岡本 真理 interview ＃1：乗馬を通じて知った美容鍼灸の道

2017年にオープンした美容鍼灸サロン『HARI MERRY』は、美容鍼灸の先駆けである『麻布ハリーク』の系列店です。お店は四谷三丁目駅のすぐ近く、なんと東洋医学を教える専門学校の校内にあります。おしゃれな内装が特徴的で、その可愛い店内は美容やファッション好きに支持され、SNSに写真をアップする人も多いとのこと。
そんな『HARI MERRY』を作り上げたのは、美容鍼灸師の岡本真理さん。13歳でカナダ、そしてアメリカへ留学。乗馬の元日本代表でオリンピックを目指していた経歴の持ち主です。まったく認知されていなかった美容鍼灸に着目して自分の手で技術を確立し、サロンを展開しています。今回は岡本さんに、美容鍼灸との出会いや基礎知識などを語っていただきました。

愛馬への治療を通して知った鍼灸

――まずは美容鍼灸とはなんでしょうか？
「ツボを刺激して体を回復させる医療技術である鍼灸を応用した美容法です。美容鍼灸は顔に鍼をし皮膚を引き上げたまま固定します。これを定期的に受けることでリフトアップの効果が得られるのです。また肌質やシワの改善など、美容に関する細かい悩みに対応できることが特徴で、国家資格を持った鍼灸師とドクターのみができる施術なんです」

――鍼灸との出会いを教えてください。
「獣医さんが馬に鍼をし、治療しているのを見たのが最初の出会いです。私は、母や兄の影響で幼いころから乗馬をしており、13歳から22歳までの間はオリンピックを目指すため、カナダとアメリカに留学していました。大学時代に、競技で共に戦っていた愛馬の体が壊れてしまったことがあり、手術をしましたがよくならずに困っていたんです。そんなとき鍼治療をして急にケガがよくなった馬の姿を見て、鍼灸に興味を持ちました」

“新しいことがやりたい”、美容と鍼灸がつながったとき

――“美容鍼灸”との出会いはいつですか？
「アメリカの大学を卒業後に、日本の専門学校で勉強していたときです。ずっと英語での生活だったので、体にある360個以上のツボを漢字で覚えなければいけないなど、授業についていくのは大変でしたね。入学後に、馬への鍼治療は鍼灸師の資格だけではできず、獣医の資格も必要だと知り、どうしようか迷っていたんです。そんなときに“美容鍼灸”の存在を知りました。自分がいま学んでいる鍼灸と、もともと興味があった美容がつながる点、さらに、美容鍼灸が一般的でなくまだ新しい分野である点に、すごく惹きつけられました」

“足三里”への鍼打ちで感じたこと

――初めて鍼を打ったのはいつでしょうか？
「授業中に、スネにあるツボ“足三里”に打ったのが最初です。自分の足に打ったので、すごく痛くて、“あんな痛い鍼は他の人にやったらいけない”と思い特訓しました」

――学生時代に印象的だった出会いがあれば教えてください。
「印象的な方がふたりいますね。ひとり目は、私がアルバイトをしていた鍼灸院のカリスマ先生です。渋谷にある鍼灸院で、そこはお客さまがとても多く、みんな喜んで帰っていく。私もこういう先生になりたいと思いました。もうひとりは、私が学生時代に行っていた美容皮膚科の先生です。ニキビがひどかったので通っていたのですが、美容鍼や進路の相談にも乗ってもらいました。また、実際に鍼灸師として働き始めてからも、顔に鍼を打ち効果を確かめ合うなど、美容鍼灸を作り上げるために協力をしてもらった先生ですね」

鍼灸をはじめ東洋医学は、どうすれば効果が出るのかが理論づいており、勉強していくと西洋医学や化学とのつながりが見えてくるそうです。そんな東洋医学は、“勉強すればするほど楽しくなる”と語ってくださった岡本さん。後編では開業のきっかけや、今後の目標についてうかがいました。

Profile

岡本真理さん

美容鍼灸サロン 麻布ハリーク 代表
Do Oriented株式会社 取締役・美容鍼灸師
米国留学中に鍼灸に出会い、その奥深さに惹かれ、東洋医学を学ぶべく帰国。鍼灸師国家資格を取得し、渋谷の鍼療所にて研鑽を積む。その後、医療機関との業務提携にて美容鍼灸施術に従事。2008年に東洋医学の会社Do Oriented株式会社を設立。「東洋医学で心身共に健康で美しく」をモットーに、鍼灸トリートメントの素晴らしさを、多くの人に伝えている。

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