とくにやりたいこともなく、大学2年時にたまたま関心を持ち入ったインカレの起業サークルで、チームを組んだメンバーの祖母が認知症であったことが、私が“介護”に出会ったきっかけです。
「認知症による悲しみを減らす」とビジョンを掲げコミュニケーションツールとしてのフリーペーパーを制作。気付いたら介護の世界にのめり込むように浸っていく自分自身に、違和感を感じたほどでした。
初めまして、秋本可愛です。
大変有り難くも、今月から記事を書かせて頂くことになりました。
このように自分の考えを言葉にし、発信の機会を頂けること、とても有り難く思います。
今の私だから感じることや見えることを、飾らずに自分らしく発信していけたらと思っております。どうぞお付き合い下さい。
本日は私自身のことを、少し紹介させて頂けたらと思います。
最近は様々なメディアに有り難くも取り上げて頂く中で、必ずと言っていいほど聞かれるのは、「なぜ介護なのか?」ということ。
その質問の背景には「おばあちゃんの介護を通じて…」「おばあちゃんっ子で」という質問者の期待があるように感じますがその期待に答えられるような美しいストーリーはありません。
田舎者の憧れで大学から上京し、指定校推薦の枠があったからという理由で、商学部に進学。
とくにやりたいこともなく、大学2年時にたまたま関心を持ち入ったインカレの起業サークルで、チームを組んだメンバーの祖母が認知症であったことが、私が“介護”に出会ったきっかけです。
「認知症による悲しみを減らす」とビジョンを掲げコミュニケーションツールとしてのフリーペーパーを制作。気付いたら介護の世界にのめり込むように浸っていく自分自身に、違和感を感じたほどでした。
より効果的なフリーペーパーをつくりたいと、大学3年時に介護現場でアルバイトを始めました。介護の面白さを知っていく一方で、様々な問題を目の当たりにしました。
自宅で家族と暮らし続けたいという本人の希望に反し、施設に入れられてしまう人や、自分が生きていることが家族に申訳ないと「早く死にたい」とお祈りしている人もいました。 また、それを支えるご家族も仕事と介護の両立に悩み疲弊している現状や、働くスタッフも腰痛や精神を崩してしまい辞めてしまう人もいました。歳を重ねていきつく先が必ずしも幸せではなく、そこに関わる人も苦しんでいる現状を知り、このままでは嫌だと思うようになりました。
多くの課題を目の当たりにした私の中にあったのは、「どうすれば全て解決できるんだろう」という問いでした。
同時に問題意識を強く持っていたのは、同世代の「無関心」です。大学時代に震災があったこともあり、多くの同世代は「誰かのために何かしたい」という思いを抱いていました。しかしその思いの先に介護はありませんでした。
そんな中、若者にとっての介護業界への入り口をつくり、課題解決に関わる人を増やしたいと思いはじめたのがHEISEI KAIGO LEADERSです。
HEISEI KAIGO LEADERSは、介護に志を持つ若手のコミュニティです。
学生や介護士、看護師、医者などの医療福祉従事者、また、人材、金融、ITや不動など様々な職種の人が参加しています。
現在は都内を中心に主に定期イベントの開催や、それぞれの問題意識や想いから一歩踏み出す教育プログラムの運営を行っています。
“LEADERS”と名前に入っていますが、ここでのリーダーはいわゆるトップや役職という意味ではありません。多くの課題に溢れる中、目の前の問題に気付いたとき解決に向けてリーダーシップを発揮できる人を指しています。つまり、全員です。
介護現場での経験を通じて利用者さんの可能性を生かすも殺すも、自分の在り方次第であると感じました。だからこそ、1人1人が目の前の利用者さん、ご家族や共に働く職員との関わりの中で、その人がどう在るかがとても大切なのではないかと思っています。誰もがリーダーシップを発揮できる可能性を持っています。
しかし、その可能性が最大限に発揮できる環境はとても少ないように感じます。1人でも多くの人が自分の可能性に気付き、自分に、そして人に優しくなれる環境づくりが、欲しい未来をつくる一歩になるのではないかと感じています。
これまで500人以上の方がHEISEI KAIGO LEADERSに参加して下さいましたが、私が現場で目の当たりにした問題解決にどれほどの貢献ができているのかと問われると、おそらく生み出した価値はほんの一握りに過ぎません。
しかし、この1年間のコミュニティ活動を通じてうまれた個人の変化や、そこから生まれるプロジェクトにとても大きな価値を感じています。
これまで顔が見える関係性の中でつくりあげてきたコミュニティの価値を、どこまでオンラインでの発信を通じてつくることや広げることができるのか、私にとってまた新たな挑戦です。
介護業界の1つの目標年数である2025年。
私たちはどんな姿で、どんな未来を迎えたいのでしょうか。そこに向けた私たちの世代の役割は、果たして何でしょうか。
私にはまだ断言できるほどの知識や経験も、自信もありません。もしかしたら正解はなく、問い続けるものなのかもしれません。私自身が感じたことをここで言葉にしながら、皆さんと共に考える機会がうまれたら幸いです。
2017/07/14
2017/07/14
2017/05/31
2017/05/26
2017/05/17
2017/05/08
職種別の記事まとめ |
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経歴
2011年4月 認知症予防につながるコミュニケーションツールとしてのフリーペーパー「孫心」発刊
2011年5月 介護現場でのアルバイト開始
2011年12月 SFF2011(全国の学生のフリーペーパーコンテスト)で「孫心」4号目が準グランプリ受賞
2013年3月 専修大学商学部卒業
2013年4月 株式会社Join for Kaigo設立/HEISEI KAIGO LEADERS立ち上げ
2015年4月 KAIGO MY PROJECTスタート
2015年9月 厚生労働省人材確保地域戦略会議 第3回 有識者として参加