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ヘルスケア 2022-04-27

ヨガの心への作用に惹かれ、ヨガを深めるため講師へ【もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事 Vol.56ヨガ講師 坂本季実子さん #1】

ヘルスケア業界のさまざまな職業にフォーカスして、その道で働くプロにお仕事の魅力や経験談を語っていただく連載『もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事』。前・中・後編でお送りします。

今回は神奈川県相模原市でヨガスタジオ「KIMI YOGA STUDIO」を運営するヨガ講師 坂本季実子さんにインタビュー。坂本さんはコロナ禍で考案した「タオルヨガ®」を始め、ゴルフヨガや企業ヨガなど、さまざまなかたちでヨガの魅力を発信しています。

前編となる今回は、坂本さんのこれまでの道のりと、現在の働き方についてお聞きします。

お話をうかがったのは…
ヨガ講師 坂本季実子さん

KIMI YOGA STUDIO 主宰。ヨガ・呼吸法講師、ウェーブストレッチリングマスタートレーナー。心身ともに調子を崩し、回復のためヨガをスタート。ヨガと呼吸法、瞑想で体と心のバランスを取り戻せることを実感し、講師として活動を始める。18歳と6歳の二児の母。
Instagram:@kimi_yoga 

ヨガをしている間は心が軽くなる…その不思議に惹かれヨガの道へ

2009年、33歳でヨガインストラクターとして活動し始めた坂本さん

——まずはヨガを始めたきっかけと、お仕事にしようと思った経緯を教えてください。

33歳のころ、もともと体質的に冷え症だったので、改善したくてホットヨガを始めました。ちょうどその時期、信頼していた方から裏切られるということがあり、心身ともに落ち込んでしまったんです。

でもホットヨガをしていると、体も心も軽くなっていく感覚がありました。心まで軽くなるのは何故なんだろう…。その興味から「もっとヨガを学びたい」と思ったのが、養成スクールに通うきっかけでした。

その流れで、スクールを終えて「インストラクターをやりますか?」という話になって、せっかくならやってみよう!と。だから最初からインストラクターになるつもりではありませんでした。

——そこから現在はヨガ講師歴14年目。ヨガ講師のお仕事が本格化したきっかけは?

当初はフリーランスとして、いろいろなヨガスタジオに所属して活動していました。その後2011年の東日本大震災のときに、被災された方たちが生活していた味の素スタジアムで一緒にヨガをするイベントに声をかけていただいたんです。そのときに、「ヨガってスタジオでやるだけじゃないんだ」と気づきました。

それまでは、ヨガに興味があって自分で調べてスタジオに来た人だけに教えていたけど、ヨガを知らない体や心が困っている人に教える場所もあるんだ…って。ヨガをもっと広めたい、ヨガを知ったらもっとよりよく過ごせる人たちがたくさんいる! そう意識が変わってから、より幅広い場でヨガを伝えたいと思うようになり、活動の幅も広がりました。

2014年にはオーガニックライフTOKYOや横浜ヨガフェスタにも登壇させていただき、そこからインストラクター活動も軌道にのりました。2017年には企業ヨガやゴルフヨガをスタートし、2018年にヨガスタジオを設立しました。

ヨガ未経験の人でも気軽に来られるスタジオを設立

もっと多くの人が自由にヨガを楽しめる場を作るため 2018年にヨガスタジオ「KIMI YOGA STUDIO」をオープン

——実際に働き出してから感じたギャップはありますか?

ヨガの先生=たくさんヨガをしているんだろうなと思っていましたが、レッスン中は意外と動かないし呼吸もできないんだなと思いました。生徒さんに説明してポーズをとって見せるけど、すぐポーズをチェックしに歩き回るし、ずっと話しているから呼吸も浅くなるし…。だから積極的に自分の練習時間を取らないと、ヨガをすることがなくなっちゃうんです。それに気づいてからは、毎日自主練の時間を作っています。

あとは、お給料が意外と安いです(笑)。だから若い先生たちは、いろんなところに行って数をこなしていくイメージ。私も駆け出しのころはレッスンの本数を稼ごうと頑張っていました。でも年齢を重ねたり子どもができたりすると、「これは続かないな」と思いましたね。それもスタジオを開いたきっかけのひとつでした。

——他にもスタジオを開いた理由が?

東日本大震災後の被災者の方々へのレッスン経験から、ヨガを知らない人たちにヨガの良さを知ってもらいたい、そのためにはもっと自分から外に出ていけばできることが増えるんじゃないかと思いました。その流れで、この場所で知人と一緒に活動するようになったんです。その後、ヨガを広めるための拠点としてスタジオを設立し、看板を出して活動するようになりました。

——ヨガを知らない人に来てもらうための取り組みは?

ヨガを知らない方々にも気軽に来てもらえるよう、レッスン料は会費ではなく都度払いにしています。入会金があると敷居が高いし、月会費にすると「行かなきゃ」と義務になってしまうこともある。都度払いなら来たいときに来られるし、「来週は休んでもいいかな」と思えるほうが通いやすいと思うんです。いいと感じたら絶対に継続してくださるので。

子育てと両立しながら、スタジオ&オンラインで活動

現在はスタジオでのグループレッスンを中心に、 プライベートレッスン、オンラインレッスンも

——現在の働き方を教えてください。

春から大学生と小学生になる子どもがいるので、育児と両立しながら活動しています。

グループレッスンはオンラインを含めて週3回、その他プライベートレッスンが+α。昨年はZOOMを使ったオンラインレッスンがかなり増えましたが、今はだいぶ落ち着いた印象です。

お子さんがいたり在宅勤務中だったり外出できない方はオンラインを希望されますが、動ける方は外に出たいという気持ちも強いのか対面レッスンを希望されます。やっぱりコロナ禍を経て今はより一層「対面がいい」という方が増えました。とくにプライベートレッスンは、ほぼ対面です。

私自身はオンラインでも対面でも対応できるように準備しています。どちらにもそれぞれ良さがあるので、自分に合ったスタイルでヨガを楽しんでもらえたら嬉しいですね。


ヨガで心が軽くなることに気づき、ヨガを深めるため講師になった坂本さん。坂本さんのレッスンは、その人柄や穏やかで明るい雰囲気も相まって、元気をもらいたいとやってくる方が多いそう。次回は、そんな坂本さんがヨガ講師の仕事に感じる魅力ややりがい、これからヨガ講師を目指す方へのアドバイスをお聞きします。

取材・文/山本二季
撮影/高嶋佳代

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Information

KIMI YOGA STUDIO
住所:神奈川県相模原市中央区相模原3-2-3 坂本ビル3F
お問い合わせはHPから

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