スポーツトレーナーの仕事内容とは? 目指せる方法と活躍の場を紹介
スポーツトレーナーは、スポーツジムやフィットネスセンター、プロスポーツ選手が所属するチームなどで幅広く活躍できる仕事です。しかし、スポーツトレーナーの具体的な仕事内容について、よくわからないという方も多いのではないでしょうか。
今回は、スポーツトレーナーの仕事内容やスポーツトレーナーになるための方法、活躍できる場所、向いている人の特徴、おすすめの資格についてご紹介します。
トレーニングに取り組む方やスポーツ選手をサポートするスポーツトレーナーの仕事について知って、自分自身のキャリア選択に活かしてみましょう。
- スポーツトレーナーの仕事内容を種類別に紹介!
- スポーツトレーナーになるにはどうすればいいの?
- スポーツトレーナーの活躍の場は?
- スポーツトレーナーに向いているのはどんな人?
- スポーツトレーナーを目指す人におすすめの学校と民間資格を紹介!
- 取得を目指そう! おすすめの民間資格を紹介
- 日本スポーツ協会|アスレティックトレーナー
- ジャパン・アスレチック・トレーナーズ協会|認定アスレチック・トレーナー:JATAC-ATC
- NATA|公認アスレティックトレーナー
- 全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会|NESTA-PFT
- NSCAジャパン|CSCS・NSCA-CPT
- スポーツトレーナーは選手のパフォーマンスを支えるお仕事!
スポーツトレーナーの仕事内容を種類別に紹介!
スポーツトレーナーとは、プロのアスリートや実業団の選手をターゲットとして、トレーニング指導、メンテナンス、健康管理をする専門職です。
選手にとってベストなコンディションで試合や大会に臨むために、トレーニングだけでなく、ケガのリハビリ、心身のケア、食事管理まで総合的におこないます。
柔道整復師などの医療系の国家資格を保有していると、業務の幅を広げることも可能です。
なお、「スポーツインストラクター」と混同されがちですが、技術や知識を実演するインストラクターとは内容が大きく変わります。
スポーツトレーナーはさまざまな働き方の総称です。業務内容や専門性によっては「スポーツトレーナー」以外の名称が使用される場合もあります。
1. アスレティックトレーナー
アスリートに帯同してスポーツ中の怪我に対応したり、予防策や再発防止策を講じたりするスポーツインストラクターです。
また、アスリートの健康管理やテーピング、ストレッチなどもおこないます。
スポーツトレーナーの中でも知名度が高く、アスレティックトレーナーとしての知識やスキルを認証するための資格も数多くあるのが特徴です。
2. コンディショニングトレーナー
身体のコンディションの維持・向上させ、対象者のコンディションが整うようにサポートするスポーツトレーナーです。大事な試合のタイミングに合わせてベストなコンディションを達成できるようなストレッチや筋トレ、疲れをとるための方法を指導します。
3. メディカルトレーナー
整形外科などの医療施設で医師・理学療法士・作業療法士などの専門職と協力しながら、身体機能・運動機能の回復と復帰に向けたサポートをおこなうスポーツトレーナーです。
日常生活の運動指導や食事指導などもおこないます。医療機関で働くのでプロのスポーツ選手だけでなく、一般人に対しての指導にも対応する点が特徴です。
4. ストレングストレーナー
プロのスポーツ選手などの運動能力やパフォーマンス力を向上させるためのトレーニングメニューやプログラム全体の作成をおこない、指導にも携わるスポーツトレーナーです。
身体能力の強化を可能にする指導をおこなうために、栄養学・解剖学・生理学に関する幅広い知識を学び、経験を積んでいく必要があります。
5. フィットネストレーナー
主にフィットネスセンターやスポーツジムで、利用者1人ひとりのニーズに合わせた最適なトレーニングメニューの作成・提案・指導を行うスポーツトレーナーです。トレーニングマシンの清掃や点検、スタジオレッスン、施設内の清掃などの業務も含まれます。
スポーツトレーナーになるにはどうすればいいの?
学校に入ったり、独学で勉強して資格を取得したりなど、スポーツトレーナーを目指す方法はさまざまです。ここでは、実際にスポーツトレーナーになるのに効果的な専門学校や資格取得についてご紹介します。
絶対に必要な資格はなし|資格があれば就職などでは有利
スポーツトレーナーの歴史が長い米国では、スポーツトレーナーとして就職するためには必ず国家資格が必要です。しかし、日本では最近注目を浴びてはいるものの、米国に比べて歴史も短く、国家資格にあたるものはありません。
ただし、プロのアスリートや実業団の選手のトレーニング指導、メンテナンス、健康管理をおこなう仕事なので、多くの専門的知識や技術が求められます。これらを保持していることを証明する民間資格を取得しておけば、就職をする際にも有利になるでしょう。
どこで学べるの?|専門学校などで知識を身につけよう
スポーツトレーナーを目指すなら、専門のコースを設けている専門学校や大学で知識や技術を学ぶのがおすすめです。関連する民間資格を取得できるコースを用意している学校も、数多く存在します。
アスレティックトレーナーやメディカルトレーナーは、医師や理学療法士・柔道整復師・鍼灸師と協力して仕事を進めるため、同様の資格を持っておけば有益でしょう。
ただし、これらの国家資格は取得に時間がかかりますので、まずはスポーツトレーナーの民間資格を取得したあとで、じっくり取り組むのが現実的です。同時進行で取得できるコースを設けている学校も存在しますので、幅広く検討してみるとよいでしょう。
スポーツトレーナーの活躍の場は?
スポーツトレーナーは、プロのスポーツ選手とチームや個人で契約する以外に、スポーツジムやフィットネスクラブ、学校や医療機関で働く方法もあります。
ここでは、スポーツトレーナーとしての働き方・活躍の場についてチェックしましょう。
1. プロチームと契約
プロチームと契約して選手たちに帯同する働き方があります。勤務スケジュールはチームメンバーが試合をおこなう日程によることが多く、チームによっては土日勤務が入ってしまうこともあるでしょう。プロ選手をサポートするやりがいのある仕事です。
2. プロ選手と個人契約
ゴルフ・テニス・陸上といった個人競技のプロ選手と個人契約を結んで、マンツーマンのトレーニングを行う働き方もあります。長距離市民マラソンなどに出場する、一般人に対応する機会もあるでしょう。1対1で指導するので選手との相性が重要です。
3. スポーツジム・フィットネスクラブ
スポーツジムやフィットネスセンターでアルバイトや派遣、正社員として働く道もあります。企業によっては研修制度を利用でき、未経験からスタートしてスポーツインストラクターとしてのキャリアを歩めるような職場もあるでしょう。
4. 地域・学校のスポーツクラブ
学校の部活動や地域のスポーツクラブと契約を結んで指導をおこなっていく働き方です。契約方法は、個人契約や所属する派遣会社から派遣される場合などさまざまです。
他の働き方と比較すると報酬額は低めなので、複数のクラブを兼任したり、副業で働いたりなど、他の仕事を兼任するパターンも多い働き方だといえるでしょう。
5. 医療機関・整骨院など
医療資格を保有している方で、病院・整骨院・鍼灸院などで勤務しながら、医学的な知見を活かしてスポーツトレーナーとして活躍する方も多いです。またそうした方の中には、副業でスポーツトレーナーとして働いている方も多いといわれています。
スポーツトレーナーに向いているのはどんな人?
スポーツトレーナーに向いている人の特徴として、他人と会話するのが好きな人やスポーツが好きな人、観察能力に長けている人などが挙げられます。
1. コミュニケーション能力が高い
スポーツトレーナーは会話や言語外のコミュニケーションを通じて、対象者にとってベストなトレーニングプログラムを考え、指導していく仕事です。相手の言動からとるべき行動を察知して、それを的確に言語化できるような方に向いています。
2. スポーツに対する情熱がある
スポーツやトレーニングに対して情熱があり、最新情報や未知の情報をみずから進んで探求し、対象者に対して還元できる人がスポーツトレーナーに向いています。スポーツが好きで、その気持ちを誰かに還元したいという方におすすめの職業です。
3. 観察力・洞察力がある
スポーツトレーナーにとって大切なのは、日々の些細な変化や成長を感じとり、トレーニング内容を調整して、ベストなコンディションの維持をサポートすることです。
観察力や洞察力があり、トレーニングプランを柔軟に作成できる方に向いています。
スポーツトレーナーを目指す人におすすめの学校と民間資格を紹介!
スポーツトレーナーを目指すなら、専門学校で勉強するのがおすすめです。関連するいろいろな資格取得をサポートしてくれるところもあります。
スポーツトレーナーを目指せる専門学校の一例を紹介
日本には、スポーツトレーナー関連の専門知識と技術を学べる学校がたくさんあります。このうち、優秀なスポーツトレーナーを輩出している専門学校をご紹介しますので、参考にしてみてはいかがでしょうか。
東京リゾート&スポーツ専門学校|スポーツトレーナー科
こちらの専門学校では、初年度はトレーナーに共通な基礎知識と技術を学び、2年度からはアスレティックトレーナー・メディカルトレーナー・パーソナルトレーナー・ボディメイクトレーナー・栄養トレーナーコースからより専門的な内容を学びます。
豊富な現場プログラムが充実しており、94.5%という就職率をほこっています。
引用元
東京リゾート&スポーツ専門学校:スポーツトレーナー科
東京工学院専門学校|スポーツビジネス科 スポーツトレーナーコース
本格的なトレーニング機器のあるジムを学内に完備している専門学校です。学内で本格的な実習を受けられます。
提携先の米ミシガン州のホープ大学で、アスレティックトレーナーの研修を受けたり、インテル・ミラノでサッカーマネジメントやマーケティング、ビジネスモデルなどをコーチから直に教わったりできる機会もあります。
横浜YMCAスポーツ専門学校|スポーツトレーナー科 スポーツトレーナーコース
NESTA・NSCA公認パーソナルトレーナー受験資格を得られる実践的なカリキュラムを用意している専門学校です。実習先もプロ・社会人スポーツチームだけでなく、接骨院・整体院、病院と幅広く、多くの経験を積むことができます。
引用元
横浜YMCAスポーツ専門学校:スポーツトレーナー科 スポーツトレーナーコース
名古屋医健スポーツ専門学校|スポーツ科学科 スポーツトレーナーコース
アスレティックトレーナー専攻・パーソナルトレーナー専攻・チャイルドスポーツ専攻がある専門学校です。アスリートや一般の大人から子どもまで対応できます。
取得可能な資格も多く、アメリカ・フィンランド・スイスなどで海外実学研修も受けられます。
引用元
名古屋医健スポーツ専門学校:スポーツ科学科 スポーツトレーナーコース
名古屋医健スポーツ専門学校:海外で学ぶ
大阪社体スポーツ専門学校|スポーツトレーナーコース
創立40年の歴史があり、就職においても先輩方のサポートを受けられる専門学校です。希望先進路の就職率98.4%という実績があります。
パーソナルトレーナー専攻のほか、スポーツ選手を養成する野球トレーナー専攻やサッカートレーナー専攻なども用意されています。
履正社医療スポーツ専門学校|トレーナー学科
アスレティックトレーナーやライフ・フィットネストレーナーコースだけでなく、野球・バスケットボール・ソフトテニス/テニス・サッカー専攻、ダブルラーニング制度でメディカルアスリート専攻や競技&アスレティック専攻なども履修できます。
校内にフィットネスジム・スタジオ・プールが併設されています。
引用元
履正社医療スポーツ専門学校:トレーナー学科
履正社医療スポーツ専門学校:アスレティックトレーナーコース
取得を目指そう! おすすめの民間資格を紹介
実際にスポーツトレーナーになるために役立つ民間資格には、学校を卒業する必要があるものと独学でも学べるものがあります。代表的なものをいくつか確認しておきましょう。
日本スポーツ協会|アスレティックトレーナー
日本スポーツ協会は、スポーツ関係の資格を発行している公益財団法人です。アスレティックトレーナー資格としては、日本では一番有名な資格だといえます。
受講する年の4月1日現在、満20歳以上の者で、JSPO、JSPO加盟団体、及びJSPOが特に認める国内統轄競技団体から推薦され、受講者選考基準を満たす者が受験できます。
引用元
ジャパン・アスレチック・トレーナーズ協会:認定アスレチック・トレーナー
ジャパン・アスレチック・トレーナーズ協会|認定アスレチック・トレーナー:JATAC-ATC
ジャパン・アスレチック・トレーナーズ協会は、スポーツ外傷・障害予防の立場からスポーツの発展に寄与しているNPOです。
この認定対象者は、以下のどれかを満たす必要があります。
・医療系国家資格があり、スポーツ科学分野の単位を取得した者
・2年制以上の専門学校、大学、大学院でスポーツ科学系のコースを卒業し、臨床医学系やスポーツ科学分野の単位を所得した者
資格そのものは、研修会や通信教育で取得することが可能です。
引用元
ジャパン・アスレチック・トレーナーズ協会:認定アスレチック・トレーナー:JATAC-ATC
NATA|公認アスレティックトレーナー
米国で、アスレティックトレーナーとして働くために必須の准医療従事者として認定された米国国家資格です。取得するには、米国NATA 認定の大学、大学院を卒業したあと、資格認定委員会の試験に合格しなければなりません。
米国への留学が必要なため、難易度が高いですが、就職には非常に有利に働くでしょう。
全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会|NESTA-PFT
NESTA(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会)認定資格です。日本でも認知度が高く、資格も国内で取得できます。試験の受験要件は以下のとおりです。
・NESTA JAPANなどからテキストを購入済み
・CPR・AEDの技能に関して定期的なトレーニングを積んでいる
・日本国籍、または日本での就労可能な在留資格を有する者
・満18歳以上の高卒あるいはそれに準ずる資格保有者か、NESTAが認定する教育カリキュラム修了者
・パーソナルトレーナーなどの実務経験か、体育系か医療系の大学・専門学校卒業、あるいはNESTAの認定する養成講座、養成コース受講済み
事前講習・認定試験を受けて合格すれば、認定されます。
引用元
全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会|NESTA PFT認定
NSCAジャパン|CSCS・NSCA-CPT
NSCAーCPT(日本ストレングス&コンディショニング協会)認定資格です。試験の受験要件は、以下のとおりです。
・NSCAジャパン会員
・満18歳以上の高卒あるいはそれに準ずる資格保有者
・有効なCPR/AEDの認定者
試験はテストセンターのパソコンで受験し、合格すれば認定されます。
スポーツトレーナーは選手のパフォーマンスを支えるお仕事!
スポーツトレーナーは、トレーニング指導、ケガのリハビリ、心身のケア、食事管理までおこなうことで、選手の能力を最大限に引き出し、パフォーマンスを支える仕事です。
医療系に近い職種から、肉体の能力を最大限に引き出す職種までいろいろなものがあり、資格を取っておくことで、就職や実際の現場でも役立つでしょう。
自分の興味や適性を考えつつ、自分にあったやり方でぜひスポーツトレーナーを目指してくださいね。