セラピーにはどんな意味や目的がある?セラピストの種類と関連する資格を紹介
街中の広告やテレビなどで、「○○セラピー」という言葉を聞いたり見たりしたことはないでしょうか。セラピーには多くの種類があるのですが、そもそもセラピーとはどういったものであるのかをご存知ない人もいるかもしれません。
そこでこの記事では、セラピーについてくわしく解説します。セラピーの意味や目的・種類とあわせて、施術者であるセラピストになる方法や関連する資格についても見ていきましょう。
セラピーの意味・目的とは
そもそもセラピーには、どんな意味があるのでしょうか。セラピーという言葉の意味や目的を解説します。
セラピー(therapy)の意味とは?|薬や手術に頼らない治療や療法
セラピーとは薬や手術に頼らない療法で、日本語で治療や療法の意味があります。そして、セラピーをおこなう人のことを「セラピスト」と呼びます。「セラピー」と、~する人を意味する「ist」を合わせた単語です。日本語では、「療法士」と訳されています。
セラピーの目的とは?|不安の解消や癒やしの提供
セラピーの目的は、人が本来持つ力を引き出して不安を解消することです。また、近年は癒やしやリラックス効果を提供することを目的としたセラピーも普及しています。ただし、セラピーの種類によっておもな目的が異なるため、次の章で詳しく見ていきましょう。
セラピーの種類はおもに4つ
セラピーには、どんな種類があるのでしょうか。ここでは、おもなセラピーである医療系・ボディ系・メンタル系・リラクゼーション系という4種類のセラピーについてご紹介します。
1. 医療系セラピー|マッサージ・鍼など
医療系セラピーとしてあげられるのは、マッサージや鍼などです。このセラピーでは、おもに医療行為を目的としていて、治療や体の不調の改善を目指しています。
2. ボディ系セラピー|エステ・カイロプラクティックなど
ボディ系セラピーは体を癒やすことがおもな目的で、体の状態を整えるためにおこなうセラピーのことです。エステ・カイロ・リフレクソロジストなどが該当します。
3. リラクゼーション系セラピー|アロマセラピー・カラーセラピーなど
リラクゼーション系セラピーはストレス軽減が目的で、お客様に癒やしを提供するセラピーです。アロマテラピー・カラーセラピー・音楽療法などの種類があり、心と体をリラックスさせる効果が期待できます。
4. メンタル系セラピー|心理療法・カウンセリングなど
メンタル系セラピーは、精神的負担の軽減を目的としたセラピーです。体ではなく精神にフォーカスしているため、心理療法やカウンセリングが当てはまりますが、医療行為はおこなえません。
セラピストになるにはどうすればいいの?
セラピーの施術者を、「セラピスト」と呼びます。セラピストになるにはどうすればいいのか、資格が必要かどうかも含めて詳しく紹介します。
無資格未経験でも目指せる職種の求人に応募する
医療系や一部のメンタル系セラピストには国家資格が必要ですが、ボディ系セラピストやリラクゼーション系セラピストは、必須資格がありません。
また、ボディ系・リラクゼーション系セラピストの求人は、未経験者を歓迎しているものも多いのが特徴です。そういった求人に応募すれば、知識や技術がない状態でもセラピストを目指すことができます。
未経験者を歓迎しているサロンでは、入社後に研修期間を設けており、知識や技術を一から学べるため、初心者でも安心です。
国家資格・民間資格を取得して求人に応募する
国家資格が必須な医療系や一部のメンタル系のセラピストは、先に資格の取得が必要です。資格については、のちほど詳しく紹介します。
また、必須資格がないボディ系・リラクゼーション系のセラピストを目指す場合、先に民間資格を取得してから応募することもできます。
実際、ボディ系・リラクゼーション系のセラピストは、施術に関する民間資格を取得している人も多いです。
資格を取得するメリットとは?
セラピストの資格を取得しておくことで、取得する過程で正しい知識や技が学べるというメリットがあります。カリキュラムにそって学習することができるので、独学で学ぶよりも効率がよいでしょう。
さらに、資格があれば、開業後でも社会的信用も得やすいです。資格を活かして、キャリアの幅を広げることも夢ではありません。サロンで働く場合でも、お客様の安心材料になります。
また、資格によって一定の知識や技術が保障されているため、就職活動が有利になったり、働く場所によっては資格手当がついたりする可能性もあり、給与や待遇がよくなるかもしれません。
セラピストを目指す方におすすめの資格
セラピストとして活躍するためには、資格を取得するとメリットが大きいことがわかりました。そこで、前述したセラピーの種類ごとにおすすめや必要な資格をご紹介します。
1. 医療系セラピー
まずは医療系セラピーのジャンルから、5種類の資格についてお伝えします。
国家資格|鍼灸師
鍼灸師は鍼と灸を使い、治療をおこないます。鍼灸師と呼ばれる資格はなく、はり師ときゅう師の資格を取得すると鍼灸師と名乗ることが可能です。
鍼灸師になるには、年に1回おこなわれる国家試験の受験が必要となります。鍼灸系の専門学校・鍼灸学科のある4年制大学・3年制短大で規定のカリキュラムを修了していないと、試験は受けられません。
引用元
job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))|はり師・きゅう師 – 職業詳細
国家資格|あん摩マッサージ指圧師
あん摩マッサージ指圧師は道具を使わず、あん摩・マッサージ・指圧の技術だけで体の不調を和らげます。
あん摩マッサージ指圧師になるには、年に1回おこなわれる国家試験に合格しなければなりません。受験資格は高校卒業後、文部科学大臣もしくは厚生労働省大臣が認定する専門学校・短大・大学いずれかの学校か養成施設で、3年以上知識と技術を修得することです。
引用元
job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))|あんまマッサージ指圧師 – 職業詳細
国家資格|柔道整復師
柔道整復師とは、骨や関節、靭帯などの骨折・捻挫・打撲のようなけがに対し、手術をせずに整復や固定などの方法で施術をおこなうセラピストのことです。高校卒業後に所定の大学や養成施設で専門的な勉強をし、国家試験に合格することで柔道整復師になれます。
資格取得後は「整骨院」「接骨院」の開業も可能です。
引用元
job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))|柔道整復師 – 職業詳細
国家資格|理学療法士
理学療法士とは、障害のある人の基本動作能力の回復や維持などを目的とした療法で支援をおこなうセラピストのことです。養成のための大学や専門学校などで学び、国家試験に合格することで理学療法士を名乗ることができます。
病院や介護施設などでの活躍が期待できる職種です。
引用元
job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))|理学療法士(PT) – 職業詳細
国家資格|作業療法士
作業療法士とは、病気・けが・障害などの理由で支援が必要な人に対し、動作や適応能力をサポートするセラピストのことです。全国に約200カ所ある養成校で学習し、試験に合格すると、作業療法士の国家資格を得られます。
引用元
job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))|作業療法士(OT) – 職業詳細
2. ボディ系セラピー
次に、ボディ系セラピーのなかから3種類の資格を見ていきましょう。
エステティシャン
エステティシャンとは、手技・化粧品・機械などにより顔やボディに変化を与えて美を提供する「エステティック業」に携わるセラピストのことです。エステティシャンとして活躍するためには、さまざまな資格があります。
エステティシャンの資格の1つである「AJESTHE認定エステティシャン」は、エステの基本的な知識・技術を持ち適切にエステを提供できる人に与えられる民間資格です。
取得するにはエステティシャンセンター試験に合格するか、協会認定校での300時間以上コースまたは1,000時間以上コースの修了、または実務経験1年以上が必要です。
エステティシャンについて詳しく知りたい人は、下記の記事もあわせてご覧ください。
エステティシャンとは?|1日の流れや仕事内容など徹底解説
引用元
日本エステティック協会|AJESTHE認定エステティシャン – 資格・検定
カイロプラクター
カイロプラクターとは、脊椎などの筋骨格系を調整して痛みの緩和や不調の改善を目指す「カイロプラクティック」の施術をおこなうセラピストです。
公的な資格はありませんが、日本カイロプラクティック登録機構(JCR)によって「WHOの基準を満たす教育を受けた」とみなされて所定の試験に合格した場合、「登録カイロプラクター」として認められます。
引用元
日本カイロプラクティック登録機構
リフレクソロジスト
リフレクソロジストとは、足裏・手・耳にある「反射区」と呼ばれる部分を刺激して、反射区につながる器官の改善を目指す「リフレクソロジー」を提供するセラピストです。日本能力開発推進協会(JADP)が認定する「リフレクソロジスト資格」などの民間資格があります。
リフレクソロジーは健康の維持や改善を目的としておこなわれるもので、専門のサロンや医療・介護施設、宿泊施設などでの活躍が期待できます。
引用元
日本能力開発推進協会 (JADP)|リフレクソロジスト資格
3. リラクゼーション系セラピー
リラクゼーション系セラピーに関する2つの資格をご紹介します。
リラクゼーションセラピスト
リラクゼーションセラピストは、お客様に安心な施術・快適な空間・心地よい接客を提供するセラピストのこと。リラクゼーションに関する唯一の認定資格です。
リラクゼーション業についてや、関連する法律をはじめ、お客様のに触れるうえで必要な身体・衛生・安全性の知識、店内の環境づくり・接客方法などを身につけることができます。
どれもお客様に安心して施術を受けてもらうために、必要不可欠な知識や技術です。
リラクゼーションセラピストには2級と1級があり、2級取得者のみ1級の受験資格を得られます。
アロマセラピスト
アロマセラピストとは、精油(エッセンシャルオイル)の専門知識を持っており、精油をブレンドしたアロマオイルによって美や健康のためのトリートメントをおこなうセラピストのことです。さまざまな植物から抽出された精油の香りを楽しみながら心身を整えます。
資格の1つである「AEAJアロマセラピスト」は、日本アロマ環境協会主催の検定試験に合格すると名乗れる資格です。
以下の条件を満たすことで、資格を取得できます。。
・アロマテラピー検定1級に合格する
・AEAJに入会する
・アロマテラピーアドバイザー資格を取得する
・認定スクールでアロマセラピスト標準カリキュラムを修了する
・アロマテラピーインストラクター・アロマセラピスト共通学科試験に合格する
・カルテ演習を修了する
・実技試験に合格する
引用元
日本アロマ環境協会 | 検定・資格 アロマセラピスト
4. メンタル系セラピー
つづいては、メンタル系セラピーのなかから2種類の資格を取り上げます。
臨床心理士
臨床心理士は、心にアプローチして悩みの解決をはかります。臨床心理士になるには、公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会がおこなう資格試験への合格が必要です。ただし、臨床心理士養成に関する指定大学院または専門職大学院の修了を基本モデルとする受験資格を満たさなくてはなりません。
引用元
日本臨床心理士資格認定協会|臨床心理士とは
日本臨床心理士資格認定協会|受験資格
公認心理師
公認心理師はメンタル系セラピー唯一の国家資格で、心理的支援を必要とする人に対して状態の観察や分析、支援をおこなったり、支援を必要とする人の関係者の相談に乗りアドバイスをしたりするセラピストです。
制度が始まって間もないことから、医療機関などの現場では体制が整っていないところも多く、臨床心理士との違いも明確になっていない部分があります。しかし、今後養成が進んでいくにつれ、公認心理師にしかできない業務も増えてくると予想されています。
引用元
厚生労働省|公認心理師
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