看護師国家試験の2021年合格率はどれくらい?|受験対策方法のおすすめを紹介
看護師を目指すにあたって、必ず乗り越えなければならないのが国家試験です。看護師という資格は、指定の学校で決められたカリキュラムを終了し、その後看護師国家試験に合格することで取得することができます。
しかし、国家試験に合格しないと看護師にはなれないので、合格するためには受験対策が必要です。ここでは、看護師国家試験の合格率や受験対策方法について解説していきます。
看護師国家試験の合格率はどれくらいなの?
そもそも看護師国家試験の合格率は、一体どれくらいなのでしょうか。ここでは、2021年2月に開催された第110回の試験の合格率をご紹介します。
2021年3月26日発表|第110回看護師国家試験の合格率は90.4%
看護師国家試験の気になる直近の合格率についてですが、厚生労働省によると2021年2月11日日(木)、12日(金)、14日(日)に実施された第110回では90.4%でした。
このことから、看護師国家試験は10人中9人が合格するという非常に高い結果となっています。また、新卒者に限った場合は95.4%と、こちらも高い合格率となっているようです。
過去の合格率は? 推移を紹介
では、過去の合格率はどうなのでしょうか。最新の2021年から2016年までさかのぼって、合格率の推移をご紹介します。
第110回(2021):受験者数66,124人、合格者数59,769人、合格率90.4%、うち新卒者合格率95.4%
第109回(2020):受験者数65,568人、合格者数58,513人、合格率89.2%、うち新卒者合格率94.7%
第108回(2019):受験者数63,603人、合格者数56,767人、合格率89.2%、うち新卒者合格率94.7%
第107回(2018):受験者数64,488人、合格者数58,682人、合格率91.0%、うち新卒者合格率96.3%
第106回(2017):受験者数62,534人、合格者数55,367人、合格率88.5%、うち新卒者合格率94.3%
第105回(2016):受験者数62,157人、合格者数55,585人、合格率89.4%、うち新卒者合格率94.9%
この推移をみていくと、やはり毎年90%前後の合格率であることがわかります。新卒者にいたってはいずれも94%以上の合格率をキープしているようです。
合格基準点はどれくらい?|必修問題は40点以上!
そもそも看護師国家試験の合格基準は、どのようになっているのでしょうか。試験の内容は、厚生労働省が提示している「看護師国家試験出題基準」にもとづいたものになります。問題は必修問題が50問、一般問題が130問、状況設定問題が60問の合計240問です。出題形式は4択、5択、さらに5択のうち2つを選択する問題、数字で解答する問題、資格素材などがあります。
厚生労働省では、この国家試験の合格基準を毎年ホームページで発表しています。というのも、合格のボーダーラインは毎年変更されるからです。2021年の合格基準は、必修問題で40点以上/50点、一般問題と状況設定問題で159点以上/250点を満たさなければいけなかったようです。
おすすめの受験対策方法を紹介!
ここまで看護師国家試験について説明しましたが、次は受験対策です。看護師国家試験は高い合格率だからといって、勉強を怠ってはいけません。しっかりした受験対策をしてこそ、合格することができるものです。ここでは、おすすめの受験対策方法を紹介します。
1. 試験問題を把握しよう
まずはどんな問題が出るか、試験科目問題を把握しておきましょう。このとき、出題基準のチェックも忘れずに。試験は、おもに「必修問題」「一般問題」「状況設定問題」の3種類にわかれています。試験科目は、以下のとおりです。
・人体の構造と機能
・疾病の成り立ちと回復の促進
・健康支援と社会保障制度
・基礎看護学
・成人看護学
・老年看護学
・小児看護学
・母性看護学
・精神看護学
・在宅看護論および看護の統合と実践
学校で学んだことでもあるので、要点を押さえて勉強するようにしましょう。
過去問や正答例は厚生労働省HPからダウンロードできる
看護師国家試験の過去問や正答例については、厚生労働省のホームページからダウンロードすることができます。受験勉強をする際に役立つので、ダウンロードしてみるのがおすすめです。
厚生労働省 第107回、第104回、第110回看護師国家試験の問題・正答はこちら
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp210416-03_04_05.html
必修問題
必修問題は全50問、計50点の配点です。このうち、正解率が80%未満、40点以下だと無条件で不合格となってしまいます。それだけ重要な問題になりますので、全問正解を目指して勉強しましょう。
ここでの内容は、看護の基本問題です。看護の社会的背景や職業理論、人体構造や解剖学、看護技術などがおもな内容になります。教科書をしっかり理解して、覚えておくようにしましょう。
一般問題
一般問題は全130問で、130点の配点と、問題のなかでもっとも大きな部分を占めています。おもな内容は、「基礎看護学」「成人看護学」「老年看護学」「小児看護学」「母性看護学」「精神看護学」「在宅看護学」で、このすべてが出題範囲に含まれているのが特徴です。
看護師に関わる法律の問題も出ていおり、健康支援と社会保障制度、基礎看護学、人体の構造と機能などについてのじゅうぶん理解しておかなければなりません。また、医療安全や災害看護、看護の国際化などを問われることもあり、「看護の統合と実践」の理解も重要なポイントです。
状況設定問題
最後に状況設定問題ですが、問題数は全60問で、各2点の配点です。状況を理解し、問題点と看護のポイントについて考える力を問うことが多くなっています。
暗記でできる問題とは異なるため、むずかしいかもしれませんが、基礎をきちんと理解していれば答えられる問題です。一般問題、状況設定問題合わせて70%以上正解できていれば、合格する可能性は高くなるでしょう。
2. 受験までの計画を立てよう
試験問題を把握したところで、次は受験までの勉強計画を立てましょう。覚える時間や方法には、人それぞれ個人差があります。また、大学と専門学校ではカリキュラムも異なるので一概に同じスケジュールとはいかないでしょう。つづいては、学習スケジュールの一例をご紹介します。
スケジュール例を紹介!
専門学生で、翌年2月に受験者する場合を例に説明します。まず、夏休み前より必修問題を徹底しておこないます。夏休み中には完璧に暗記できることを目指して、人体構造と機能、解剖学につて勉強しておきましょう。
夏休み後、実習も忙しくなるので、実習と併用しながら一般問題について学習します。実習内容と勉強していることが紐づけられるといいでしょう。
冬休み前後より、過去問をどんどん解いていきます。また、休みを利用して外部の国家試験対策講座や模擬試験に参加する方法もよいでしょう。
年明けには、ひたすら過去問を解きます。しっかり時間を決めて、取り組む練習をしましょう。また、苦手分野についてもこの時期までには克服しておくのがポイント。
残り2カ月は総仕上げです。新たな参考書を勉強するより、苦手分野や勉強した復習を頑張りましょう。
3. 過去問を利用する
過去問を利用して勉強するというのも、おすすめの方法のひとつです。過去の問題から、国家試験の出題傾向を把握できます。
『クエスチョン・バンク 看護師国家試験問題解説2022』
過去問自体はダウンロードできますが、本だと解説付きが多いので、わからないところや確認したいときなどに助かります。
この本では、過去10年分の出題内容を確認することが可能。さらに、イラストや図表なども掲載されているので理解もしやすいでしょう。
4. 模擬試験を受験してみよう
チャンスがあるのならば、模擬試験を受けてみるのもよいでしょう。模擬試験を受けることで、問題を解く時間の配分や当日の雰囲気、苦手分野や得意分野など試験さながらにみえてくるはずです。
なにより、受験日当日と同じ感覚で模擬試験を受けることで、受験の練習になります。緊張せず挑むことができるようになるため、模擬試験があれば受験をおすすめします。
キャリタス看護|全国統一看護師国家試験WEB模試
模擬試験のひとつとして、WEBやスマホからでもできるWEB模試もあります。会員登録をすれば、誰でも無料で受験することが可能です。
第1回、2回は終了しましたが、第3回は2021年9月1日(水)~9月14日(火)、第4回は2021年11月4日(木)~11月17日(水)、第5回は2022年1月12日(水)~1月25日(火)とまだ機会があるので、利用してみてはいかがでしょうか。
看護師国家試験の合格率は約9割!
看護師国家試験の合格率は約90%と、国家試験のなかでも高い合格率となっています。試験は落とすためのものではなく、あくまでそれまで学校や養成施設などで習った基礎知識の確認のためのものです。
事前に受験対策をしっかりおこなうことで、国家資格の合格も夢ではありません。それぞれ受験勉強は異なるかもしれませんが、要点を押さえて、自分に合った受験対策方法を選んで合格を目指しましょう。
引用元:
厚生労働省 第107回保健師国家試験、第104回助産師国家試験及び第110回看護師国家試験の合格発表
厚生労働省 第106回保健師国家試験、第103回助産師国家試験及び第109回看護師国家試験の合格発表
厚生労働省 保健師助産師看護師国家試験の現状について
厚生労働省 看護師国家試験の施行