【子育て応援メソッド】型にはめず、無理のないライフスタイルを。働く環境は自分次第で変えられる/ unCALiNオーナー 高山直子さん ♯1

美容業界で働くワーママ・パパに仕事と育児の両立についてお聞きする「子育て応援メソッド」。今回のゲストは、アイラッシュ&アイブロウサロン「unCALiN(アンカラン)」オーナーアイリストの高山直子さんです。高い技術力で多くの顧客へ施術を重ねるかたわら、15万人以上のフォロワーを抱えるインフルエンサーとしても大きな影響力を持ち、人気ブランドとのコラボなど多方面で活躍されています。

そんな彼女が第1子を出産したのは2020年。「子どもを育てることで、気持ちがより自由になった」と語る高山さんから、自分らしい生き方を叶える秘訣を教えてもらいました。

【お話を伺ったのは・・・】

高山直子さん
大阪府出身。アイラッシュ&アイブロウサロン「un CALiN(アンカラン)」代表。女性の美のトータルプロデューサーとして雑誌やTVなど、さまざまなメディアで活躍中。また、この夏2歳になる娘と二匹の愛犬に囲まれたライフスタイルでも注目を集める。料理好き、器好きの一面もあり、SNSのタグ「#なおコロ食堂」にもファンが多い。
Instagram @nao_70koro

産後、理想の働き方を求めて独立を決意

――ご出産時期はいつでしょうか?

結婚して3年目の2020年8月です。アイラッシュサロンを5店舗運営する会社で、代表取締役兼アイリストとして働いている頃でした。

――二役をこなす多忙な毎日の中、妊娠中はどのようにお過ごしでしたか?

会社の役員であり、現場を取り仕切る立場でもあったため、なかなか思うように仕事を休ませてもらえなくて。ちょうどコロナが拡大しはじめた時期ですから、スタッフのイレギュラーなシフト調整があったり、お店の運営体制も状況に合わせて流動的に変えねばならず、妊娠中はすごく大変な日々が続きました。出産1ヶ月前までサロン勤務もしていました。

――妊娠中というデリケートな時期に、コロナ禍のお店に立つというのは不安も大きかったかと思います。

今以上にコロナの危険性も分からないことだらけでしたしね。それに、共同経営者が男性だったんですが、性差というか仕事・育児の両立に対する価値観の相違を感じました。この違和感の積み重ねが独立に舵を切った大きな理由です。「産後もこの会社で働き続けるのは難しいんじゃないか」という判断から、自分の理想の働き方を追求しようと決めました

ちょうど設立10周年を迎えるタイミングだったため、その節目を見届けてから退社することに。大人世代へアプローチできるアイラッシュ&アイブロウサロンとして、2021年6月に「un CALiN」をオープンしました。

――独立を決めてから開業まではいかがでしたか?

退社を決意してから辞めるまでが結構すぐだったんですよ。いずれ新しいサロンを立ち上げるつもりではいましたが、半年〜1年後くらいにオープンできればいいかな程度にゆるく考えていました。理想の物件はそうそう見つからないだろうとも思っていたし。

でも、まずは下調べしてみるかと軽い気持ちでテナント情報を検索したら、最初に出てきたのが今のこの物件(笑)。「ここ、いいかも」と思ってその場で不動産屋さんに電話すると、タイミングよく翌日に内見できることになりました。実際に中を見ると一目で気に入っちゃって、すぐに申し込みをしたんです。色んなことがとんとん拍子で進み、スピード開業が叶いました。

――何かご縁のようなものを感じますね。お客様へはどのようにお知らせしたのですか?

オープンまでとにかく時間がなかったので、個別にDMも打つ暇もなくSNSで告知しただけなんです(苦笑)。それでも、これまで築いてきたお客様との信頼関係には大きな自信があったので、予約が入らないかもという不安は感じませんでした。実際、多くの方々が変わらずお越しくださっていて、そんな皆さんを「おかえりなさいー!」なんて迎えられている現状をありがたく思っています。

自分も子どもも無理をしない毎日を過ごすこと

――独立にあたって、これだけは譲れない!という働き方のポイントはありましたか?

家庭によって考え方は違うでしょうが、私たち夫婦の場合、大人の都合に合わせて子どもに無理な生活スタイルを押し付けることはしないという価値観を持っています。例えば延長保育で夜遅くまで預けて働くのではなく、子どもの成長に合わせて親の職場環境を柔軟に変えていこうと考えました。

そのため、私が一番に重視したのは通勤の便の良さ。自宅・保育園・職場を結ぶ動線を可能な限りスムーズにしたいなと思って。もしも通勤に往復2時間取られるとしたら、その2時間は親にとっても子どもにとってももったいない時間ですよね。通勤時間が短縮できれば、働ける時間は増えるし早めに子どものお迎えも行くことができます。

――世の中のワーママ最大の悩みは「時間がない」に尽きますからね。

どうしてもお迎えが遅くなってしまい、ちゃんとしたご飯が作れないとか、寝かし付けが遅くなるとか、時間軸に悩む声をよく耳にします。この国の残念な所ですが、組織に属している限り、理想を叶えるのはなかなか難しいのが現実。特に私の場合、お店だけでなく社外の方とのお仕事も多かったため、調整するにも限界を感じていました。

でも今の時代、どうにかしようと本気で思えば、働くスタイルを自分流に変えることができるはず。だから私は、できない言い訳を重ねて親子でストレスを溜めるのではなく、完全に独立して「心地よい生き方」を送ることを選んだんです。会社という制限がなくなったことで色々なしがらみから解放され、幅広いジャンルのご依頼が受けられるようになり、育児だけでなく仕事面でも充実する結果につながっています

今年5月には、韓国発の大人気お酢ドリンク「美酢(ミチョ)」アンバサダーへ就任。美容だけでなく、様々な分野で活躍の場を広げている。

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SNSは日常の一コマにすぎない。人と比べず、自分らしさに誇りを持って

――1日の流れを拝見すると、お迎えから寝かしつけまでが2時間。怒涛のタイムスケジュールですね。

この2時間が勝負どころですからね(笑)。業務を終えて保育園に向かうまでの道中、これからの自分の動きを頭の中でシミュレーションしています。もともと、業務をタスク化して効率的にこなしていくという作業が好きなので、この特技が家庭でも活かせているなと思います。

――食事は作り置きなどで時短の工夫をしているのですか?

作り置きって苦手で…。何度かチャレンジしてみたんですが、冷蔵庫におかずがあるのを忘れてまた同じようなものを作ってしまい、結局ダメにしちゃうんです。そのせいで「この日までに作り置きを食べなきゃ」とプレッシャーを感じてしまうこともあります。そこで、毎日何かしらちょこちょこ作っている方が精神的に楽だという結論に至りました

――手の込んだ料理が食卓に並ぶ高山さんのインスタはママ達の憧れです。

そんなの、いつもじゃないですよ(苦笑)!何もする気が起きなくて「今日は納豆ご飯とお味噌汁だけね」という時だってたくさんあります。家のことも頑張っててすごいねなんて言っていただくことも多いですが、SNSへの投稿は日常のほんの一部を切り取っているにすぎません。誰しも、仕事も育児も毎日100%なキラキラママでいられるはずがないし、できない自分を責めたり卑屈になる必要はないと思います


何よりも家族を大切にしたいという明確なイメージを持ち、それを実現するための環境を自らつくり上げた高山さん。可憐でたおやかな印象に反して、意志の強さと行動力を感じました。そのギャップがとても魅力的で、彼女に憧れる女性ファンが多いのもうなずけます。

後編では、高山家の家事・育児の分担スタイルやリフレッシュ法についてお聞きしました。

取材・文/黒木絵美
撮影/石原麻里絵(fort)

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