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ヘルスケア 2022-01-23

コツコツ積み重ねた技術で医療オリンピック2冠達成!【もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事 Vol.49 柔道整復師 安達大恭さん #1】

ヘルスケア業界のさまざまな職業にフォーカスして、その道で働くプロにお仕事の魅力や経験談を語っていただく連載『もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事』。

今回は、2021年医療オリンピックC-1特別大会で「刺鍼王」と「矯正王」の2冠を達成した、ジェッツ西船整骨院の院長 安達大恭さんにご登場いただきました。

前編では、安達さんのこれまでの道のりと、医療オリンピックで出場の経緯と反響、現在の働き方についてお聞きします。

お話を伺ったのは…
柔道整復師・はり師・灸師 安達大恭さん

ジェッツ西船整骨院 院長。高校卒業後、専門学校にて柔道整復師、鍼灸師の資格を取得。2012年、株式会社シー・エム・シーに入社。1年目に最優秀新人賞、2年目に最優秀メインセラピスト賞を獲得し、2016年「ジェッツ西船整骨院」院長に。グループ内教育部門で講師も担当している。

「人の役に立てる」仕事として選んだ柔道整復師

柔道整復師歴10年目の安達さん。
入社から4年で重要店舗の院長になったそう

──まずは安達さんがヘルスケア業界に入ったきっかけを教えてください

高校卒業にあたって進路を決めるなかで、自分のやりたいことは何だろうと考えたときに「人の役に立っていると実感できる仕事がしたい」と思いました。親族に医療関係者が多かったので、人の役に立つことで生計を立てていくことに、すごく魅力を感じたんですよね。それで、専門学校が家に近かったこともあり、まずは柔整師の学校に進学することにしたんです。

その後、柔整科在学中に腰を痛めた際に鍼を体験し、その即効性に感動したことで鍼灸の資格も取得することにしました。だから専門学校は柔整3年、鍼灸3年の計6年通いました。

──卒業後すぐ、株式会社シー・エム・シーに入社されたんですか?

はい。入社を決めたのは、整骨院グループのなかでも一番しっかりしていると感じたからでした。整骨院というものが特殊な業種だということはわかっていたので、できるだけ整った組織の中で、きちんとした社会人になっていきたいという気持ちがあったんです。

──入社後はどんなかたちで実績を重ねていったのでしょうか?

シー・エム・シーはカレッジという勉強会システムがすごくしっかりしているんです。グレードが1~6段階に分かれており、それぞれのレベルに合わせて科目数がいくつか決まっています。スタッフは希望した科目を、診療時間外に講師のいる院に教わりに行き、年3回の社内試験を受けてグレードアップを目指すんです。

院長になるためには、このグレードまで取らないといけないというボーダーラインがあるので、まずはそこまで早くいこうと思って。入社してから数年は昼休みや診療後の時間に、かなり集中して取り組んでいました。

普段からの積み重ねで獲得した医療オリンピック2冠

安達さんは入社以降、社内でも多くの賞を受賞していました

──入社から4年で、会社として重要な拠点となる店舗の院長に。
その翌年2017年、2018年と医療オリンピックC-1関東大会に出場されています。
社外のコンテストに出ようと思ったきっかけは?

すごく緊張するタイプだし自信もなかったので、たくさんの人の前に出るのは嫌だなと思っていたんです。でもだんだん「自分には今どのくらいの力があるのか」というのを、確認したくなったんですよね。それで外の人に評価してもらえる大会に出場し始めたんです。

──2017年には矯正王の部、2018年には刺鍼王の部、
2021年の特別大会では矯正王&刺鍼王の部で優勝されました。
2冠を取れた理由は何だと思いますか?

大会のための練習というのは、大会の直前に流れを確認する程度でした。だから普段の診療で患者さんに鍼を打つことや体を改善するというところが、いいかたちで出せたのかなと思います。普段から正確さと速さという点は意識していますから。

あとは本番であまり緊張せずリラックスして取り組めたのもよかったと思います。今回は会場が縮小気味で観覧者が少なめだったので、緊張しやすい僕としては嬉しかったです(笑)。

優勝後、取材の機会をいただけたり、それを見聞きした患者さんも何人か来院いただけたので、出場してよかったなと思います。

教育部の講師業と並行しながら院を運営

院長として勤務する傍ら、新入社員研修など
教育部としての講師活動も

──現在の働き方を教えてください。

今は1日40人前後の方の診療に当たっています。直接手で触れて診療に当たるのは、1人につき15~20分ほど。だから診療時間内に他の作業をするのは難しいので、院運営以外の仕事は休憩時間内や診療後にすることが多いです。

──院運営以外のお仕事というと?

僕は教育部での講師やユニットマネージャーなどもしているので、カレッジで使う資料作りや講義などです。講義は最低でも月4回は行っています。そこに向けての資料などを、ふだんからこまめに作っているんです。

──来院される患者さんは、どんな人が多いですか?

世代として多いのは、30~50代の働き盛りの方。症状としては、腰痛がもっとも多く、次に首や股関節、膝、足首などを痛めている方が多いです。

整骨院なのでケガに対する施術と、機能改善のための施術を行っていますが、どちらかというと機能改善を目的とした方が多い印象。傷めたのはケガがきっかけだけど、来院のタイミングでは機能低下の段階になっている感じですね。

患者さんのニーズに合わせて、鍼治療や整体術、筋膜リリースなどを組み合わせて施術に当たっています。また痛み改善後のアフターケアにも力を入れているので、ご自宅でのセルフケアやエクササイズ指導なども行っています。
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社内の教育システムを活用しながら技術を高め、しっかりと実績を積み重ねた安達さんは、外部の大会で2冠という偉業を達成しました。確かな実力を手にするためには、ふだんからの小さな積み重ねが大切なんですね。次回は、安達さんが柔道整復師のお仕事に感じるやりがいや大変さ、柔道整復師を目指す人へのアドバイスをお聞きします。

取材・文/山本二季
撮影/米玉利朋子(G.P.FLAG)

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Information

ジェッツ西船整骨院
住所:千葉県船橋市西船4-24-11
電話:047-437-3510

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