2015/07/29
来月から１割負担だった介護保険の自己負担額が、２割負担になることはご存知ですか？
しかし、全員一律で１割負担から２割負担になるわけではありません。２割負担になるのは一部の対象者だけです。でも、「一部の対象者」にあてはまる人って、どんな人なのでしょう？
■自己負担額って？
自己負担額とは介護保険サービスを利用した場合に利用者が支払う金額のことです。例えば、10,000円のサービスを利用した場合に、利用者が支払う金額は1,000円です。
2000年に介護保険ができて以来、ずっと１割だった自己負担額が2015年8月から、一部の高所得者は２割負担になるのです。当然、支払う金額が現在の２倍になるので金銭的な負担は厳しくなります。
■自己負担額が２割の人ってどんな人？
単純に「支払う金額が２倍になる」という理由で不安に思っている方も多いと聞きますが、２割負担になる人には適用条件があるのです。では、自己負担額が２割になる基準について見ていきましょう。
２割負担は、65歳以上の被保険者のうち所得上位20%に相当する基準である「年間所得金額が160万円以上の人」を基本としています。しかし、年間の所得金額が160万円以上であっても、年金収入と所得金額を足した合計が単身で280万円未満の場合、または２人以上で346万円未満の場合は免除され、１割負担になります。
■なんで２割負担になったの？
そもそも介護保険制度とは、「本来ものすごくお金がかかる介護サービスを、利用者だけの負担ではなく社会全体で支えて行こう」という考えで生まれた制度です。
しかし、その介護費用が2000年の制度開始から10年あまりで、３倍近くに増加したのです。しかもその上、10年後に迫る2025年問題。 ですが、政府としてはこれ以上の予算を組み込むことはできません。介護保険制度を存続するためには、大きな改革が必要だったわけですね。
■今後、更に自己負担額が上がるかも？
今年は介護保険制度が始まって以来、初めての自己負担額増加です。制度開始当初は財政的に余裕があると考えられていた制度ですが、「2015年問題」更には「2025年問題」に向けて財源を確保する必要が出てきたのです。
今回の改正で、全体の20%の人が２割負担になりますが、いずれは全員が２割負担になるかもしれません。
まだ歴史の浅い介護保険制度は、これからもどんどん改正していく必要があるようです。介護サービスを利用される方、介護従事者、共に制度を理解し、新しい情報に耳を傾ける必要がありますね。
