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特集・コラム 2021-07-29

訪問介護がしんどいと思うのはどんな時? 悩んだ時にはどうすればいいの?

訪問介護は利用者宅を訪問し、身体介護や生活援助をおこなう介護サービスです。人を相手にするという点はほかの介護サービスと共通していますが、利用者宅を訪問するため生じる悩みをはじめ、訪問介護の仕事では悩んだり、つらいと感じたりする機会も少なくありません。

具体的な事例や上手な対処法をおさらいし、心身の調子を崩してしまう前に適切な対応をしておきたいところです。今回は、訪問介護の仕事に就いていてつらいと思うときやその対処法についてご紹介します。

訪問介護がつらくなるのはどんな時?

どんな仕事でも不安や不満、負担を感じるときがありますが、訪問介護の仕事においてもそんな場面は多々あります。それは職種を問わない悩みだったり、訪問介護の特徴からくるものだったりさまざまです。

ここでは身体的につらくなるとき、精神的なつらさを感じるときにわけて、ヘルパーの仕事をつらいと思う具体的な事例をご紹介します。

体力的につらくなるのはどんな時?

訪問介護は、身体介護でも生活援助でも身体を使う仕事です。そのため、体力的にしんどいと感じる場面も少なくありません。それでは、実際につらさを感じるパターンをいくつか取り上げてみましょう。

身体介護や入浴介助の仕事でヘトヘト…

身体介護は利用者の食事や排泄をはじめ、直接身体に触れる介護をおこなうサービスです。とくに寝る体位を変えたり、入浴時の介助をしたりといった場面では、利用者の身体を支えたり、持ち上げたりしなければなりません。ベッドと車いすの乗り移りを支援する移乗もあり、いずれも体力を激しく消耗します。

業務のなかには服薬確認など身体の負担をともなわないものもありますが、これらの業務は体力的な負担があるため、しんどいと感じるヘルパーも少なくありません。

訪問先の移動で疲れる…

ヘルパーの仕事は、利用者宅を訪問して介護を提供するものなので、一日で複数の利用者宅を訪問するための移動時間が必ずあります。そのため、ちょっとした息抜きをする時間もなく、この点で身体的負担を感じる人もいるのです。

精神的につらくなるのはどんな時?

つづいては、精神的にヘルパーの仕事がつらいと思う場面をご紹介します。1対1で利用者と接するという、訪問介護ならではの特徴からくる負担が多いようです。

ひとりで介助するプレッシャーがきつい…

訪問介護は基本的にヘルパーと利用者が1対1で対応するため、精神的ストレスを抱えてしまう場面が多いかもしれません。計画に沿った介護をおこなうとはいえ、具体的な対処は瞬時にひとりで判断しなければならないからです。

万が一のときは事業所として対応してくれますが、それでも一時的にはヘルパーが責任を負わなければならないこともあります。

利用者さんと合わない・訪問先の環境が良くない…

訪問介護は人と人が接する業務のため、人同士の相性問題は避けて通れません。とくに相性のよくない利用者を担当することになると、どうしても精神的な負担は増えてしまいがちです。

また、利用者宅の環境を負担に感じる場合もあります。利用者のなかには自力で掃除ができない人もいるため、このような場合、ごみが散乱していたり、悪臭がしたりと劣悪な環境化で介護をすることも少なくありません。

さらに、訪問先によっては利用者が「苦手だから」と暑いのに冷房をかけていない場合もあります。そのため、このような過酷な労働環境に精神的つらさを感じるヘルパーもいるのです。

職場でつらくなるのはどんな時?

ヘルパーの仕事がつらくなるのは、介護を提供するときだけではありません。ほかの職種と同様、職場内でつらさを感じることもあるからです。ここでは、具体例をいくつかご紹介します。

給料が安い…

訪問介護の報酬は介護をおこなった時間により計算されるため、ヘルパーの給料も同様の計算方法をとることが多いです。そのため、パートタイムで働いている場合は、勤務シフトの時間と訪問時間が合わずに、出勤しているのに給料が発生しないことがあります。

また、移動時間は介護の時間に含まれないため、給料の算定対象にならないことも。ヘルパーの多くが時間単位で働いているため、仕事の量や質と収入のバランスがとれていないということも珍しくはないのです。

周りのスタッフとうまくいかない…

ほかの職種にも共通しますが、ヘルパーもまた人間関係の問題は避けて通れません。基本的には利用者宅を訪問して仕事をすることになりますが、事業所に戻れば職員同士の人間関係が待っています。

また、ケアマネジャーをはじめとした関係機関の職員とも密に連絡調整をおこなうため、その人との相性もあるでしょう。これはヘルパーに限った話ではありませんが、どちらも職場での人間関係をストレスに感じ、精神的負担をこじらせてしまう人もいるのです。

ヘルパーとして悩んだ時にはどうすればいいの?

ヘルパーが仕事上の悩みを抱えてしまったときどうすればいいのかを、いくつかピックアップしてご紹介します。あらかじめ対処法を知っておくことで、身体を壊してしまう前に適切な対応をとり、より快適に働ける環境をつくっていきましょう。

事業所の上司に相談する|改善案の提案

ヘルパーをしていて感じる身体的な負担・精神的な負担いずれの場合も、はじめに管理者やサービス提供責任者などの上司に相談してみましょう。どんな職場であっても上司に相談してみるのは、悩みをもつスタッフが最初におこなうべき行動といえます。

また、ヘルパーの仕事は単独で介護をおこなうという特徴から、どうしても悩みを自分ひとりで抱えてしまいがちです。管理者やサービス提供責任者はさまざまな事例に接しているため、対処法をよく理解しています。上司に相談することで、悩みを適切に解決してくれることも期待できるでしょう。

キャリアアップを目指す|資格取得

給料などの条件面に悩みや不満をもつヘルパーは、資格を追加取得することでキャリアアップを図るのもいいでしょう。介護福祉士や社会福祉士をはじめとした資格を新たに取得すれば、対応できる業務の範囲が広がります。また管理者やサービス提供責任者の要件を満たせば、役職や給与などの待遇面でも改善が見込めるでしょう。

また、仕事の中身や勤務条件が変わるとストレスやプレッシャーが軽減し、生き生きと働ける環境が整う可能性もあります。事業所を辞めたあとのキャリアも考えると、資格を取得しておくことにデメリットはありません。ヘルパーの仕事をしながら勉強時間を確保するのは大変かもしれませんが、介護業界で働く人なら追加の資格取得は、頭に入れておくといいでしょう。

経験を活かして転職する|条件の良い施設

これまでご紹介した方法も向かないと思った場合、思い切って訪問介護事業所から転職するという選択肢もあります。時間の自由度は減るものの、介護福祉施設や介護保健施設などではまだまだ介護員の手が足りていません。より勤務条件のいい施設に転職すれば、介護サービスを手がけた経験が活かされ、給料だけでなくやりがいのアップも期待できます。

自分に合った解決方法を見つけよう!

訪問介護のサービスを提供するという役割を担うヘルパーですが、この仕事ならではの悩みやどんな仕事にもある課題など、仕事をしんどいと感じる場面は多いです。

考えられるさまざまな対策をご紹介しましたが、悩みの内容はひとそれぞれで、適切な対処法も人によって異なります。

どんな仕事でもいえることですが、悩みをひとりで抱えてしまうことなく、自分に合った解決方法を見つけて早めに解決することで、より恵まれた環境で活き活きと働けるようにしましょう。

参考元:
日本福祉教育専門学校 ホームヘルパーの仕事を知ろう!

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