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特集・コラム 2021-10-25

理学療法士の勉強会とは? 参加するメリットを紹介|勉強会はどこで探す?

病院やリハビリテーション施設で働く理学療法士のなかには、日々さまざまな臨床例に対応するためにはつねに学び続ける必要があると考えている人も多いのではないでしょうか。

勤務先や所属する団体などが開催する研修会やセミナーに参加することも勉強方法のひとつですが、さらにステップアップして興味のある分野の勉強会に自主的に参加したいという人もいるでしょう。

今回は、理学療法士向けの勉強会の内容や参加するメリット、勉強会の探し方などをご紹介します。

理学療法士の勉強会とは?

理学療法士は、医療の進歩などに合わせて、つねにスキルアップを必要とされる専門職です。ここでは、理学療法士の勉強会とはどういうものなのかをご紹介します。

リハビリテーションの知識や技術を学ぶ

理学療法士の勉強会には、大きくわけて2つがあります。まずは、知識や技術力を補うためのものです。代表的なものには、日本理学療法士協会や各都道府県の理学療法士学会が主催する会員向けの勉強会が挙げられます。

知識や技術力といった「学術的な勉強会」のおもな目的は、理学療法士自身のスキルアップです。とくに実務経験が浅い新人の時期には、積極的に勉強会や講習会に参加し、理学療法士としての土台を作ることが重要となります。

新人理学療法士がまず直面する課題は、「専門性」の問題でしょう。教育課程で基礎を身につけたと思っていても、就職先が病院なのか介護やスポーツなどの専門施設なのかによっても求められるスキルが異なります。

経験を積んだ理学療法士にとっても、日々変化する臨床現場や医療の進歩に対応するためにスキルの更新が欠かせません。勤務先で勉強会や講習会などがおこなわれていることもありますが、その機会がない場合には、自主的に勉強会を探して受講する必要があるでしょう。

個人のスキルアップを目指す勉強会とは別に、「社会的な事業」としておこなわれる勉強会もあります。「災害支援活動に関する勉強会」などといった公益活動の要素が強いものから、地域の住民を対象にした健康レクリエーションやリハビリテーション講座などです。後者の場合、理学療法士は講師の立場から活動に参加することも多いでしょう。

なかには、地域のマラソン大会や少年スポーツなど、スポーツイベントに関連した事業にともなった勉強会が開かれているケースもあります。

理学療法士の勉強会に参加するメリットとは?

理学療法士の勉強会に参加する人の多くは、自らの意思で参加を決意している傾向にあります。ところで、理学療法士が勉強会に参加するメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。

1. 知識や技術を学べる・仕事への理解が深まる

勉強会では知識や技術を学べることはもちろんですが、学びの過程で理学療法士の役割や意義を深く知っていくうちに、より自分の仕事への理解を深めることができるでしょう。

また、今さら人に聞けないようなことも講師に質問できたり、これまで何気なくやってきた内容でも、ほかに効率的・効果的な方法があることを知ったりするといったメリットもあります。これまでの自分では知らなかった・できなかったことが解決されることで、やる気ややりがいのアップにもつながるでしょう。

2. 幅広い業務に対応できるようになる

理学療法士の役割は、医師の指示のもとで運動機能が低下した人に対し、ストレッチや筋肉トレーニングをおこないながら「基礎的な運動能力の改善」をサポートすることです。病気やけがの治療自体はできませんが、近年では理学療法士がもつ役割の特性を活かして、地域社会や地域スポーツと連携していくことに期待が高まっています。

少子高齢化である現代社会では、個人個人がいかに健康的に暮らし続けていくことができるのかが大切です。そのために、理学療法士のような専門職が住民の健康増進・介護予防を支援する仕組みづくりが進められています。

理学療法士の地域スポーツへの参入も、すでに多くの自治体で検討・実施が進められているところです。今後は「理学療法士=後遺症のリハビリ」ということにとどまらず、生涯スポーツを含めた地域での活動が増えることが予想されます。このことから、勉強会などでこれまでの専門分野以外の幅広い業務に対応できる力を身につけておくと、求められたときにいつでも対応できるようになるでしょう。

3. 自分の知識や技術を共有できる

勉強会には、たくさんの人が参加しています。病院でリハビリを担当している人、少年スポーツチームの支援をしている人、地域の健康講座の講師など、参加者の立場や専門分野もさまざまです。

勉強会の内容によっては、グループを作って実技訓練をしたり、ディスカッションがおこなわれたりすることもあるでしょう。講習会のようなスタイルであっても、近くに座る人たちと話す機会もあるかもしれません。そういった場合には、積極的に周囲の人と会話をしてみるのがおすすめです。

自分の知識や技術をほかの人に共有することで、各現場で役立ててもらえる可能性もあるでしょう。人と知識や技術を共有することは、独学では得られない、グループ学習ならではのメリットです。

勉強会はどこで探せるの?

理学療法士の勉強会の探し方としては、インターネットを利用するのがおすすめです。日本理学療法士協会や各都道府県の理学療法士会のホームページには、多くの勉強会の情報が掲載されています。

日本理学療法士協会|講習会・研修会

日本理学療法士協会は、理学療法士が会員となって構成されている職能団体です。理学療法に関する啓発活動や理学療法士のスキルの向上・利益を守るための社会的活動などをおこなっています。

こちらでは理学療法士の生涯学習を支援するため、さまざまな講習会・研修会を実施。協会が主催するプログラムを受講することで、認定理学療法士や専門理学療法士などの資格を取ることも可能です。

各種勉強会は、日本理学療法士協会のホームページから申し込めます。月に相当数のセミナーや研修会を提供しており、内容もスキルアップだけでなく企業支援やこれからの働き方など多種多様です。

eラーニングで学べるコンテンツもある

日本理学療法士協会では、会員のさまざまなライフスタイルに合わせた学習環境を提供するために、一般的な勉強会のほかに全国どこからでもオンラインで受講可能なeラーニングコンテンツを用意しています。
新型コロナウイルスの流行によって参加予定だった勉強会が中止・延期になった人も、eラーニングを利用して継続的な学習の機会をつくることが可能です。

内容も、介護予防推進リーダー/地域ケア会議推進リーダーや認定必須研修会など、充実しています。

理学療法士が身につけるべき医療倫理と医療安全

一例として、「理学療法士が身につけるべき医療倫理と医療安全」について見てみましょう。こちらでは、理学療法士として活動するうえで基礎となる「医療倫理」と「医療安全」について、2,200円で学ぶことができます。

内容は、「倫理」「生命倫理」「医療倫理」「医療安全・患者安全」「医療事故の責任」「医療事故の保険」の6つです。

自治体の理学療法士協会のページもチェックしてみよう

日本理学療法士協会のほかにも、各自治体の理学療法士協会でも勉強会や講演会などをおこなっています。自分の自治体の理学療法士協会のページであれば、地元の講習会や日本理学療法士協会で取り上げられていない地元密着の勉強会の情報まで把握することができるでしょう。

参加しやすく、地域の実情に合ったテーマが多いのも特徴ですので、定期的にチェックすることをおすすめします。

気になる勉強会に参加して知識や技術を深めよう!

日々臨床現場で活躍する理学療法士には、勉強会に参加することでより幅広い知識と広い視点を持ち、スキルアップすることが求められます。とくに経験がまだ浅い人は、積極的にセミナーや講習会などに参加し基盤を強化することが大切です。

理学療法士の活躍の場は医療の現場にとどまらず、地域社会やスポーツなどとの関わりが推進されており、今後さらに活躍の幅が広がることが予想されます。今のうちから勉強会に参加し、知識や技術を深めるだけでなく、さまざまな分野で活躍する理学療法士たちと知り合い、意見を交換しておくのも手でしょう。これまで一歩踏み出せずにいた人も、気になる勉強会を見つけたらぜひ参加してみてくださいね。

引用元:
日本理学療法士協会 中級障がい者スポーツ指導員養成講習会
【日本理学療法士協会 リンパ浮腫複合的治療料 実技研修会
日本理学療法士協会 講習会・研修会
日本理学療法士協会 講習会・研修会 e-ラーニング
日本理学療法士協会  2021年度 e-ラーニング実施コンテンツ一覧
東京都理学療法士協会
神奈川県理学療法士協会

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