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特集・コラム 2021-08-04

児童指導員のやりがいとは? 児童指導員になるにはどうすればいいの?

児童指導員は、家庭の事情や発達の問題を抱える児童、その家族に対して、生活指導や相談業務などさまざまなアプローチで支援をおこなう職業です。

働く場としては児童養護施設などの公的施設が挙げられ、とくに放課後等デイサービスなどでニーズが高まっています。児童や家族の近くで、きめこまやかなケアができ、やりがいを感じることのできる仕事です。ここでは、児童指導員の仕事の魅力や実際に児童指導員になるための方法も解説します。

児童指導員の仕事にやりがいを感じるときとは?

児童指導員は、さまざまな児童福祉施設で活躍できる職業です。ここでは、児童指導員の仕事内容、やりがいや仕事の魅力について解説します。

児童指導員の仕事内容とは|児童の生活指導など

児童指導員は、家庭の事情を抱えている児童、発達支援が必要な18歳以下の児童に対して、学習や生活習慣の指導、ソーシャルスキルを身につけるためのサポートをおこなう役割があります。児童ひとりひとりに生活指導計画を立て、それにもとづいたケアやサポートをするのが仕事です。

ほかにも、会議の運営や必要な際に児童相談所や学校などの施設との連絡調整、保護者との面接など仕事内容は多岐にわたります。さらに、進路相談の場合には児童や家族とよくコミュニケーションを図り、必要に応じてアドバイスや提案などをおこなう力も求められるのが特徴です。

どんな職場で働くの?|児童養護施設・児童家庭支援センターなど

おもな就職先として、児童福祉施設があります。また、乳児院や福祉型障害児入所施設、医療型障害児入所施設、児童養護施設などさまざまな職場で働くことが可能です。

ほかにも、福祉型児童発達支援センター、医療型児童発達支援センター、児童家庭支援センターなどでも働くことができます。

将来性はある?|放課後等デイサービスへの配置など

児童指導員は、放課後や土日などの学校が休みの日に、対象となる児童を預かる放課後等デイサービスでの求人が多いことから、需要の高さがうかがえます。実際に厚生労働省の統計では、放課後等デイサービスの事業所数、利用する児童の数も増加傾向にあるとのデータが出ているため、将来的にニーズの高い職業であるといえるでしょう。

さまざまな事情を抱える児童や家族へ、専門的なケアを提供することのできる児童指導員の資格を取得しておくと、児童福祉の分野で就職したい場合に役立てられます。

児童指導員の仕事にやりがいを感じるときとは?

児童指導員は、やりがいを持って仕事に取り組める職業です。ここでは、どのような瞬間にやりがいを感じるのかを確認しておきましょう。

子どもたちの成長を感じられたとき

やりがいを感じるときのひとつとして、子どもたちの成長を感じられるときがあります。小さな子どもであれば、「歩けるようになった」、「文字の読み書きができるようになった」、「自分の気持ちを言葉で表現できるようになった」などといった行動に関することで成長を感じることが多いようです。

子どもたちとの間に信頼関係を築けたとき

人見知りや心のケアを必要とする子どものなかには、大人とコミュニケーションを図ることが苦手であったり、自分の気持ちを伝えたりするのに時間がかかる子もいます。児童指導員として関わるなかで、子どもが安心感を持って接してくれる瞬間に喜びややりがいを見出すこともあるようです。

子どもたちが将来を考える手助けができたとき

児童指導員は、子どもの悩みや思いに寄り添える立場にもあります。将来どのような職業につきたいか、どのような進路に進んだらよいか迷っている子どももいるでしょう。子どもたちひとりひとりの個性や強み、得意分野などを把握し、進路や将来の方向性に関して適切なアドバイスができたときにもやりがいを感じるといわれています。

子どもの保護者のサポートができたとき

児童指導員は、子どもの様子を保護者に伝えることや進路に関して面談をおこなうなど保護者へのサポートも大事な役割です。子どもに対する悩みや相談を傾聴し、その保護者に対して適切なアドバイスをおこなうなどのサポートができたときにもやりがいを感じることがあります。

児童指導員になるには資格が必要? 目指すにはどうすればいいの?

実際に、児童指導員になるには資格は必要なのでしょうか。ここでは、児童指導員を目指すための方法をご紹介します。

児童指導員として働くための任用資格が必要

児童指導員は医師や弁護士、看護師のような国家資格ではありません。任用資格といって、学歴や実務経験など任用資格取得のための一定条件をクリアすることが必要となります。そのため、将来児童指導員として活躍したいと考えている場合、任用資格取得に向けてのアクションを起こすことが大切です。

さらに、就職する際には指定の学校の卒業証明書や実務経験証明書など任用資格を証明できる書類を用意しておく必要も。これらの書類をもらった際には、大事に保管しておくようにしましょう。

任用資格を満たす条件を解説!

任用資格を満たす条件は、指定の養成施設を卒業するルートや一定の実務経験を満たすルート、ほかの資格を取得することで条件とみなされるケースなどさまざまです。ここでは、児童指導員の任用資格を満たす条件について解説します。

1. 児童福祉施設の職員を養成する学校などの養成施設を卒業する

条件として、「地方厚生局長等が指定をする児童福祉施設の職員を養成する学校に通い、卒業すること」があります。児童指導員の養成校では、福祉専門の知識やスキルに特化したカリキュラムが組まれているのが特徴です。学校によって、学費や寮、奨学金の有無、おもな就職先、カリキュラムなどが異なります。

養成学科の修了証や卒業証書は、児童指導員として就職するうえで提出が求められるので、事前に準備しておきましょう。

2. 社会福祉士の資格を取得する

児童福祉法では、「社会福祉士の資格を有している人に児童指導員の任用資格が与えられる」となっています。社会福祉士は名称独占資格といって、資格を持っている人だけが社会福祉士として業務をおこなえる職業です。

また、国家資格であり、社会福祉士を目指す場合には大学や養成学校へ入学して資格取得を目指すルートや実務経験を生かせるルートなどさまざまなルートがあるため、自分に合った方法を選択することが大切です。

3. 精神保健福祉士の資格を取得する

社会福祉士と同様に精神保健福祉士の資格を持っていると、児童指導員の任用資格を取得できます。精神保健福祉士は、精神障がいを抱える人へのケア、相談業務やメンタルヘルスに携わる職業です。

国家資格のひとつであり、受験資格取得のためにさまざまなルートが存在します。4年制の福祉系大学で指定科目の履修を満たした場合は、卒業することで受験資格を取得することが可能です。一般の4年制大学卒業の場合、「一般養成施設」というところに1年以上通うことで受験資格を獲得できます。また、社会人としてすでに働いており、相談実務経験4年を有する場合は一般養成施設での1年以上の学習が条件です。

4. 大学や大学院で社会福祉学・心理学・教育学などを専修して卒業する

児童指導員の業務内容は、相談業務、生活指導など多岐にわたりますが、とくに重要なのがコミュニケーション能力です。大学や大学院において教育学や社会福祉学をはじめ、人の感情や行動のメカニズムを専門的に学ぶ心理学など、国が指定する科目の学習を終えて卒業することで児童指導員の任用資格を取得できます。

また、都道府県によって、大学などでの指定科目の履修が福祉系の職業の受験資格を満たすケースもあるので、ほかの職業に興味がある人は条件を満たしておいて損はないでしょう。

5. 外国の大学で社会福祉学・心理学・教育学などを専修して卒業する

日本だけではなく、海外の大学で社会福祉学や心理学、教育学などを専門に学び、卒業した人も児童指導員の任用資格を取得できます。その際は、海外の大学を卒業したことを証明する卒業証明書や成績・修了証明書などの書類を用意しておきましょう。

6. 教員免許を取得して都道府県知事の認可を受ける

幼稚園教諭や小中学校、高等学校の教員免許を持っており、厚生労働大臣または都道府県知事からの認定を受けた場合、児童指導員の任用資格を取得できます。

児童指導員として働きたいと考えている場合には、教員免許の写しを用意しておきましょう。また、保育士は任用資格の取得はできないので注意が必要です。

7. 高校もしくは中等教育学校を卒業して2年以上児童福祉事業に従事する

学校教育法の規定によって高校や中学校を卒業後に児童福祉事業に携わり、働いた期間が2年以上の人は、児童指導員の任用資格を取得することが可能です。

その際に2年以上かつ従事した日数が360日以上であることを証明する実務経験証明書や中学校や高校の卒業証明書が必要となります。

8. 3年以上児童福祉事業に従事して都道府県知事から認定を受ける

高校卒業以上またはそれと同等とみなされない場合でも、児童養護施設などで児童福祉事業に携わった経験が3年以上あり、都道府県知事からの認定を受けていることが条件として、児童指導員の任用資格を取得できます。

実務経験をもって、児童指導員として働く際には、3年以上かつ従事した日数が540日以上であり、児童の生活指導などをおこなった経験を証明できる実務経験証明書の提出が求められることも覚えておきましょう。

公立の施設で働くには公務員試験に合格する必要がある

児童指導員は公的な施設で勤務するケースが多く、任用資格を取得後に公務員試験に合格することで公的施設での働くことができます。そのため、別途公務員試験に合格するための勉強や面接対策が必要です。

また、都道府県によっては児童指導員の任用資格だけでは福祉職の受験資格を取得できないケースもあります。公的施設での就職を検討している人は、各自治体のホームページなどで募集要項を確認することが大切です。

児童指導員は子どもたちの生活を支援するやりがいのあるお仕事!

児童指導員は放課後等デイサービスなどでもニーズの高まっている仕事であり、将来性のある職業だといえます。また、児童養護施設などさまざまな施設で働くことができるのも魅力です。

児童指導員は公的な施設での就職が多いので、公務員試験を受ける場合もあるでしょう。ただし、地方自治体によって受験資格が異なるため、事前に確認しておくと安心です。子どもや家族への支援に携わりたい方は、ぜひ児童指導員の仕事を目指してみてはいかがでしょうか

引用元:
東京都福祉保健局 福祉(2類)
神奈川県 福祉職の受験資格
公益財団法人 社会福祉振興・試験センター 精神保健福祉士国家試験

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