【フリーランスのライフスタイル】松村美佳さんの仕事術に迫る

シェアサロンの普及などに伴い、最近耳にする機会が増えてきた「フリーランス」という働き方。しかし「どのようにして生計を立てているのか?」、なかなか想像ができない方も多いはずです。そこで、実際に美容業界で活躍している現役のフリーランスにインタビュー。今回は、2005年の4月からフリーランスのヘアメイクアップアーティストとして働いている松村美佳さんに登場していただきました。

東京と関西の2つの拠点を持ち活動をしているという松村さん。果たして、どのようにして現在のスタイルにたどり着いたのでしょうか?

「多い時は、1年で3~4回ほど海外旅行に行っていました」と松村さん。後編では、仕事のつかみ方やプライベートの過ごし方に迫ります。

さらに自分を磨くために、東京へ

――――ヘアメイク1本で動き始めてからは、順調に仕事は増えていきましたか?

「コロナで大変な時期もありましたが、5年目以降はかなり順調だったと思います。ちなみに、4年ほど前には『都内でも動いてみたい』と思い、東京にも家を借りました。拠点を2つにした理由は、仕事の幅を広げたかったからです。

私は、フリーランスになった当初から、広告やポスターなどの仕事にとても興味を持っていました。いつまでも残る作品ですし、モデルさんをはじめ、アートディレクターさんやカメラマンさんなど、さまざまなプロが現場に集まるので『働きながらたくさんの刺激を受けることができるな』と。

上京せずに働き続けることも考えましたが、将来の自分を思い描いた時に、やはり『東京に進出して、おもしろい仕事に携わりたいな』と思いました。そこで、拠点を2つにしてテレビやウェブ広告、アパレルのブック撮影、化粧品のCMなどの仕事を東京で担当しています。都内での活動は、月に1週間ほどですね」

ちょっとした気遣いが、大きな信頼を生む

――――仕事は、どのようにつかんでいるのでしょうか?

「私は、人伝いに仕事をいただくことがほとんどなので、『松村さんを他の人にも紹介したい』という気持ちが湧く働き方を、常に心掛けています。とくに意識しているのは、現場にいるスタッフさんの声に出てこない要望を柔軟にキャッチすることです。

たとえば、制作の方はその日にヘアメイクをする人数については伝えてくれますが、他にも本番前に『タレントさんの緊張をほぐしてほしい』とも思っています。そのため、現場では無駄にピリピリせずに、なるべくコミュニケーションを取り、タレントさん、クライアントさんの要望に応えることが大切です。

また、タレントさんは『飲み物がほしい』などの口に出せない要望もあるので、メイクをしながら察知して『何か飲みますか?』と、ひと言聞いています。そして、ほしがっていたら、制作のスタッフさんにお願いをして用意をしてもらう。

他にも、目に入った時に不快な思いにさせないために、ヘアメイクの道具は常に清潔にすることを心掛けています。ちょっとした気遣いが、大きな信頼につながると思いますね」

感性を磨く海外旅行

――――とても多忙な印象を受けていますが、お休みはあるのでしょうか?

「その月によりますが、1~5回くらいで、あまりありませんね(笑)。それでも、『どうしても休みたい!』と思った時は1週間丸々オフにすることもあり、私はその時を使って海外に行くことが多いです。コロナの前は、年に3~4回ほど行っていました。

旅先では美術館に行ったり、街中のアートを見たり、現地の料理を食べるなど、日本では味わえない体験をして感性を磨くことを意識しています。また台湾に行った時は、カメラマンさんとモデルさんと一緒に行ってプライベートの撮影をして楽しみました。

改めて考えてみると、仕事を諦められることも海外旅行が好きな理由かもしれません。日本にいると、ヘアメイクのことや『ご依頼にできるだけ応えたい!』という気持ちが、どうしても頭の片隅にありますからね(笑)」

――――最後に、今後の目標を教えてください。

「今後の目標は、さらに感性を磨いて、もっと自分から仕掛けて仕事をすることです。そのためには、若い世代の声を聞くことが大切だと思っています。これからのカルチャーを作るのは若者ですからね。そこで、『どんなファッションが好きなのか?』、『メイク道具はどのようなアイテムを使っているのか?』などを、日頃からよく聞いています。また、近々屋号を付けて事務所化して動く予定です。周りにいる方々の力を借りて、個人ではできなかった仕事にもどんどん飛び込んでいきたいと思っています」

フリーランスのヘアメイクとして活躍するための極意

仕事への連絡をすぐに返すことも意識しているという松村さん。フリーランスのヘアメイクとして活躍するための極意をまとめると、下記の3つでした。

1.うまくいかなかった原因を自分で考えて追求し、技術を磨く

2.ちょっとした気遣いを大切にして、人とのつながりを強くする

3.海外旅行や若手の話を聞いて、感性を磨く

フリーランスは責任感が強くなるという松村さん。「行動が全て自分に返ってくるので、やりがいがありますね」と笑顔で答えてくれました。フリーランスのヘアメイクに興味がある方は、参考にしてみてはいかがでしょうか?

▽前編はこちら▽
【フリーランスのライフスタイル】松村美佳さんの独学で成長する方法>>

Profile

松村美佳さん

インスタグラム:@mika67
HP:http://hairmake-nue.jp/

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