【フリーランスのライフスタイル】松村美佳さんの独学で成長する方法
シェアサロンの普及などに伴い、最近耳にする機会が増えてきた「フリーランス」という働き方。しかし「どのようにして生計を立てているのか？」、なかなか想像ができない方も多いはずです。そこで、実際に美容業界で活躍している現役のフリーランスにインタビュー。今回は、2005年の4月からフリーランスのヘアメイクアップアーティストとして働いている松村美佳さんに登場していただきました。
東京と関西の2つの拠点を持ち活動をしているという松村さん。果たして、どのようにして現在のスタイルにたどり着いたのでしょうか？「多い時は、1年で3～4回ほど海外旅行に行っていました」と松村さん。プライベートの過ごし方も気になります。
前編では、フリーランスとして独立するまでの経緯に迫ります。
技術を身に付けて、ひとりで働けるようになりたい
――――まずは、フリーランスになるまでの経緯について教えてください。
「フリーランスとして動き出したのは22歳の頃です。学校を卒業した年だったので、会社員を経験せずにフリーランスになっています。実は、私は高校卒業後に美容学校に進んだわけではなく、一度大学に進学して心理学を勉強していました。
しかし、アルバイトを経験するなかで、『環境によっては、スキルがあっても認められず、またスタッフ同士のコミュニケーションを円滑にして働きやすい職場を作れても、よい評価を得られるわけではない』と感じたので、『私には組織に属するのは合わないかもしれない』と。そこで、『技術を身に付けて1人で働けるようになろう』と思い、大学に行きながら、その時に興味があったヘアメイクの専門学校に通いました。勉強をした期間はだいたい1年間ほどだったと思います。
卒業と同時にフリーランスとして動き始めていますが、当初は完全に独立していたわけではありません。事務所に所属をしていたので、仕事は事務所経由で私のもとに来ていました。ちなみに、社会人になってから通信で美容の勉強をして美容免許も取得しましたね」
――――「学校を卒業とともにフリーランスになった」とのことですが、始めから収入は安定していたのでしょうか？
「いえ、当初の月収は15万円前後だったのでヘアメイク1本だけでは生計が成り立ちませんでした。そのため、バイトに行きながらヘアメイクも行うダブルワークをしていましたね。1日のスケジュールは、お昼間は仕事が入るかもしれないので空けていて夜はセットサロンでナイトワークの方のヘアメイクを担当していました。アルバイトは、他にも居酒屋やウィッグのメンテナンスなども経験しましたね。ちなみに、所属していた事務所がテレビ関係に強かったので当時はよくテレビ番組のヘアメイクを担当していました。フリーランスになってから4年ほどは、バイトと両立する生活だったと思います」
いきなり1人で現場を任される。試行錯誤の日々
――――ちなみに、フリーランスとして働き始めた当初に大変だったことはありましたか？
「先輩に教えてもらえないことが大変でしたね。私は弟子入りしたわけではなく始めから1人で現場に行っていたので、違和感があった時でも自分で解決をしなければなりませんでした。ちなみに、当時特に苦労したことがヘアセットです。私が通っていたメイクの専門学校は授業の大半がメイクについての内容だったため、卒業した時にヘアセットの技術が十分に身に付いておらず、現場に行った時に思い通りにならないこともありました。
しかし、私のそばには先輩がいません。そこで自力でなんとか解決して、帰りながら『どこが問題だったのか』と考えて家で練習を繰り返していました。駆け出しの自分を振り返ってみると、『よくあの技術で現場に行っていたな』と少し寒気がしますね（笑）。
そのため、フリーランスのヘアメイクを目指している方には、『はじめは師匠について勉強をしたほうがいい』と言っています。経験が長いヘアメイクの技術を近くで見たり、指導を受けたりしたほうが、絶対に成長は早いですからね」
ヘアメイク1本で動き始めた、5年目を振り返って
――――フリーランス1本で活動を始めたのは、いつ頃だったのでしょうか？
「ヘアメイクを始めて5年目の2010年頃だったと思います。当時は、すでに事務所は辞めていたので完全に単独で動いていました。『ヘアメイクのみで生活ができる』と思った理由は、テレビ関係のヘアメイクなどレギュラーの仕事が増えてきたからです。詳細を説明すると、任されていたのは、お昼の生放送の情報番組や夜のニュース番組で、週に5日ほど現場に足を運んでいました。生放送の現場でヘアメイクを担当していたのは、1つの番組で3～5名くらいだったと思います。
また、専門学校で週に1回講師活動を行っていた他、フォトスタジオやブライダルの仕事も定期的に任されていました」
後編では、仕事のつかみ方やプライベートの過ごし方に迫ります。
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