湯浅 一也 interview#1:学生時代の夢を現実に!

自宅や介護施設、病院からの外出が困難な方の元にサービスを提供する訪問美容。これまでの訪問美容は、ブルーのビニールシートをしき、机のうえに鏡を置き切ることが主流でサービスに欠けるものでした。そんなカットだけを提供していた業界に、移動式のシャンプー台を持参し、アロマを焚くことや、心地よいBGMを流すなど、美容室の空間を訪問先で演出し変革をもたらしたのが『trip salon un.』です。
2012年にオープンしたこちらの訪問美容専門サロンは、細やかな気づかいで信頼を築き、成長を続けています。そんな『trip salon un.』を作り上げたのが、スタイリストの湯浅一也さん。今回は起業するまでの経緯や訪問美容の現場、お客さまと接するなかで感じた美容師の素晴らしさなどについて語っていただきました。

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学生時代に感じた、従来の訪問美容への疑問

湯浅さん

――美容師になろうと思ったきっかけを教えてください。
「中学2年生のときに初めて美容室に行き、感動したことがきっかけです。おしゃれに興味を持ちはじめる時期だったので、床屋で変な髪型にされると学校に行くのも嫌になっていたんです。そんなとき、友達の紹介で美容室に行ったところ、持参した写真通りの髪型になったのでとてもうれしかったですね。その後は、地元である北海道札幌市の専門学校を卒業し、原宿のサロンに就職しました」

――訪問美容を知ったのはいつ頃ですか?
「専門学校に通っていた頃です。北海道の雪道をお年寄りが歩く姿を見て、ケガや病気で美容室に行けなくなった人はどうしているのだろう?、と気になりました。そこで検索すると訪問美容が出てきたんです。当時はブルーのビニールシートをしき、机の上に鏡のみを置いてカットするだけで、サービスというよりもボランティアに近く“お客さまは満足しているのか?”と、ふと疑問が湧きましたね」

働いていた美容室の閉店

湯浅さん

――起業したきっかけを教えてください。
「以前、働いていた原宿のサロンで、お客さまから『私のおばあちゃんはおしゃれだったのに、介護施設で美容サービスを受けたらひどい髪型にされた。あなたが切ってあげてよ』と言われました。そのときに“きちんと技術を提供できているのか?利用者の気持ちを汲み取っているのか?”と思い、訪問美容師の方に話を聞いたんですよ。すると、仕事自体が流れ作業になっていることを知ったんです。その頃から訪問美容師に対する気持ちが日に日に強くなっていきましたね。いつやろうかと迷っていたときに、働いていた美容室が閉店したので、このタイミングで始めてみようと決めたんです」

――起業したときの周囲の反応はどうでしたか?
「周りからは厳しい意見を言われることが多かったですね。そのときの訪問美容は、サービスというよりもボランティアの流れが残っていたので、単価は500円から1500円の間でした。これでは事業にならないだろうと。ただ今後、確実に必要になる業界だったので、継続すれば成功につながるだろうと自信がありました」

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名刺の渡し方から学ぶ、社会人1年目からのスタート。

湯浅さん

――『trip salon un.』を立ち上げた当時、大変だったことを教えてください。
「訪問美容自体は、美容師免許があればできます。ただ、車イスの動かし方や介護の知識がなかったので、何もわからない状態からのスタートは怖いと思ったんです。そこで、訪問美容の技術や知識を学ぶため専門学校に通い、美容福祉師の資格を取得しました。営業をするときも資格を持っていると説得力があると思ったんですよ。また、企業側も安心できるとおもいます。他にも名刺交換の方法や営業のやり方など一般常識が全然わからなくて、読書やセミナーに参加するなど、地道に勉強しましたね。本当に社会人1年目のようなスタートでした」

専門学校時代に、理想の美容室は“移動式美容室だ”とすでに考えていたという湯浅さん。“その頃から今のビジネスのイメージがあったのかもしれない”と彼は語ります。イメージを実現するその意思の強さに脱帽です。中編では『trip salon un.』の特徴や初めて対応したお客さまのエピソードについてうかがいました。

Profile

湯浅さん

湯浅一也さん

株式会社un. 代表取締役 CEO
NPO法人 全国介護理美容福祉士教会認定《美容福祉師資格取得者》、きらめき認知症シスター
北海道札幌市出身。専門学校卒業後、2008年原宿の美容室の入社。確かな技術とやわらかな接客が支持され新人売上げ1位を獲得。2012年、櫻庭太とともに『trip salon un.』をオープン。

Salon Date

訪問美容『trip salon un. 』

住所:東京都港区南青山2丁目2番15号 ウィン青山1403
TEL:03-6869-9419 電話受付時間(平日 午前9:00〜午後18:00)
FAX:03-6893-3931
E-mail:info-un@c-b-un.com
http://c-b-un.com/

湯浅 一也 interview#2: “あたりまえ”の追求が感動を生む>>

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