチュラルネイルとチップが重なる境目部分の目安となります。
ネイリスト検定1級ではこのフルウェルチップをアートで使いますので、ネイリストの資格としては最高峰であるネイリスト検定1級を目指す人にとっては欠かせないポイントといえます。ネイリスト検定1級では3Dアートやフラットアートなどのミックスメディアアートの実技試験が含まれていますが、そのアートをするベースとしてフルウェルチップを装着することになります。装着状態は審査対象となっていますので、フルウェルチップを使ってアートの練習をすることは合格するために欠かせないでしょう。
チップはナチュラルネイルの幅をきっちり覆うことができるものを選び、長さや形を整えてから使用することが大切です。そのままの長さで使用する場合は、チップの先端にバリなどが出ているときがありますので整えて使います。装着時点で横幅が合わない場合は少し削ってサイズを合わせましょう。フルウェルチップは、サンプルチップや練習用に使われることも多いです。
ネイリスト検定2級で使うハーフウェルチップについて
続いてハーフウェルについてです。ハーフウェルのネイルチップは、ナチュラルネイルの全体を覆うのではなく、装着されるチップがハーフサイズになっていて、ナチュラルネイルの先端に装着することが特徴です。ハーフウェルチップはチップの付け根部分が半月状にへこんでいるのに対して、フルウェルチップはへこんでいませんので、外見上はすぐに見分けることができるでしょう。
ハーフウェルチップのポジションストップは、チップの付け根のカーブと並行になっている点も特徴といえます。ハーフウェルチップは、ネイリスト検定2級で使用することになります。ネイリスト検定2級の実技試験ではチップラップの技術が問われますが、そのベースにハーフウェルチップを使用するのです。ネイルチップを装着し、シルクやグラスファーバーなどのラップ剤でラップする作業を行います。
ハーフウェルチップは主に、チップラップやスカルプチャーのチップオーバーレイなどの長さを出したいときに使いますので、ネイリストがハーフウェルチップを使用する頻度は比較的高いといわれています。しっかりマスターして、お客様の要望に応えられるようにしましょう。フルウェルのネイルチップの場合と同様に、ウェルが大きすぎる場合の調整やそのまま使う場合のバリ取りなども忘れないことが大切です。
ウェルとつけやすさの関係とは?
ご紹介した通り、ネイルチップにはウェルありのネイルチップもありますしウェルなしのネイルチップもあります。違いとしては、ウェルなしのネイルチップは接合する付け根部分をファイルなどで削って整えてから、自分で接合部分を決めてグルーなどの接着剤を使用するのに対して、ウェルありのネイルチップは自分で接合部分を作り出すという作業がほとんど必要ないという点が挙げられるでしょう。
ウェルなしのネイルチップを使用する場合は、ネイルチップの付けの部分を削ってお客様の爪に合った形状に変えるのはそれなりに手間がかかりますので、つけにくいと感じる人も多いかもしれません。しかし、すべての人に対してウェルありのチップがぴったりはまるというわけではありません。メーカーによっても付け心地は変わりますし、ウェルありチップの場合でも微調整が必要になるケースがあります。そのため、ウェルありとウェルなしのどちらがつけやすいかは、お客様の爪のタイプによるということになるでしょう。
ただし、ウェルなしのネイルチップを使用して接合部を大きく取りすぎてしまうと接着剤のつけすぎにつながるなどのリスクがありますので、ウェルありチップの方がつけやすいと感じる人は多いかもしれません。ただし、何が何でもウェルありを使うという姿勢で施術をするのではなく、お客様のネイルのタイプによって使い分ける必要があるということを、しっかりと頭に入れておくことが大切でしょう。
ウェルありネイルチップ装着時の注意点
チップを装着する場合は、ウェルありのネイルチップでもウェルなしのネイルチップでも、お客様のネイルの形状に合わせて調整する必要がありますが、ウェルありネイルチップを使用する場合は装着時に特別な注意点もあります。お客様への施術時はもちろん、ネイリスト検定1級や2級の試験に合格するためにも注意点をしっかり理解しておく必要があるでしょう。
ウェルありのネイルチップはウェルなしのネイルチップと比較するとつけやすいと感じる人は多いでしょうが、油断は禁物です。注意点は衛生面です。ウェル部分はお客様のナチュラルネイルと密着する部分になります。接着したあとは数日間ずっと密着した状態になるのが一般的ですので、その期間中にカビなどが発生する可能性はゼロではありません。そのため、ネイルチップを装着する場合はウェル部分をしっかり消毒することがポイントとなります。
グルーではなく両面テープで装着する場合は、それほど長い期間装着状態が続くわけではないでしょうが、メンテナンスをするたびにしっかり消毒することが大切になるでしょう。また、ポジションストップなどを参考にしてウェル部分を確実に装着できるようにする点も重要です。ウェルありネイルチップの装着は練習をすれば上達するはずですが、慣れてきても衛生面の注意を怠らないようにすることに注意しましょう。