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介護・看護・リハビリ 2022-03-11

日常生活をより良くする機能訓練で毎日に笑顔を/介護リレーインタビュー Vol.31【運動指導員 渡部悟史さん】#1

介護業界に携わる皆様のインタビューを通して、業界の魅力、多様な働き方をご紹介する本連載。今回お話を伺ったのは、千葉県八千代台にあるリハビリ型デイサービス「レコードブック八千代台」の運動指導員 渡部悟史さん。

前編では、渡部さんが介護業界に入った経緯やレコードブックでの働き方についてお聞きします。

お話を伺ったのは…
レコードブック八千代台 運動指導員 渡部悟史さん

大学卒業後、スポーツクラブでインストラクターとして3年勤務。2018年、株式会社三和薬品に入社し、「レコードブック八千代台」に勤務。要支援者、要介護者の機能訓練を中心とした運動指導を行っている。

スポーツクラブでの経験をいかし、運動指導のデイサービスへ

運動指導員(トレーナー)として機能訓練を行う渡部さん

——まずは介護業界に進んだきっかけを教えてください。

昔から野球をしていて、大学では健康スポーツ心理学を学びました。運動が好きだったこともあり、卒業後はスポーツクラブに入社してインストラクターになり、ともて楽しく働いていました。でもかなりの肉体労働だったこともあり、長く働ける仕事を探そうと転職することにしたんです。

これまでのスポーツ経験が活かせる仕事を探している時、運動指導を行うデイサービス「レコードブック」のことを知りました。僕が勤務していたスポーツクラブはシニア層の利用者が多く、僕自身年上の方と接するのも好きでした。だから「運動指導なら介護職でも楽しく働けそうだな」と思ったんです。それが介護業界に入ったきっかけです。

——レコードブックでは、機能訓練を中心とした運動指導を行っているそうですね。スポーツクラブとの大きな違いは?

スポーツクラブには、心身ともに健康な方がいらっしゃいます。そういった方々にジムでのマシントレーニングの案内や、講師としてスタジオでのレッスンをするのが主な内容でした。

一方レコードブックは介護保険を使って利用する施設なので、体や心に何かしら不安がある方が多くいらっしゃいます。そういったところをケアしたり介助したりしながら、運動指導にあたるところが大きな違いです。そのため、入社して最初に介助や介護保険の勉強をしました。そこから、自分の見える世界が変わったなと実感しています。

——初めての介護職で、介助への抵抗感などはありませんでしたか?

最初は少し不安でした。でも先輩からの指導もあったので、働き始めてすぐに慣れましたね。自分が健康でしっかりしていれば、そういった面でのサポートもできるんだなと感じました。

基本的には、スポーツクラブでも機能訓練でも、ご利用者さんの前にトレーナーがいて指導をするという構図は変わりません。ただ全員の介助面や既往歴などをしっかり頭に入れておかないといけないという点では、スポーツクラブ時代よりも身が引き締まります。

日常生活を向上させるための体づくりをサポート

広々としたスペースでボールやゴムチューブ、マシンなどを使ってトレーニング

——レコードブックの特徴を教えてください。

レコードブックでは、より日常生活を豊かにしていただくための機能訓練を行っています。運動指導の面でとくに重視しているのは、生活に役立つ筋肉の付け方や体の使い方をお伝えすること。マシンを使った運動は一見魅力的なのですが、あえて頻繁には使わないようにしています。マシンを使うと、マシンを動かすための筋力はつけられても、日常生活に役立つ筋肉はつけられないんです。

道具を使う場合はボールやゴムチューブなどを取り入れながら、「こういう動かし方をすると、日常生活のこんな場面で体が動かしやすくなりますよ」という風に、体の動かし方をマスターしていただきます。そして、その動作のために必要な筋肉をつけていくことを大切にしています。

また看護師による口腔運動指導も行っています。主に主なっているのは、「パタカラ体操」という、食事や会話に必要な口腔内の機能訓練。身体面に限らず生活に必要な運動を取り入れて、広くサポートできればと思っています。

——現在の働き方を教えてください。

基本的には、月~金曜日が出勤。朝8:00~18:00勤務で、午前と午後に3時間の運動指導があり、その前後は送迎を行っています。

店舗や日によって人員の配置が変わるので、午前と午後にメイントレーナーとして入ることもあれば、午前中は運動指導のサポート、午後は事務作業をすることもあります。ご家族やケアマネージャーさん、ご利用者さん本人から機能面での困りごとを相談されたら、写真付きのトレーニングメニューを作ることも。そういった作業は、送迎後の終礼までの時間に行うことが多いです。

信頼できる先輩からのサポートで未経験でも安心して働けた

介護職未経験で入社した渡部さん。続けられたのは良好な人間関係のおかげ

——運動指導についての勉強や教育はありますか?

コロナ禍ということもあり、みんなで集まっての研修は難しい状況なので、今はZOOMなどを利用したオンラインでの研修を行っています。でも日々の中での先輩からのサポートはしっかりしていますし、レコードブック共通のマニュアルもあるので、機能訓練が未経験でも一定の指導ができるようになっています。異業種からの転職という方も多く、人前で大勢に聞こえるように話すこと自体が初めてということもあるので、声の出し方から教わるんです。

運動指導は基本的にメイントレーナーがご利用者さんの前で見本を見せ、周りに補助のトレーナーが入ってサポートします。入社したばかりのころは、ベテランのトレーナーがメインで入り、それをサポートしながら指導の仕方を覚えていきます。そしてある程度覚えたら、先輩と入れ替わってメインを担当し、先輩がサポートとして入る…というかたち。資格を持つ先輩や運動指導に長けた方が多いので、店舗での直接指導は充実していると思います。

——いま求められているのは、どんな人材でしょうか?

直接ご利用者さんと触れ合う仕事ですし、スタッフ同士がチームで動くので、コミュニケーション能力は必要かなと思います。やっぱり人間関係は良好なほうが働きやすいですから。

僕自身も後輩ができて、いろいろ指導する立場になり、コミュニケーションの難しさを感じています。注意しなければいけない場面もありますが、まずはしっかり原因を伝え、話を聞くようになりました。そういったコミュニケーションから、よい関係作りができたらと思っています。


スポーツクラブからリハビリ型デイサービスに転職した渡部さん。先輩からのサポートのおかげで、介護職にもスムーズに慣れることができたそう。「サポートしてくれた先輩たちのように、自分も後輩にいろんなことを伝えていきたい」と語ってくださいました。

後編では、お仕事のやりがいや大変さ、今後の目標などを伺います。

取材・文/山本二季
撮影/本名由果(fort)

Information

レコードブック八千代台
住所:千葉県八千代市八千代台西1-4-6-1F
TEL:047-489-5702

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