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特集・コラム 2021-08-06

ケアマネジャーを辞めたいと思う理由とは? 悩んだときにはどうすればいいの?

介助が必要なお年寄りやその家族にとって身近な相談先であるケアマネジャーは、頼りにされて、喜んでもらえるやりがいのある仕事です。しかし、ときには辞めたいと考えてしまうほどストレスが溜まってしまうこともあるかもしれません。

実際にケアマネジャーが辞めたいと思う理由には、どのようなものがあるのでしょうか。また、辞めたいと思った際にはどう対処するとよいのかも気になりますよね。ここでは、ケアマネジャーの業務内容や事業所の種類による仕事の違いについてもご紹介します。

なぜ? ケアマネジャー(介護支援専門員)を辞めたいと思う理由とは

介助が必要な高齢者の生活を支えるケアマネジャーは、やりがいのある仕事です。しかし、その分ストレスを感じてしまう場合もあります。ここでは、ケアマネジャーを辞めたいと思ってしまう理由について確認しておきましょう。

1. 仕事量が多すぎる場合

ケアマネジャーの仕事には、下記のような2種類の業務があります。

<毎月おこなう業務>
・前の月の請求業務
・次の月のサービス利用の調整とケアプランや計画表の作成
・利用状況などのモニタリング
・サービスの利用計画表を利用者や事業所に渡す

毎月おこなう業務は担当している利用者全員についておこなわなければならないため、担当が多ければ多いほど仕事が多くなります。

<随時おこなう業務>
・認定更新申請の代行
・担当者会議の招集と実施
・新規担当者の検討調整
・担当者の施設入所に関する支援
・臨時の訪問、緊急時対応

とくに在宅で暮らしているひとり暮らしの利用者で、ひとり暮らしが困難になっている人を多く担当していると、対応しなければならないことが増える傾向があります。

2. 責任が重くてプレッシャーを感じる場合|ケアプラン作成など

ケアマネジャーは生活に介助が必要な高齢者を支え、利用者やその家族、地域の人にも感謝されるやりがいのある仕事です。その反面、ケアプランの作成や利用者などからの相談対応などに責任や強いプレッシャーを感じてしまう場合があります。

また小規模な事業所や入所施設などのなかには、ケアマネジャーがひとりしかいない場合があり、相談できる相手がいないことで自分のやり方は間違っているのではないかと悩んでしまうということもあるのです。

3. 人間関係が難しい場合|スタッフ・利用者など

居宅のケアマネジャーが関わらなければならない相手は、職場のスタッフや利用者だけではありません。家族はもちろん、利用している事業所や包括支援センター、自治体担当者、ときには民生委員や近隣住民などともかかわらなければならないことがあります。

施設のケアマネジャーも家族との関わりがあり、施設と家族との間で板挟みになってしまうことがあるからです。また、外に出ることが多い仕事なので、同僚に大変さをわかってもらえないことがストレスになる場合もあります。

4. 負担の割に給料が少ない場合

2020年の厚生労働省の調査「介護従事者処遇状況等調査結果」によると、常勤の介護支援専門員(ケアマネジャー)の月の基本給は33万9,410円です。

一般の介護職員の28万7,880円と比較すれば高いように感じるかもしれませんが、事業所の設定している給料によってはケアマネジャーが負う責任の重さに見合わないと感じる人もいるかもしれません。

5. 書類が多く事務作業が大変な場合

ケアマネジャーの業務では、実際に介護を提供する仕事に比べると書類やパソコンに向き合わなければならない時間が格段に多くなります。

利用者と接することや介護が好きで介護職を選んだ方や事務作業が苦手な方にとっては、仕事をつらく感じてしまうことがあるかもしれません。

6. 担当業務の範囲が広い・覚えることが多すぎる場合

ケアマネジャーの仕事範囲は広く、介護保険サービス全般です。また、介護にも関連する障害福祉サービスや地域の福祉サービスなどについても、おおまかに知っておく必要があります。そのため、覚えることが多すぎることから、慣れるまでは負担に感じてしまうことがあるようです。

辞めたくなるほど悩んだときにはどうすればいい?

ケアマネジャーの仕事をしていて、辞めたいと思うほど悩んでしまったことはないでしょうか。思いつめて、ひとりで悩んでいてもなかなか解決できないでいると、体調を崩してしまうなどということもあるかもしれません。ここでは、辞めたくなるほど悩んでしまったときの対処法をご紹介します。

ケアマネジャーとして働くメリットを書き出してみる

はじめからケアマネジャーとして働き始めた人も、介護職をしながらケアマネジャーの資格を取ってケアマネジャーの仕事を始めたという人も、その仕事になんらかの魅力を感じてはじめたのではないでしょうか。

まずは、なぜ自分がケアマネジャーという仕事を選んだのか、ケアマネジャーの仕事の魅力やケアマネジャーとして働くメリットを書き出してみるとよいでしょう。この作業をおこなうことで、今の状況が自分自身の考えた状況とはなれているのか、それとも自分自身が目指していることへ向かうための大変さなのかに気づくことができます。

なぜ辞めたいと思っているのか、問題点を整理しよう

なにかきっかけがあって辞めたいと思ってしまうと、一時的に辞めたいという気持ちが高まり、辞めること自体が目標になってしまうことがあります。辞めたいと思う理由と同時に、直接の理由ではなくても仕事上の問題や人間関係の問題がないかを書き出してみるのがおすすめです。さらに、その問題が仕事を辞めることでどのように変化するのかを考えてみるとよいでしょう。

こうすることで、自分自身がなぜ辞めたいと思っているのか、なにが問題なのかを整理してクリアにすることができます。辞める以外の対処法が見えてくる場合もあれば、結局辞めることを選んだとしてもより冷静に対処することができるでしょう。

解決策を考えて職場や上司に相談・提案する

辞めたいと思う理由が職場の問題であった場合には、どうすれば働き続けることができるのかを考えてみましょう。問題点に対しての解決策があれば、職場の仲間や上司に相談したり、提案したりすることで解決できることもあります。その結果、業務の効率化を図ることができ、自分だけではなく、みんなが働きやすくなるかもしれません。

また、職場の異動などで解決すると思われる場合には、あきらめずに上司や人事担当者に相談し、メモを残しておくことが大切です。相談しておいたことが、辞めたあとに役立つこともあります。

経験を活かして条件の合う事業所・施設へ転職する

同じケアマネジャーといっても、居宅介護支援事業所では事業所の種類や規模、また事業所専属であるかによって、働く環境はかなり異なるのが特徴です。これまでケアマネジャーと介護職員を兼務していた場合やケアマネジャーがひとりで相談できなかったという場合には、複数のケアマネジャーがいる居宅介護支援事業所に転職することで解決する場合があります。

反対に、多くの事業所などとの関係や直接介護を提供する機会がないことにストレスを感じていたという場合には、施設や事業所専属のケアマネジャーに転職するとよいでしょう。給料の待遇面も事業所によって異なるため、転職情報サービスなどを利用して探してみることをおすすめします。

違う職種で働く|介護福祉士・看護師など資格を活かす

ケアマネジャーの多くは介護福祉士や看護師、基本となる資格や介護の現場の経験を持っている人がほとんどです。ケアマネジャーにこだわらず、ほかの職種として働き、介護の現場を見直してみるというのも視点が変わるため、よい方法でしょう。

自分に合った解決方法を見つけて悩みを解決しよう!

ケアマネジャーを辞めたいと思ってしまう理由として多いのは、あくまでも事業所にもよりますが、業務量の多さと責任の重さ、多様な人間関係への対応、事務的な仕事の割合が高いことなどが挙げられます。

もし、辞めたいと思ったら自分の気持ちや仕事の問題を整理して、周囲に相談してみることも大切です。それでも解決しない場合には、ほかの事業所に移ったり、ほかの介護の資格を活かせる職種で働いたりすることも選択のひとつになります。今回ご紹介した対処法を参考に、自分に合った解決方法を選んで、次に進んでみてはいかがでしょうか。

引用元:
厚生労働省 令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要

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