モデルハントはどんな人に声をかければいい?美容師のモデルハント
美容師の仕事のひとつにモデルハントがあります。サロンのサイトやカタログ用の撮影、そしてショーに協力してもらうモデルもいれば、練習用になってもらうモデルまでタイプは分かれます。目的に合ったモデルをハントすることは、美容師にとって重要な仕事のひとつと言えます。モデルハントがうまくいかないと、美容師としての技術アップにも影響が考えられるでしょう。それぞれの目的を考えたモデルを上手にハントする方法について解説します。
目的に沿ってモデルハントを考えるのがポイント
モデルハントを成功させるために考えておきたいのは、モデルハントの目的です。美容師がモデルハントをするのは主に2つの目的があります。1つはアシスタントの練習用になってもらう「カットモデル」です。スタイリストとして活躍するためには練習が欠かせません。そのためにも「カットモデル」をハントすることは重要な課題なのです。通常は「カットモデル」をハントすることが多いですが、サロンによっては「カラーモデル」や「ブローモデル」をハントすることもあります。
もう1つは撮影やショーに協力してもらうモデルです。サロンのwebサイトやカタログに載せるためのモデルは、事務所に所属しているプロのモデルを起用しているサロンも中には見られます。また、同じサロンの中にイメージに合った人がいれば、そのまま抜擢するケースもあります。しかし、ハントしてきた素人をモデルに使うサロンの方が一般的と言えるでしょう。ショーのモデルとして協力してもらうケースも同じです。一般の人の中からハントして協力してもらうことがほとんどになります。まれなケースでは、協力してもらったモデルが将来女優やプロのモデルになるということもあります。サロンのイメージを伝える役割を担ってもらうことを考えると、ハントのしがいがあるかもしれません。
以上のようにどんな目的かを踏まえてタイプや条件を考えることが、モデルハントを成功させるポイントです。そしてそれぞれの目的に沿った人物像、イメージなどをしっかり自分の中で設定しておきましょう。それができていないと、どのような人に声を掛けたらいいか迷ってしまうことになります。説明もうまくできないかもしれません。相手にも失礼にならないためには、まずしっかり目的を固めておくことです。
撮影用のモデルハントならここを重視!
ここでは撮影用のモデルになってもらう人のタイプや条件の決め方などについて解説します。また、ショーのモデルをハントする時のケースにも触れていきます。
撮影用のモデルで重視したい条件は、サロンのイメージに合っている人です。髪質や髪の長さなども含めたトータルで見るようにしましょう。どんなスタイリングが得意かというのは、サロンごとで傾向が分かれることは多いものです。サロンのイメージやスタイリングを表現しやすい人であるかどうかを重視することが求められます。撮影用のモデルはサイトやカタログに掲載するという性質上、多くの人の目に触れることになります。一般的に見て「自分もこんな風にカットしてもらいたい」と思えるような人を選ぶようにしましょう。
ショーに協力してもらうモデルになると、さらに条件は上がることが考えられます。撮影用モデルの場合も全体的な雰囲気を見ることは大切ですが、ショーになると全身のバランスも見て判断することが必要になります。目を引くような存在であることが求められるでしょう。
そして次に押さえておきたい条件は、もちろん撮影やショーでの露出に承諾してくれることです。せっかくイメージに合うステキな女性をハントできても露出がNGでは話はまとまりません。撮影やショーに協力してもらうこと、それにはどんな特典があるのかなどをきちんと説明してください。また、都内や観光地の場合は他県から訪れているという場合もあります。この場合は撮影やショーの日程に合わせて協力してもらえるかどうかを確認しましょう。交通費などは気になる部分ですが、なかなか言い出せない人もいます。モデルになってもらう際の特典と合わせて説明してあげると相手も安心できます。もちろん、ハントした相手の自宅が遠方だった場合は交通費などの経費を持てるかどうかで判断することが重要です。大切なことは曖昧にしないようにしましょう。そして、イメージと合わせて事前に決めておくとスムーズに進められます。
練習用のモデルハントの条件とは?
練習用のモデルは、スタイリストになる前のアシスタントがカットモデルとして協力してもらうのが一般的です。もちろん、練習用といってもサロンによって目的はさまざまにあるでしょう。自分が練習をしたい目的に合った条件の人を探してください。それを踏まえた上で、どのような人が応じてくれる率が高いかを解説していきます。
まずカットモデルの場合は、カットしたいスタイルより髪が長めの人を選びましょう。万が一失敗することがあっても、やり直しがききそうな長さがあるのが理想的です。髪質も重視するといいですが、さまざまなタイプの髪質を体験するのもよい練習になります。毛量のある人や多少クセのある人など、自分で挑戦してみたいタイプで何人か声をかけるのもいいかもしれません。実際にスタイリストになれば、いろいろな髪質に合わせたカットやスタイリングが求められることになります。髪の流れも人それぞれなので、タイプ別にハントするのもよい方法です。
カラーモデルをハントするなら、髪の生え際が1〜2センチ以上伸びている人がいいでしょう。前回カラーをしてから日数がかなり経過していると思われる人です。綺麗に生え際までカラーが入っている人はサロンに行ったばかりなので、練習に応じてくれる可能性は極めて低いと言えます。カラーモデルをハントする時には明るめのカラーにしている人を探すのもポイントです。理由は主に2つあります。普段から明るめのカラーにしている人はカラーでバリエーションを出すことに抵抗が少ない傾向があるからです。そしてもう1つはカラーを入れやすいことにあります。地毛ではなくカラーで暗めにしている場合は、一旦ブリーチをしなければカラーがうまく入らないためです。ブリーチが必要になると手間もかかりますし、モデルにも負担になります。
カットモデルやカラーモデルは学生など若い層の方が応じてくれる率は高いかもしれません。目的に応じた年齢層が集まる場所に出向いてみるのもハントしやすい条件です。そして練習用のモデルハントも目的をしっかり伝えて理解を得ることが前提になります。
モデルハントは声の掛け方を注意しよう
最後にモデルハントをする際の声の掛け方について解説していきます。モデルハントは知らない人が相手なので、声の掛け方によっては警戒されることもあります。怪しまれないような服装や見た目の雰囲気にしておくことも必要です。美容師をしている人はオシャレにも気を使っている人が多いので、この点はあまり心配ないかもしれません。
そして声を掛けるときにはサロンの名前をしっかり告げることです。続いて目的を明確に伝えましょう。伝え方にもコツがあります。例え髪が伸びてカラーがかなり退色している相手であっても、あまり指摘しない方がいいかもしれません。「イメージに合っているのでカラーモデルをお願いできますか」という表現をするようにしましょう。カットモデルも同様です。長くお手入れをしていないという表現は相手によって気にすることも考えられます。ハントの時に言葉にしない方が相手に対しても親切ではないでしょうか。モデルハントは人が集まりやすい場所も多いので、言葉の選択は注意しましょう。
撮影やショーのモデルをハントする場合も同じです。どのような撮影なのかをきちんと伝えてください。撮影モデルも練習用のモデルも、協力してもらうことで発生するメリットを丁寧に説明することが肝心です。サロンでのカットやスタイリングが無料または割引になるかどうか、そして撮影用は交通費など経費がどうかなども含めて説明しましょう。声を掛けた相手が未成年の場合は保護者の承諾を得ることも忘れてはいけません。また、ショーの場合は参加可能な年齢をあらかじめ確認しておくことをおすすめします。
モデルハントは美容師の仕事のひとつではありますが、カットモデルに対して割引率が低いなどサロン側の提示する条件が厳しいとなかなかハントできないこともあります。モデルハントも含めて疑問を感じることがあれば、サロンを変えるのもひとつの解決策です。美容業界専門の転職サイトリジョブならさまざまなサロンを探すことができます。美容師としての新しい可能性を見つけてみましょう。”