ゆっくり自分の世界に浸りたいときは、月舟町の優しい世界観に触れて【DLAWネイリスト KANA】
忙しい毎日の中で、ふと手に取った一冊の本。その本との出会いが人生を大きく変えることもあります。ここでは、美容従事者の皆さんが大事にしている本をご紹介します。「考え方が変わった」「影響を受けた」というとっておきの本とは?
第1回は、精度の高いネイルケア、トレンドと独自の素材や技法を取り入れながら、時代にとらわれない自分らしさを引き出すデザインに仕上げてくれるネイルサロンDLAWの人気ネイリストのKANAさんが影響を受けた本について伺いました。
DLAWネイリスト KANAさん
絵を描くことが得意なので、細かいデザインアートはおまかせ。千葉県出身の23歳。趣味は読書、映画鑑賞、アクセサリー収集、おいしそうなご飯屋さん巡り。ハマっていることは、おしゃれな手料理の画像をみること、行ってみたい国を調べること。
KANA’s favorite
タイトル/つむじ風食堂の夜
著者/吉田篤弘
出版社/筑摩書房
あらすじ:懐かしい町「月舟町」の十字路にぽつんと灯をともす風変わりなつむじ風食堂。無口な店主、月舟アパートメントに住んでいる「雨降り先生」、イルクーツクに行きたい果物屋主人など、食堂に集まる人々たちが繰り広げる懐かしくも清々しい物語。著者は、クラフト・エヴィング商會という名前で著作と装幀の仕事も行う。
■この本との出会い
蚤の市で購入しました。事前に古書ブースがあるのを知っていたので、よい出会いがあればと思っていたところ、この本に出会いました。まずは背表紙のタイトルを見て惹かれたものを手にとり、表紙も見てピンときたものを購入することが多いです。
■好きなフレーズ
『でもやっぱり、人が何より欲しいのは、自信なのかなと思う。それさえあれば、すべてうまくゆくような気がするから。私だって、果物屋でそいつを売っていたら、毎日欠かさず買っているに違いない』
■その理由
「確かに!」と思いました。何事にも自信を持って取り組んでいたいなと思っているのですが、常に自信を持ち続けることって難しいと感じているからです。果物屋さんに「自信」が売っていたら私も思わず欲しい!と思ってしまいます。
■この本を読んでよかったこと
登場人物がみんな個性的で面白いところです。会話が少し哲学的で、難しく感じるところもあるのですが、そのことについて考えれば考えるほど深くておもしろいです。
前述の好きなフレーズ以外にもたくさん素敵な会話が繰り広げられています。登場人物のネーミング、雨を降らせる仕事、星を描く仕事など、その発想と言葉のチョイスが好きです。読み終わった後はなんだかほっこりした優しい気持ちになれます。
■こんな人、こんなときにオススメ
ゆっくり自分の世界に浸りたいとき。そんな時は月船町の優しい世界観に触れられるこの本がオススメです。
■本を読む時間
本を読むことで自分の知らない世界を体験できるので、読書が好きです。知識が増えるだけでなく、日々の接客や人と関わるときの言葉選び、デザインのアイディアなど、読書することでいろいろなことを学んでいます。自分の考えと向き合いたいときや、逆に何も考えたくないときにも読書をします。なので、ぜんぜん読まないときもあれば、月に数冊読むときもあります。
自分の考えと向き合いたいとき、またはその逆に、何も考えたくないときにも読書をするというKANAさん。読書は、答えを探しているときにはヒントを与えてくれて、自分を解放したいときには違う世界へ連れていってくれるものなんだなと改めて思いました。
取材・文/永瀬紀子
Salon Data
Nail Salon DLAW(ネイル サロン ドロウ)
住所:東京都渋谷区神宮前6-13-4 BLUE PANTHER 3F
TEL:03-6868-5556
定休日:なし ※変則的に定休日を頂くことがございますので予めご了承ください。
https://dlaw-nail.jp/