アイリストの専門用語事典ら行
アイリストとして働くならば、しっかりと身に付けておきたい業界用語。今回はアイリスト専門用語の「ら」行をお送りします。
ライン
ラインとは、正面から見た時のまつ毛の形のことです。ラインを変えることで目の印象に変化をつけることができます。たとえば、目尻を長くした垂れ目風や、上まつ毛の中央を強調した丸目風の印象に変えることが可能です。通常はメイク時にアイラインを引くことでこの効果を演出します。 まつ毛エクステを施すと、それだけで目元の印象を変えることができるため、アイラインのメイクを行わなくてもよくなります。ただし、アイラインを引く場合には、アイライナーでエクステが取れてしまわないように注意が必要です。特に、ペンシルタイプやジェルタイプのライナーで無理やりラインを引いた場合は、エクステが傷んでカールが弱まってしまいます。エクステを装着した状態でラインを引く際には、油分に弱くて滲むウォータープルーフタイプではなくリキッドタイプのものを使って、まつ毛とまつ毛の間の透き間を埋めるように引いていきます。マスカラを塗る際にも使用するのは、ウォータープルーフタイプではなくリキッドタイプのものです。 引いたアイラインを落とす場合には、強く擦るとエクステが取れてしまうので、綿棒などを使って優しく慎重に落とます。また、エクステを接着しているグルーは油分に弱いため、オイルクレンジングや成分に油分が含まれているジェルタイプ、あるいはクリームタイプのメイク落としではなく、オイルフリーのメイク落としを使用します。
ラビング法
ラビング法とは、施術を行う前や施術中に予期せず何かに触れてしまった場合に行う手指の消毒法のひとつです。この名前の由来は「擦る」という意味のrubbing=ラビングからきています。ウォーターレス法とも呼ばれ、医療機関における手術の前に行われている石鹸などで手をよく洗った後に行う消毒方法です。 その方法は、石鹸で汚れを取った後の手にメイブルラビングなどの速乾性の擦式消毒剤を手のひらに乗せて、爪や手のひら、手の甲、指などに充分擦り込ませ乾燥させて消毒します。 ラビング法以外の消毒法として消毒剤をガーゼに含ませてからふき取るスワブ法と、洗浄剤配合の消毒剤を利用して水で洗い流すスクラブ法があります。ただし、スワブ法は汚れが多くついているときには適しません。また、スクラブ法は除菌効果が高いものの水で洗い流す必要があります。 ラビング法は除菌効果が高く、微生物を確実に減少させることができます。それに加えて水道設備などがなくても行うことができるので、短時間で行うことができる手軽さがその特徴です。そのため多くの美容院などではラビング法による消毒法が主流となっています。
リペア
リペアとはエクステが数本抜けた、あるいは向きが変わったという場合に、装着されているエクステを取り除かずに1部分のみを修正したり、残りのエクステの上から付け足したりする施術のことです。 リペアの施術を行うときは、まず目元に保護テープを貼った後、取り除きたいエクステの1本1本にリムーバーを塗布します。この際に、取り除く必要のない部分にまで薬が付くとそれも剥がれてしまうので注意が必要です。数分するとエクステが取れやすくなるので、取り除きたいエクステを綿棒やピンセットを使って丁寧に取り除いていきます。その後、まぶたやまつ毛の皮脂や汚れをふき取るプレケアを行い、新たにエクステを取り付けます。 リペアはリムーブよりも時間がかからず、料金も安くすむメンテナンス方法です。また、まつ毛を痛めないことも大きなメリットの一つといえます。しかし、リペアを何度も繰り返しているとエクステが接着しているまつ毛が伸びることで根元に空白の部分ができます。したがって、見栄えが悪くなるだけでなく、重量が毛先に移動するため逆まつ毛や下りまつ毛になる可能性があるのです。 リペアは通常2週間から3週間のタイミングで行うのがベストといえます。ただ、2回ほどリペアを行った場合は、1度リムーブをした後に新しくエクステを付け替えた方が仕上がりの美しさの点で効果的かつ衛生的です。
リムーバー
リムーバーとは、リムーブやリペアの施術を行う際に使う専用の薬剤のことです。一般的にジェルタイプとクリームタイプ、液体タイプの3種類があります。 ジェルタイプはリペアなど一部分の修正を行う際に使われるリムーバーです。操作性が良いというメリットがありますが、全体をリムーブするのには向いていません。リムーブの際に使われるリムーバーはクリームタイプで、こちらも操作性の良さが特徴です。ただし、水分量が少ないと粘つきが残り、また塗布量が多すぎると水分が行き渡らなくなります。また、油分が多いため施術前にはしっかりと油分を取り除くことが大切です。液体タイプのリムーバーは目の中に入ってしまったり肌に付着してしまったりする危険性が高いため、ほとんど使われることはありません。 リムーバーはグル―と同じく溶剤のため、その取扱いには注意を要します。多くのリムーバーはグル―との相性があるので、施術の際には塗布されているグルーと同じメーカーのものを使用する必要があります。
リムーブ
リムーブとは、エクステを装着する際にウルトラマスカラなどの落ちないマスカラが残っている場合や、店で施術したエクステが残っている場合など、前に付いていたエクステやマスカラをすべて剥がす施術のことです。リムーブを行う際には、専用の液剤であるリムーバーをグルーが付いているまつ毛の根元の部分に軽く塗布し、数分経った後剥がします。 多くのサロンでは予約する際、リムーブの必要の有無をあらかじめ申告するシステムになっています。リムーブの施術には、ある程度の時間がかかるので、前後の予約時間に乱れが生じてしまうのを避けるためです。また、サロンによっては他店で付けたエクステをリムーブする際には、料金が少々割高になるなどの対応をしているところもあります。 多くの場合、エクステを装着したら2週間から3週間の割合で数回リペアを行った後に、1度リムーブをして新たにエクステを再装着します。その理由は、何度もリペアを繰り返しているとまつ毛に古いグルーが残ってしまうため、エクステの持ちが悪くなったり衛生上良くなかったりするからです。特に逆まつ毛に悩んでいる人は、できればリペアよりもリムーブを行った方が良いでしょう。 また、リムーブを行うことのメリットは、デザインやカールを変更することができるという点にあります。さらに、イメージチェンジをしたいときや特別な日の前などには1度リムーブをするのがおすすめです。
ロット
ロットとは、まつ毛パーマを行う際にまつ毛を固定させてカールするために使う道具です。ロットには、大きく分けて使い捨ての粘着タイプと何度も繰り返し使うことができるシリコン製タイプの2種類があります。その他にも、多くのメーカーから多種多様なロットが販売されています。ロットを使用する場合、施術を受ける人のまぶたの形やまつ毛の長さ、またはカールさせたい具合に合わせて太さや形状などの選択が必要です。したがって、どのメーカーのどのロットを使用するかを判断するためにも施術前にカウンセリングを行う必要があります。 ロットでまつ毛を巻く方法は、ビューラーを使う方法よりもカールの角度が付きやすいため、まつ毛を大きく上向きにしたい人にはロットでのパーマがおすすめの方法です。一方、よりナチュラルなまつ毛パーマを希望する人にはビューラーの方が適しています。