介護業界には、ホームヘルパーや介護福祉士などさまざまな職業があります。そのため、職業別にみると男女比が変わってくることがあります。
例えば、高齢者の自宅を訪問して食事の介助や家事を行うホームヘルパーは、実際に従事している人の約92%は女性であると言われています。女性が家事をしながらできる仕事として紹介されることも多く、パートやアルバイト、派遣社員などの就業形態で働いている人が約8割を占めています。
次に、訪問介護サービスを利用するお宅を訪問して、生活の状況を考慮したサービス内容をまとめた、訪問介護計画書を作ることが主な仕事であるサービス提供責任者は、ホームヘルパーより少し男性の比率が上がり、男性が約12%を占めていると言われています。
他にも、介護職員は夜勤をすることがあり、力仕事が増えるため、男性の比率がさらに高くなり、全体の25%が男性で占めています。そして、介護業界における営業マンと言われる、生活相談員や支援相談員になると、全体の41%が男性になります。
介護業界ではどの職種においても、男性の比率が少なくなっています。このデータからすると、男性は介護に向いていないように捉えることもできます。
冒頭で説明をしたように、介護は女性の仕事であると思っている人も少なくはありません。しかし、「介護」という言葉が生まれるよりも早く、体が思うように動かない家族の世話をすることは男女関係なく行う当然の行為だった、と捉えるのが自然でしょう。しかし、時代が流れる中で、男性が稼ぎ頭として外へ出ていくようになり、女性は育児や介護といった性別分業がなされるようになったのです。
また、介護者に女性が多い理由としては、利用者が女性を望んでいるということも挙げられます。「女性の方が言う事を聞いてくれる、笑顔で対応してくれる 」などといった期待感があるため、女性の方が利用者に受け入れられやすいという現実があります。
介護においては、力仕事があるように男性が望まれるシーンも介護業界にはありますが、利用者の感情によって女性の方が従事しやすいのが今の介護業界でしょう。
先にも説明をしたように、介護の現場では女性の方が受け入れられやすい場合が多いです。介護の現場では「感情労働」と呼ばれる、利用者と一緒に喜んだり、悲しんだりといった感情の共有が求められることがあります。この「感情労働」は、女性に特に求められることであります。
また、男性介護士が利用者と接することによって生まれる問題は根が深いのが現実で、単純に解決できるものではありません。例えば、女性の介護福祉士の身体接触は、男性側からも女性側からも受け入れられやすいのですが、男性の介護福祉士による身体接触は、性的はイメージがまとわりついてしまい、サービスを受ける利用者が恥ずかしさを感じてしまうこともあるそうです。
そのため、施設によっては女性利用者が男性介護士を拒むということもあるのです。しかし、その一方で男性の介護福祉士の方が入浴介助や移動介助の時に、力があって体を任せられるといった安心できる側面もあります。
2017/07/14
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