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特集・コラム 2021-07-30

訪問介護の買い物の範囲とは? 訪問介護でできること・できないことを解説!

介護サービスはいくつかの種類に分類でき、利用する人の自宅を訪問しておこなう「訪問介護」もまたそのひとつに含まれます。介護サービスが種類ごとにわけられているのは、各々でおこなうことのできるサービスの範囲が決まっているためで、サービスの提供者はその範囲を遵守しなければなりません。

とくに訪問介護においては、買い物の範囲などについてただしい認識が必要です。今回は、訪問介護でできることとできないことを解説します。

どこまですべき? 訪問介護での買い物の範囲とは

訪問介護とは自宅で生活を送っている要介護者を対象に、幅広い生活支援を提供する介護サービスです。このサービスでは買い物を依頼されることも少なくありませんが、その際にはサービスとして提供できる買い物の範囲をよく理解しておかなければなりません。

ここではその範囲の詳細について解説していきますが、自治体によって支援内容は違うことがあるので、必ず自治体の規定を確認しましょう。

買い物代行は生活援助サービスのひとつ

訪問介護では自力で日常生活を送るのが困難な利用者に対して、生活援助サービスをおこないます。そして、利用者の代わりに買い物をする買い物代行サービスもまた、この生活援助サービスに含まれているのです。

そもそも訪問介護の一環としておこなわれる生活援助サービスでは、買い物のほかに掃除や調理、洗濯などの家事全般がその対象となり、ホームヘルパーはそれらのすべてをおこなわなければなりません。また、外出支援やそれにともなう用事のサポート(役所や金融機関での各種手続き、冠婚葬祭への同行など)も生活援助の範囲に含まれます。

買い物の範囲とは?|利用者本人の生活必需品・薬の受け取り

訪問介護でおこなわれる買い物代行には範囲が決められており、ヘルパーはその範囲内で必要な買い物だけを代行することとなります。この範囲に関しては、利用者本人の生活必需品の購入や薬の受け取りなどが対象として明示されているのです。

ここで重要なのは、買い物の対象が利用者の生活必需品であるということ。そのため、必ずしも必要ではないものの買い物の場合、訪問介護では代行することができません。

ホームヘルパーができない買い物とは?

ホームヘルパーは訪問介護の一環で買い物代行をする場合、その範囲に含まれないものについてただしい認識が必要です。つづいては、訪問介護においてホームヘルパーが買い物代行をすることができない事例を解説していきます。

1. 直接本人の援助にあたらない買い物

買い物代行はほかの訪問介護サービスと同様に、利用者本人の援助になることが前提です。そのため、利用者本人に対する直接的な援助にあたらない買い物、たとえば利用者の家族のための買い物などの場合、訪問介護サービスの範囲からは外れるため、買い物代行もできないこととなります。

2. 生活必需品に当たらない買い物

訪問介護の買い物代行で購入するものは、利用者にとっての生活必需品でなければなりません。たとえば、来客用の買い物やお歳暮、お中元などの手配は生活必需品の買い物とはいえないことから、これらもまた買い物代行の範囲からは外れます。

ただし、生活必需品であるかどうかは利用者の立場から判断する必要があり、ヘルパーには客観的な視点をもつことも求められるのです。

3. 遠方での買い物

訪問介護サービスでは、日常生活の行動範囲におけるサポートや介助をおこなうことが基本となっています。そのため、買い物代行においてもそれが日常生活の行動範囲を超えることは避けなければなりません。

たとえば、遠くのデパートでの買い物は日常生活の行動範囲を超えることもあるため、訪問介護サービスの対象からは外れます。デパートに限らず、遠方での買い物は日常生活の範囲を超えることから、訪問介護において代行をすることはできません。

生活援助以外には? 職員ができないサービスを解説!

訪問介護におけるサービスは、買い物代行をはじめとした生活援助に限りません。生活援助以外のサービスには身体介護や通院時の乗降介助などが挙げられ、職員にはそれらの総合的なサポートをおこなうことが求められるのです。

一方、これらのサービスにおいても訪問介護の職員がおこなえないことがいくつか存在しています。つづいては身体介護、および通院時の乗降介助において職員ができること・できないことを解説しますが、こちらも自治体によって支援内容が異なることがあるので、必ず自治体独自の規定を確認しましょう。

身体介護の場合

訪問介護では、生活援助とは別に身体介護もサービスに含まれます。身体介護とは食事・入浴・排泄・移動などの介助がおもなものとなり、家事の範囲からは外れるという点で生活援助とは明確な違いがあるのです。

身体介護においてもサービスとしておこなえることは決められており、職員はその範囲内で利用者のサポートをしていかなければなりません。

身体介護でできないこととは?|医療行為・散髪など

訪問介護として身体介護をおこなう場合、医療行為に該当するサービスをおこなってしまわないよう注意しなければなりません。ただし、検温や塗り薬の塗布、爪切りなどは医療行為にあたらないこととなっており、訪問介護の一環でおこなうことも可能です。

また、同様にリハビリや散髪も身体介護には該当せず、訪問介護サービスとして提供することはできません。

通院時の乗降介助の場合

訪問介護を必要とする利用者のなかには通院をしている人も多く、その際の送迎における乗降介助でも職員がサポートをする機会があります。このようなケースでは送迎車などに乗るという行為が利用者にとって日常生活の一部であると判断できるため、訪問介護の範囲内に含まれる業務とすることができるのです。

一方、このような通院時の乗降介助においても訪問介護としてはおこなえないことがあるため、注意しなければなりません。

通院時の乗降介助でできないこととは?|病院内での介助など

利用者の乗降介助をする場合、職員は送迎車に同乗し、病院での降車時にも介助をおこなうこととなります。通常、訪問介護のサービスとして提供できるのはこの範囲までであり、たとえば病院内での介助はおこなうことができません。

また、同様に入退院時の付き添いに関しても訪問介護のサービスとしてはおこなうことができないため、注意が必要です。

お願いされてしまったらどうすればいい? どう断る?

訪問介護ではサービスとして提供できることが明確に決まっており、その範囲内でのみ利用者の介助をすることができます。そのため、利用者の求めることが訪問介護サービスの範囲を超えてしまうことも少なくありません。

このようなケースではサービスを提供する側がはっきりと断ることが大切ですが、その断り方で悩む方もいるでしょう。つづいては、よくあるケースごとに支援の範囲を超えるサービスの提供を断る方法をご紹介します。

大掃除をして欲しい…

訪問介護の範囲でおこなえる掃除は日常的なものに限定され、その範囲を超える大掃除をおこなうことはできません。

利用者に大掃除を頼まれてしまった場合、訪問介護ではおこなえないことをはっきりと伝えたうえで、自治体や民間企業がおこなっている代行の掃除サービスなどを紹介するとよいでしょう。

家族のためのご飯を作って欲しい…

訪問介護サービスでは調理をおこなうこともありますが、それはあくまでも利用者自身のための調理でなければなりません。

利用者の家族のための調理は訪問介護の範囲を超えることから、この場合もそのことをはっきりと伝えるとよいでしょう。また、その際には食事の宅配サービスなどを紹介するのがおすすめです。

たばこを買ってきて欲しい…

買い物の代行も訪問介護サービスの範囲に含まれますが、購入するものはあくまでも生活必需品に限定されます。たばこの場合、生活必需品とはいえないことから、ここでもそのことをはっきりと説明し、断ることが大切です。

たばこやお酒の買い物代行は断りづらいという方も少なくありませんが、このようなケースでは健康への悪影響を心配していることをそれとなく伝えつつ断るのがよいでしょう。

利用者や家族にできる範囲を理解していただこう!

訪問介護では利用者の日常生活をさまざまな方法でサポートしますが、各々のサービスでできることとできないことの範囲が決まっています。買い物代行に関しても生活必需品の購入が目的であることなどが条件となり、そのことは利用者本人やその家族にも前もって説明しておくことが大切です。

また、訪問介護サービスに携わるうえでは、できないことを頼まれた際の断り方についても頭に入れておくことをおすすめします。

引用元:
厚生労働省 訪問介護及び訪問入浴介護(参考資料)
厚生労働省 「指定訪問介護事業所の事業運営の取扱等について」等の再周知について
豊島区 【ご注意ください】介護保険で利用できる訪問介護サービス、利用できない訪問介護サービス

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