Erika Ichihashi interview #2：必死の練習により掴んだ、お客さまからの信頼
JR新宿駅東口よ5分ほど歩くと見えてくる、セットサロン『Hair＆make salon chupa』。数多くのサロンが立ち並ぶ歌舞伎町のなかで、ナイトワークの方々から絶大な支持を集めています。いったいどのように、夜の世界を彩る美しいヘアメイクは、生み出されているのでしょうか？
今回は、そんなセットサロンで働くIchihashiさんに、ヘアメイクの魅力について聞きました。中編ではIchihashiさんが『chupa』で働くにいたった経緯や、彼女が感じた東京と大阪との違いについてうかがいました。
上京したとき、『chupa』で働く以外の選択肢が考えられなかった
――『chupa』で働くにいたった経緯を教えてください。
「SNS上で『chupa』が作ったヘアセットを見たことがきっかけです。作られた髪型がすごくうまくて、興味を持ったんです。そこでサロンについて調べてみると、雑誌やテレビで数多く取り上げられてる人気店でした。それからは、こまめにお店の情報をチェックするようになり、上京を決めたときは『chupa』で働くこと以外は考えられないぐらい気持ちが傾いていました」
閉店後、始発の時間まで練習する毎日
――東京のサロンで感じた、大阪との違いを教えてください。
「ヘアスタイルの流行にかなり違いがありました。大阪のお客さまは、とにかく派手な髪型を好みますが、東京の方は一見ナチュラルに見えるけれど、細かな動きがあるヘアスタイルを好みます。入店当時は、大阪時代とは違うセット方法を覚える必要があり、技術面で苦労しました。仕事が終わってから始発まで練習し、翌日も早めに出社し、また練習を繰り返す。そんな毎日でした」
――なるほど。接客で難しかった点はありますか？
「やはりお客さまとの距離感の取り方は難しかったですね。仲よくならなければ、その方の好みがわからず、希望に沿ったヘアスタイルを作ることができません。しかし、プライベートな話題に触れるなど、距離をつめすぎると、なかにはこころよく思わないお客さまもいます。人間関係の作りかたは、周りのスタッフから教えてもらえるものではないので、自分のスタイルを見つけるしかありません」
無意識の仕草から、お客さまの気持ちを読みとる
――東京のお客さまの特徴はありますか？
「大阪のお客さまは、嫌なときは、はっきりと口にします。いっぽう、東京のお客さまは主張が少なく、そのときは何も言わず退店される方が多いですね。しかし後日、他のお客さまから “あの日は、少しイメージと違ったみたいだったよ”と聞くことがあります。そこで私は、指名してくださった方には“すぐに修正をするから、気になるところは伝えてください”とお願いしています。また、お客さまの仕草を鏡越しにチェックし、そのときの髪型が気に入っているのかを常に確認していますね」
――具体的に、お客さまのどんな仕草をチェックしていますか？
「おそらく無意識だと思いますが、スタイルに違和感があると、普段は触らないところに手がいったり、ずっとそこに視線が止まっていたりします。お客さまと毎日接するからこそ、そのような些細な点に気づくことができるんです。また、漠然と雰囲気が理想と違うといわれる方には、ボリュームや束感、空気感など、細かく確認をとるように心がけています」
上京時、大阪での経験があったため東京でもできると過信があったと語るIchihashiさん。入店直後は、お客さまを担当することができず、とても悔しかったそうです。その後必死に練習を積み信頼をつかみとることに成功しました。後編では、サロンで働くなかで感じた、時代の流行や今後の目標をうかがいました。
Profile
Erika Ichihashiさん
Hair＆make salon chupa副店長
美容学校に通いながら美容室でアシスタントとして勤務。その後、大阪のセットサロンで5年間勤める。フリーで活動後、2014年上京『chupa』に入社し現在にいたる。
Salon Data
Hair＆make salon chupa（ヘアアンドメイクサロン チュッパ）
住所：東京都新宿区歌舞伎町２-27-12Lee2ビル5F
TEL：03-3203-1922
http://charmpoint.jp/tokyo-salon-chupa/
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