LONESS 代表 片山良平さんのトップスタイリストまでの道のり ♯1
“トップスタイリスト”とは、技術力と会話力の高さに加え、多くの顧客様を抱えたスタイ リストのこと。今回は、技術力の高さでお客様やメディアから絶大な支持を得る『LONESS』 代表、片山良平さんにインタビュー。まさに“トップスタイリスト”の鏡とも言える片山さんのとてもストイックな美容への向き合い方から、トップスタイリストになるための極意 を探ります。
片山さんが美容師をはじめたきっかけは?
――はじめに、片山さんが美容師になろうと思ったきっかけを教えて下さい。
僕自身、小さい頃から髪を触ることが好きだったので、自然と美容師になりたいと思うように。ですが中学生のときに美容師になることを両親に一度反対されて。高校は理系に進んだのですが、3年生になり進路を決める時に、やはり美容師をやりたいなと思うようになり、専門学校に入学しました。入学後は周りの環境にも恵まれたおかけで美容の楽しさにはま っていき、入学時よりも格段に美容師になりたい思いが強くなりました。 正直僕の中で美容師を始めたきっかけは何でも良いと思っていて。そこからどう頑張って、 結果的にはまることができるのかがとても重要だと思っています
――専門学校卒業後の進路はどうされたのですか?
卒業後に、学校側からイギリスのヴィダルサスーンで勉強しないかという誘いを受けて、僕も日本と違った美容の世界を見てみたいという興味があったので、イギリス留学を決めました。向こうは日本のような顔に馴染ませるカットではなく、彫刻的なカットが主流なので、お客様が求めるヘアスタイルも全く違うんですよ。加えてイギリスのお客様はカットし終えた後、鏡を持って自らのコームでバックシルエットを確認するほどラインに強いこだわりを持っている。日本にいる時とは違った経験ができ、新たな知識をたくさん吸収をすることができました。専門に入ってからは、美容の最先端である東京のサロンで働きたいと思っていたので、留学したことでさらにお客様一人一人にあった“カワイイ”を追求していきたいという思いが強くなりました。その後帰国し、アシスタントとして前のサロンに入社しました
『誰にも負けない』という思いで必死だったアシスタント時代
――アシスタントの時、特に熱心に取り組んでいたことはありましたか?
ひとつでも多くの仕事をすることに注力していましたね。同期ともいいライバル関係を築けていたので、毎日刺激をもらいながら働いていました。同期がシャンプーやカラーのサポートに入った回数をチェックして、それを超えてやろうと毎日必死になったことも(笑)。スタイリストになるためのカリキュラムにも早く合格しようと、営業後は毎日残って練習 していました
――すごくストイックですね!そんな片山さんでもスランプなどはあったのですか?
スタイリストになってすぐの頃にスランプに陥りました。デビューしたての時は自分の お客さんがほとんどいない状態。当時は SNS も今ほど発達していなかったので、直接お客 様を見つけるしか術がなかったんです。お客様が見つからないとアシスタント時代に積み 重ねてきた技術を活かすることができなかったので、もどかしさを感じていました
――そのスランプをどうやって脱されたのですか?
なかなか結果がでない時こそ、結果がでるまでやり続けました。例えどんなに辛くても物事をやり通す精神は専門学校時代に培ってきていたので、自分の中で『今日はここまでやる』という目標を掲げて、達成するまでは諦めないことを肝に銘じていました。そうすることで実際に目標を達成できた時に大きな達成感を得られましたし、努力を重ねることでより仕 事を好きになることができました
――素敵な考え方ですね。片山さんがここまでできる理由はありますか?
専門学校の校長先生が「全てを楽しめ」と言っていたことが、僕の中でずっと念頭にあります。簡単なようですごく奥が深い言葉ですよね。美容師という職業は楽しむことが全てだ と思うので、苦しい状況があったとしても自分がどう楽しむかを考えて行動しています」
取材・文/小沼 奈央 撮影/中村 早
トップスタイリストに聞く 独立の経緯と今後のビジョン ♯2>>