ネイルエクステンションとは?種類や施術の手順・技術を身につける方法を解説
ネイルサロンでできる施術のなかでも、ネイルエクステンションは人気メニューのひとつ。サロンによってメニューは異なるものの、ネイルエクステンションを扱っているところは数多くあります。
そんな人気のネイルエクステンションにはいくつか種類があり、施術の工程数が多いのが特徴です。
そこでこの記事では、ネイルエクステンションについて詳しく解説します。ネイルエクステンションの種類や施術の手順・技術を身につける方法などもお伝えしますので、ネイルに関心のある方やネイリストを目指している方は、ぜひ参考にしてください。
ネイルエクステンション(イクステンション)とは?
ネイルエクステンション(イクステンション)とは、爪の長さを出す技術のことです。検定などでは「イクステンション」と表記されるため、この記事でも「ネイルイクステンション」と表記します。
ネイルイクステンションには、さまざまな種類があるため詳しく見ていきましょう。
スカルプチュア|ジェルスカルプチュア
スカルプチュアのなかでもジェルスカルプチュアは、合成樹脂を爪に塗り、専用のライトで硬化させて長さを出す方法です。
ジェルにはハードジェルとソフトジェルがあり、ハードジェルは硬めの仕上がりで長持ちするという特徴があります。一方ソフトジェルは柔らかめで、落とすのが簡単なので地爪にやさしいです。
出したい長さによってジェルを使い分けるのが一般的で、1㎝以上長さを出す場合の多くは丈夫なハードタイプを使用します。
スカルプチュア|アクリルスカルプチュア
アクリルスカルプチュアは、アクリルリキッドとアクリルパウダーをを混ぜたものを爪に塗る方法です。アクリルは、化学反応で素早く固まるという特徴があります。仕上がりは硬くて丈夫です。
お客様の希望のデザインや好みのネイルにあわせて、自然で美しい爪の形を作ることができます。パーツをふんだんに使ったり、3Dアートを施したりすることも可能です。
チップオーバーレイ
ハーフチップ(通常のネイルチップの半分のサイズのもの)を地爪の先端に装着するのが、チップオーバレイと呼ばれる技術です。チップにはアクリルやジェルを塗り、専用のグルーや両面テープなどで装着します。
はじめから形が整っているものを使うため、比較的簡単です。ただし、ネイルファイルなどで地爪の形や大きさに合わせなければ、見た目が美しくないだけでなく、地爪や指先の皮膚を傷めてしまう可能性があります。
チップラップ
チップラップは、ネイルチップとシルクやファイバーなどのラップ材を使って、おもに折れたり亀裂が入ったりした爪の補強や修復を目的に行うものです。現在はあまり主流ではありませんが、長さを出す施術に使われることもあります。
ネイルイクステンションに必要な道具
ネイルイクステンションの種類によって、必要な道具が異なります。ジェルネイルで長さを出すときを例に、必要な道具を確認しておきましょう。なお、記載する道具を使った施術の手順は、次項で詳しく紹介します。
・プッシャー
・ニッパー
・プレプライナー
・ネイルファイル
・ブラシやスポンジ
・ジェル(ベースジェル・イクスステンション用のジェル・トップジェル)
・専用のライト
・ネイルフォーム
・ウッドスティック
・ジェルクリーナー
・ワイプ など
ジェルを使ったネイルイクステンション【ジェルスカルプ】の手順
先ほど紹介した道具を使って、人気のジェルスカルプチュアの施術手順を紹介します。イクステンションの種類によって方法が異なったり、サロンによっては手順が前後したりする可能性があるため、参考としてください。
なお、アクリルスカルプチュアは、ジェルスカルプチュアとほぼ同じ手順で、アクリルリキッドとアクリルパウダーを使用します。
アクリルスカルプチュアでは、ミックスチュアと呼ばれるアクリルリキッドとアクリルパウダーを混ぜたものを塗るのですが、このミックスチュアをきれいに作るには練習が必要です。
1. 爪の下処理(プレパレーション)をする
まずは爪の下処理からスタートです。
手指を消毒したあと、38~40度のお湯に指をつけ、甘皮を柔らかくします。
その後キューティクルリムーバーを塗り、プッシャーで甘皮を押し上げます。甘皮全体が浮いたら周囲の汚れのふき取り、ニッパーで甘皮を処理。
このプレパレーションという作業によって、ジェルを浮きにくくしたり仕上がりをきれいにしたりすることができるため、必ず行うようにしましょう。
2. 爪の表面を軽く削る(サンディング)
プレパレーションのあとは、ネイルファイルを使って爪の長さを調節したり、表面を削ったりする作業です。ジェルを長持ちさせるためには、このサンディングも欠かせません。
爪の表面を軽く削ると凹凸ができます。そうすると凹んだ部分にジェルが密着しやすくなり、簡単に浮いたりはがれたりするのを防げるのです。
削ったあとは、ブラシやスポンジでダストを落とし、プレプライマーを塗ってから水分や油分を除去します。
3. ベースジェルを塗る
地爪を整え終わったら爪の根元からベースジェルを塗り、硬化させます。このとき、爪先の断面にもしっかりと塗ることでジェルが浮きにくくなるため、忘れずに行いましょう。
4. ネイルフォームをカットし装着
ベースジェル硬化後はネイルフォームを指に当てます。地爪とフォームに隙間がある場合はネイルフォームのカットが必要です。
カットする際は、爪にネイルフォームを当てて軽く丸め、ネイルフォームの線とストレスポイント(爪の両端の先端と皮膚との境目)を合わせます。そして、爪にある黄色い線の一番高いところの縦幅の位置を確認。横幅と縦幅に合わせてカットして装着します。
なお、ネイルフォームは切りすぎるとやり直せないため注意が必要です。
装着後にできた隙間はウッドスティックを挟むことで、つぎの工程で使うジェルが流れるのを防げます。
5. ジェルを乗せ好みの長さに伸ばす(アプリケーション)
ネイルフォームが装着できたら、地爪とネイルフォームの境にジェルを乗せ、好みの長さに伸ばして硬化させます。この作業が、アプリケーションです。
一度硬化させたら、つぎは厚みを出すために爪の中心にもう一度ジェルを乗せ、爪先に向かって伸ばして硬化させます。
6. フォームを外して未硬化ジェルを拭き取る
アプリケーションが終わったら、指から爪先に向かってネイルフォームを外し、ジェルクリーナーを含ませたワイプで未硬化ジェルを拭き取ります。
7. 爪の形を整える(ファイリング)
つぎに、再度ネイルファイルを使って、爪の形やジェルの表面にできた凹凸を整えます。凹凸部分は軽く削りましょう。その後、ブラシやスポンジでダストを除去します。
このファイリングと呼ばれる作業は、爪の根元から先端にかけて全体をストロークするときれいに仕上がるので、施術の際に意識してみてください。
8. トップジェルを塗る
仕上げにトップジェルです。トップジェルはベースジェルよりも多めの量で、爪の断面にもしっかりと塗ります。硬化させたあとは、未硬化ジェルを拭き取って完成です。
ネイルイクステンションの技術を身につけるには?
ネイルイクステンションにはいくつもの工程があり、技術力が必要です。ここからは、ネイルイクステンションの技術を身につける方法を紹介しますので、自分に合った方法で習得してください。
独学で学ぶ
手間やコストをそれほどかけずに取り掛かれる方法として、独学が挙げられます。教材を買えばすぐにはじめられるのは利点といえるでしょう。
しかし、間違ったやり方でスキルを習得してしまう可能性があります。また、教えてくれる人がいないため、間違っているかどうかを自分で判断することも難しいです。
スクールで学ぶ
ネイルスクールは、ネイルに特化して学べる学校です。直接講師から指導を受けられるため正しい知識や技術が身につき、サロンワークにも役立てられます。ただし、通学制なので学習時間の自由度は独学より低いです。また、それなりに費用もかかります。
JNA認定校なら資格取得の近道に
ネイルイクステンションの技術を証明するには、資格が有効です。ネイルイクステンションの知識や技術が問われる資格は、JNAジェルネイル技能検定とネイリスト技能検定があります。
ネイルスクールは数多くありますが、JNA認定校で学べば資格取得の近道になるでしょう。
以下で2つの資格について概要を紹介します。
JNAジェルネイル技能検定中級・上級
JNAジェルネイル技能検定には、初級・中級・上級の3つの資格があります。
中級では、ジェルイクステンションの実技試験、上級ではジェルスカルプチュア・ジェルチップオーバーレイの実技試験を実施。そのため、資格取得に向けた学習で正しいスキルを身につけることができます。
ほかにも、中級では以下のような科目の試験が行われています。
【中級】
筆記試験:ネイルに関する基礎知識(爪の構造・ネイルケアやジェルネイルの手順・その他実践的施術全般など)・ジェルネイルに関する基礎知識や理論
実技試験:ネイルケア・カラーリング・ジェルフレンチカラーリング・ジェルオフなど
引用元
日本ネイリスト協会|第31回JNAジェルネイル技能検定
ネイリスト技能検定1級・2級
ネイリスト技能検定は1~3級まであり、各級筆記試験と実技試験を実施。
ネイルイクステンションの技術に関して、2級ではチップラップの実技試験が行われ、1級は、チップオーバーレイの装着状態やネイルイクステンションのトータル技術がチェックされます。
試験内容の詳細は公式サイトからは確認できませんが、1級と2級の実技試験では、ネイルイクステンション以外に下記のような項目も採点対象です。
【1級】
スタイリング・強度と耐久性・表面の仕上がり(光沢や気泡の状態)・ミックスメディアアートなど
【2級】
ファイルストローク・ラウンドの仕上がり・カラーリング・ネイルアート・全体の仕上がりなど
引用元
日本ネイリスト検定試験センター|ネイル技能検定試験とは
日本ネイリスト検定試験センター|ネイリスト技能検定試験2級 実技採点基準
日本ネイリスト検定試験センター|ネイリスト技能検定試験1級 実技採点基準
教育制度のあるサロンに就職して学ぶ
サロンによっては教育に力を入れているところもあり、ネイルイクステンションに限らず施術に必要な知識や技術を学ぶことができます。未経験OKのサロンはとくに教育制度が整っている傾向です。
教育制度や資格取得支援をしているサロンを探すならリジョブがおすすめ
ネイリストには必須資格がありません。しかし、ネイルイクステンションをはじめ、さまざまな知識や技術が必要になるため、教育制度が整っているサロンや資格取得支援を行っているサロンで、正しいスキルを習得するのがおすすめです。
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また、すでにネイリストデビューしている人でも、お店の規模・資格・役職などを指定できるため、スキルアップや収入アップが目指せるサロンも見つけやすいでしょう。
ネイルイクステンションは種類が豊富!お客様の希望に沿った施術ができるようにスキルを身につけよう
ネイルイクステンションは、スカルプチュアやチップオーバーレイなどの種類があり、お客様の希望や爪の状態に合わせて、爪に長さを出すことができます。ただし、いくつもの工程を経て仕上げるため、正しい知識と技術が必要です。
お客様の希望に沿った施術ができるような正しいスキルを身につけるためには、スクールで学んだり資格を取得したりするほか、サロンで学ぶ方法もあります。
求人サイト「リジョブ」には、ネイリストの求人が豊富にあるため、ネイルイクステンションのスキルを身につけたい人におすすめです。
「スカルプチュア」や「ジェルネイル」など仕事内容を指定できるほか、「研修制度あり」にチェックを付ければ、研修制度が整ったサロンが見つかります。
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