パーソナルトレーナーの将来性は?活躍し続けるための戦略とあわせて徹底解説
ジムでのトレーニングにおいて、アメリカやヨーロッパでは「スタンダード」なのがパーソナルトレーナーの存在です。
パーソナルトレーナーというと、以前はスポーツ選手・モデル・芸能人など、特定の業界の方が利用するイメージでしたが、今では一般の方も多く利用するようになりました。
そんなパーソナルトレーナーを職業にする場合、どのような働き方があるのでしょうか。
これから「パーソナルトレーナーになりたい!」という方へ、この業界の将来性や働き方についてご紹介していきましょう。
パーソナルトレーナーの将来性は?
パーソナルトレーナーには特別な資格が必要なく、実は誰でもパーソナルトレーナーと名乗ることができます。
しかしお客様から見た場合、トレーナーの実績や指導方法に加え、人としての素質も求められる職業となります。お客様に「このトレーナーさんは嫌だ」と思われてしまっては、長く続けていくことは難しいでしょう。
フリーとして活動をする場合であれば、なおさら”トレーナーとしての価値”が大きく影響してきます。
需要から考える将来性
需要という観点から、パーソナルトレーナーの将来性について考えてみましょう。
パーソナルトレーナーという職業は近年、認知度を大きく上げています。
都内でも24時間営業のフィットネスジムやトレーニングジム、ヨガスタジオを見かけることも多く、実際にジムへ通っている方や、知り合いがヨガなどに通っている方もいるのではないでしょうか?
それはつまり、「健康やダイエットのために運動不足を解消したい」という方が大勢いるということを表しています。
ジムに通っているなかで、さらにステップアップをしたいという方が希望するのがマンツーマンレッスンであり、そこで必要とされるのが、指導者であるパーソナルトレーナーなのです。
パーソナルトレーナーという職業は、芸能人やモデルがSNSやメディアで発信していることから認知度を大きく上げ、今では一般の方も気軽にパーソナルトレーナーのサポートを受けながらトレーニングすることも珍しくありません。
女性を中心にマンツーマンの需要は高い
お客様のなかでも、特に高い美意識をもった女性を中心にパーソナルトレーナーのレッスンを希望する方が多いです。
産後ダイエット専門トレーニングや、綺麗なヒップラインにしたいという方向けのトレーニングなど、女性ならではの身体の悩みも多いことから、女性パーソナルトレーナーの需要も高くなってきています。
シニア世代からの需要も高まっていく
現在の日本は高齢化社会で、65歳以上の方が全人口の27.3%以上とも言われており、日本の平均寿命も世界に比べると比較的長いです。
そうして高齢化社会から超高齢社会へと変わっていくなかで、パーソナルトレーナーの役割も重要になってきました。
そうした社会情勢を背景に、シニア世代でも健康な体作りをする人が増えています。そのため、ひとりひとりのお客様それぞれの悩みや身体の状態に合わせて、トレーニングだけでなく食生活面なども含めて、的確なアドバイスができるパーソナルトレーナーが必要です。
ダイエット目的の需要も根強い
女性を中心に、痩せたい・きれいなプロポーションを維持したいといった思いから、ダイエット目的の需要も根強いです。
近年のジム通いをするお客様は、痩せることを目的とした方に限らず、美しいボディラインを手に入れたい方も増えています。
理想の体型を手に入れたい・維持していきたいと考える方のニーズが減りにくいといった理由から、パーソナルトレーナーの需要が減るのは考えにくいと言えるでしょう。
働き方で見るパーソナルトレーナーの将来性
パーソナルトレーナーには、正社員・フリーランス(委託契約)・独立と3つの働き方があります。ここではそれぞれの働き方からみえる将来性について紹介します。
正社員
正社員のパーソナルトレーナーは、高い需要によって将来性が高いと考えられています。高い需要とは、先述したように、女性の利用者の増加や健康維持を目的とする高齢者、さらにはダイエット目的から、いつまでも美しくいたいと考える人が男女問わずいつの時代も一定数いることなどです。
つまり、さまざまな需要の高さからトレーニングを求める人が多いからこそ、仕事がなくなるとは考えにくく、将来性は高いと考えられます。
さらに、多くのジムでは研修を導入し、未経験者でもすぐに働けるような環境を整え、正社員として活躍できるところもあります。正社員の最大の魅力は、固定給で安定した収入を得られ、さらに充実した福利厚生も利用できること。仕事がなくなりにくく、安定した収入を得たいのなら、正社員として働くのがおすすめです。
フリーランス(委託契約)
ジムと契約して、フリーランスの立場でトレーナーになるといった働き方もあります。フリーランスはメニュー価格を自身で設定できるので、指導力や技術の高さ、豊富な知識量を持つ方であれば、高収入が見込める働き方です。
時間に余裕があれば、いくつかのジムを掛け持ちして働くこともできるほか、レンタルジムの活用やオンラインでレッスンするなど、多様な働き方が選べるのもメリットです。
しかし、将来性においては実力によって左右されるといった側面もあります。利用者からトレーナーとしての評価が高く、満足度の高いサービスを提供できれば、収入を大きく増やし、フリーランスのメリットを得ることが可能です。
さらに、定年退職を気にすることなく働けるのも、フリーランスのメリットと言えるでしょう。
ただし、トレーナーとしての実力が低ければ、その分だけ収入が不安定になります。フリーランスは顧客数がそのまま収入に直結するため、集客につながるアピールとはなにかなど、戦略を学び実践することが求められる働き方と言えるでしょう。
独立
正社員・フリーランスとしての経験をある程度積んだあとは、ジムを開業して独立するのも方法の一つです。フリーランスと同様に、トレーナーとしての実力が高い人ほど、多くの利用者が訪れることが予想できます。さらに、自身が現役トレーナーを辞めてしまっても、人を雇っていればジムを維持できる点も独立のメリットと言え、将来性は高いと言えるでしょう。
ただし、独立するうえでは経営に必要な技術や経験、知識が大きなカギとなり、日々学ぶことをやめず、取り入れる姿勢や行動力が求められます。大変なことはたくさんありますが、成功すれば大きな収入を得られる働き方と言えるでしょう。
パーソナルトレーナーに将来性がないと言われる理由
正社員・フリーランス・独立と3つの働き方があるパーソナルトレーナーですが、なぜ将来性がないと言われるのでしょうか。ここでは具体的な2つの理由について解説します。
不安定な収入
将来性がないと言われる理由の一つめは、パーソナルトレーナーの収入が不安定だとされることが挙げられます。パーソナルトレーナーの収入は利用者数に左右されやすいので、利用者数の増減を考慮すると収入が不安定なのでは?と不安になることもあるでしょう。
しかし、厚生労働省の職業情報提供サイトjobtagのデータを見てみると、令和4年度のパーソナルトレーナーの平均月収は22.6万円であり、年収は383.8万円とされています。
ただし、上記データはパーソナルトレーナーを含む「スポーツインストラクター」全般を指すため、あくまでも目安の一つとしてお考えください。
国税庁のページで全職種の給与所得者の平均給与を見てみると、令和4年は458万円となっているため、日本の平均年収と比較するとパーソナルトレーナーの年収はやや低いことがわかります。
パーソナルトレーナーの報酬は、顧客担当数で上乗せされるインセンティブによって増減することから、年収の低さにあわせて不安定な収入であることも、将来性がないと言われる理由と言えるでしょう。
引用元
job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET)):スポーツインストラクター – 職業詳細
国税庁:令和4年分民間給与実態統計調査結果について
需要の高さによるトレーナーの飽和
ダイエットや健康維持など、さまざまな目的を持つ利用者が増えたことから、現在は多くのトレーナーが誕生しています。
今後は、さらに高まる需要を見込んでトレーナー数が増加し、飽和状態になることが懸念されており、飽和状態となりうる可能性に対して将来性がないと言われることもあります。
トレーナーとしての技術や知識だけでなく、評判を呼ぶような指導力や集客に向けた戦略について学び、取り入れる行動力があれば、飽和状態の中でも淘汰されることなく、生き残ることができると考えられるでしょう。
パーソナルトレーナーとして活躍し続けるための4つの戦略
パーソナルトレーナーの需要、そしてこれからの将来性についてみてきましたが、ここからは現場の前線として活躍し続けるにはどうしたらよいのかを、4つの戦略に分けて見ていきましょう。
トレーニング以外の資格も視野に入れよう
パーソナルトレーナーの主な業務は、利用者の目的にあわせてマンツーマンでトレーニングを指導すること。指導力を高めるためにも、人体・健康・食事に携わる知識やスキルを身につけていくことをおすすめします。
国家資格|柔道整復師
柔道整復師は、骨・関節・筋・腱・靭帯など外傷性の原因でできた骨折、脱臼、打撲などに対して手術をしない「非観血的療法」整復、固定の治療ができる職業です。
お客様の体の状態を、柔道整復師の観点からもチェックし、的確なアドバイスができるようにしましょう。
引用元
job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET)):柔道整復師 – 職業詳細
公益社団法人 日本柔道整復師会:柔道整復師・整骨院・接骨院について
国家資格|あん摩マッサージ指圧師
あん摩マッサージ指圧師とは、国が認める唯一のマッサージ資格で、患者の症状に対してあん摩・マッサージ・指圧で解消または軽減させます。
プロのチームトレーナー、プロの個人専属のトレーナーなどと契約することもあり、選手の身体に法的に触れられる職業です。
パーソナルトレーナーとして、上記の資格を持っているだけでも、信頼・安心感は大きく変わってきます。
介護福祉関係の知識や技術も勉強する
介護福祉関係の知識や技術を身につけておくことで、シニア世代のお客様や、これからシニア世代へ向かう方への指導にも活きてくるでしょう。
高齢者向けトレーニングを行なうことも、健康維持の手助けができます。
高齢化社会となっていることで、シニア世代もパーソナルトレーナーに指導してもらいたいという方が増えているとも述べましたが、介護福祉施設などと契約も可能です。
トレーナー育成の指導者になる
パーソナルトレーナーとしての経験を積んだあとは、トレーナーの指導者となり、新たな人材育成に携わる道もあります。
これからパーソナルトレーナーになる方、なりたてで経験が浅い方に対して、これまでの自分の経験やスキルなどを教えることにより、多くの新たな人材がパーソナルトレーナーとしての道を歩んでいきます。
自分自身の今までの復習にもなるので成長を目指せますし、業界全体を盛り上げていくことにもつながるので、やりがいのある仕事といえるでしょう。
自分の強みを増やして活躍し続けよう!
パーソナルトレーナーは、1対1でお客様の体の悩みをサポートしていくお仕事なので、あなたの指導次第でお客様の満足度は大きく変わってきます。
そのため、トレーニングの知識だけでなく、整体や介護などの資格や知識を持っていくことは、大きな強みとなるはずです。
より信頼できるトレーナーに、あなた自身がステップアップしていくことで、活躍の幅も変わってくることでしょう。