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ヘルスケア 2022-02-17

解消されない痛みに悩み、「自分で治そう」とヘルスケアの道へ【もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事 Vol.51 格闘家整体師 nobu先生 #1】

ヘルスケア業界のさまざまな職業にフォーカスして、その道で働くプロにお仕事の魅力や経験談を語っていただく連載『もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事』。

今回は「格闘家整体師」としてTikTokやYouTubeで人気急上昇中のnobu先生にインタビュー。2020年6月にスタートしたTikTokは、半年でフォロワー数10万人を超え、現在では25万人以上に。

前編では、そんなnobu先生のこれまでの道のりと、現在の働き方についてお聞きします。

お話をうかがったのは…

格闘家整体師 nobu先生

鍼灸師/柔道整復師の資格を持ち、整骨院や整形外科で3万人以上の施術を経験。現在は、格闘家やトップアスリートから90歳以上の高齢者まで幅広く施術。一般社団法人 日本身体運動科学研究所の理事として、『関節トレーニング』の技術を広めるため、多くのセルフケアテクニックをSNSで公開している。
Instagram/@nobu.639
Tik Tok/セルフケア教室nobu先生@nobu639

相撲での怪我の後遺症に悩み、治療法探しの旅がスタート

鍼灸師、柔整師の資格を持つnobu先生。
現在に至るまでに、多くの経験を積んできたそう

──nobu先生はSNSを中心に活動されていますが、始められたのは2020年からだそうですね。

そうですね。最初に「nobu先生」としてSNSの投稿を始めたのはTikTokで、2020年7月からです。その後、InstagramやYouTubeもアカウントを解説しました。全部40代になってからのことですね。

──SNSでの発信以外にも活動されていますよね。

現在は店舗での施術が週1~2回、高齢者介護施設でのリハビリや施術が週に半日ほど。その他の活動としては、都内のさまざまな店舗や、大阪、福岡、名古屋などに行って、講師として技術指導をしています。SNSもそうですが、技術を教える仕事が多いですね。いわゆるフリーランスです。

──では現在に至るまでのお話をお聞きします。ヘルスケア業界に入られたきっかけは?

僕はずっと相撲をしていたんですが、怪我が多くて体がボロボロになり引退したんです。それで社会人になり、趣味でスキーモーグルとかもしたんですが、体がボロボロのままだから思うように動けなかったんですよね。

なんとか良くしたいと思って、いろんな治療院に行きました。でも全然治らなくて…。「自分でなんとかしよう」と思って、鍼灸の学校に行き始めたんです。

──最初に鍼灸を選ばれたのは何故ですか?

ずっとスポーツをしていたので、体のことを学ぶならスポーツ系の仕事に携わろうかなと思ったんですよね。それで調べたところ、鍼灸の方がスポーツ系の仕事に行きやすいと知りました。

でもその後いろいろな意見を聞いて、柔整の技術もあったほうが良さそうだなと思って、柔整師の資格も取ることにしました。

関節トレーニングに出会い痛みが改善!普及に努めるように

さまざまな整骨院や整体で解消できなかった痛みを
改善できた「関節トレーニング」との出会いが転機に

──卒業後は?

神戸で接骨院を開業しました。でも保険診療に頼るのが嫌で、1年で見切りをつけました。保険診療は、いつどうなるかわからない不安が大きかったんですよね。だからその不安を取り除くにはどうしたらいいか考えて、自費診療ができる技術と経験を手に入れようと思いました。そこで運よく東京の有名整骨院の面接に受かったので、一念発起して上京することにしたんです。

その整骨院でも1年ほど働きました。一日100人以上来院する有名店だったので、1年とは言えかなりの経験を積めましたね。その後は有名整体師が運営しているデイサービスの管理責任者に転職。そこでは要介護や要支援のご高齢の方たち、いわゆる重度のお悩みへの施術をメインに経験しました。

──いろんな経験を積んできたんですね。

そうですね。いろんな技術を積み重ねられたんですが、すごく悩んだ時期でもありました。その時点でも僕の体は改善されていなかったし、お客さんにも継続的な結果が出せていないと感じていたんです。自分もお客さんも、施術してすぐはちょっと良くなるけど、すぐに痛みが戻ってしまうのを繰り返していて、それが自分の中ですごくイヤでした。なぜ痛みが戻ってしまうのか、それをずっと模索している状態でしたね。

──転機になったのは?

日本身体運動科学研究所の関節トレーニングに出会ったことです。現在僕が広めているトレーニングがそう。この関節トレーニングを取り入れてから、悩み続けた自分の体が変わっていきました。それで「これを広めたい!」と思ったんですよね。それからは関節トレーニング開発者の方と組んで活動をしています。

──講習などの教える活動がメインになったのは、いつごろからですか?

5年ほど前ですかね。当時は店舗での施術もしていました。この業界って、体を悪くしている人が多いじゃないですか。そういった方たちが、めぐりめぐって僕のところに来るようになって、施術を受けると「うちの店でもやってくれないか」と言われるようになり、いつの間にか曜日ごとに違う店舗で施術するようになっていたんです。そこからフリーランスというかたちで働くようになりました。

その結果、技術を教えて欲しいという声もたくさんもらうようになって。そんな活動の一環として、SNSもスタートしたんです。

フリーランスとしてSNSでの発信、講習会を中心に活動中

毎日の投稿にくわえ、技術講習や
セルフケア講座で各地を飛び回っています

──現在、活動の中心はSNSでのセルフケアの発信かと思います。現在の働き方を教えてください。

日によって活動内容はバラバラです。店舗に入る日は週1~2回9:00~20:00にまとめています。決めていることと言ったら、YouTubeとInstagramを毎日投稿することくらいですね。

作業の合間にSNSのDMやコメントに返信したりもします。TikTokの投稿は週3回。

YouTubeの投稿は毎日18時と決めています。僕のチャンネルの場合は、視聴率のピークが22時なので、18時に投稿するとちょうどいいんです。投稿したらインプレッションクリック率をチェックして、クリック率が悪ければサムネイルを変更したり。だから18~22時は勝負所ですね。
──大変そうですね…!

そうですね。区切りをつけるのが難しいので、22時までと決めています。遅くまで作業するのもイヤだから23時くらいには寝ます(笑)。

ガチガチにタイムスケジュールを決めてしまうと窮屈になっちゃうんですよね。だから「動画を今週は〇本撮ろう」ということだけ決めて、あとは自由に働いています。

──そこはフリーランスのいいところですね。
店舗で働くのと違って、始まりと終わりの時間が決まっていないので、切り替えは難しいかもしれませんね。でもある程度自分で区切りがつけられたら、場所と時間に縛られないというのはいいところだと思います。30代、40代からでも成功できるという爆発力は、フリーランスの方がありますよね。
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40代でスタートしたSNSがバズり、大忙しになったnobu先生。30歳からスタートしたヘルスケアのお仕事ですが、30代で積んだ経験は膨大!その下積みが現在のnobu先生を作り上げているんですね。次回中編では、nobu先生がヘルスケアのお仕事に感じる魅力、社会人から整体師を目指す人へのアドバイスをお聞きします。

取材・文/山本二季
撮影/石原麻里絵(fort)

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