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ヘルスケア 2022-04-29

初心者でも楽にほぐせるタオルヨガ®をレクチャー!【もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事 Vol.56 ヨガ講師 坂本季実子さん #3】

ヘルスケア業界のさまざまな職業にフォーカスして、その道で働くプロにお仕事の魅力や経験談を語っていただく連載『もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事』。

全3回に渡り、ヨガ講師 坂本季実子さんにインタビュー。前編では坂本さんのこれまでの道のりや現在の働き方について、中編ではヨガ講師のお仕事の魅力や大変さ、ヨガ講師を目指す人へのアドバイスをお聞きしました。

後編となる今回は、坂本さんのレッスンにフォーカス。コロナ禍で取り組んでいる「タオルヨガ®」についても詳しくお聞きします。

お話をうかがったのは…
ヨガ講師 坂本季実子さん

KIMI YOGA STUDIO 主宰。ヨガ・呼吸法講師、ウェーブストレッチリングマスタートレーナー。心身ともに調子を崩し、回復のためヨガをスタート。ヨガと呼吸法、瞑想で体と心のバランスを取り戻せることを実感し、講師として活動を始める。18歳と6歳の二児の母。
Instagram:@kimi_yoga

無理なく心地よくできて「ヨガを続けたい」と思えるレッスンを

オンラインレッスンやプライベートレッスンも行いますが 主軸としているのは対面でのグループレッスンという坂本さん

——現在はグループレッスンが多いとのことですが、グループレッスンを行うときに大切にしていることは何ですか?

その方によって柔軟性や体調は違うので、同じポーズでもいくつかの段階を説明するようにしています。「ここまでいかないとダメ」ではなく、ここまででも気持ちいいよね、もう少し深めたい人はここまでいってみよう、やりすぎたら戻ろうねという感じ。その日の自分に合わせて、本人が選べるように言葉かけをしています。

——企業ヨガもされていますが、教え方に違いはありますか?

企業ヨガの場合、スーツを着てネクタイを締めてお仕事されている男性が多くなるので、体を動かすことが少なく、とても関節が硬いんです。そういったヨガ初心者の方には、急に本格的なポーズをするよりも、軽くほぐせてビフォアアフターの変化がわかりやすいものを伝えることが多いです。

最初は腕がここまでしか上がらなかったけど、ヨガをしたらもっと上がるようになる。そういう変化や体が楽になったという効果感が覿面にわかると、「おもしろい!」と思ってもらえます。まずはそこを重視して伝えています。

コロナ禍、体も心も固まった人たちをほぐしたいと考案したタオルヨガ®

「家にタオルがあれば、すぐにできます。 タオルを手にしたらヨガをするのが習慣になったら嬉しいです」

——2020年から新たに考案された「タオルヨガ®」について教えてください。

タオルヨガ®を考えたのは、コロナ禍になりみんなが不安で体も心も硬くなっていくなかで、何か手軽にできることはないかなと思ったことがきっかけでした。体が硬くなった人でもできて、道具を買わなくても、いつでも気軽にできる…。そういうエクササイズがあったら、みんなをほぐすことができるんじゃないかなって。

動きのベースはヨガ。道具を使うことは、ストレッチをサポートしてくれるウェーブストレッチリングを参考にしました。少し難しいポーズでも何か道具があると、道具に少し寄り掛かりながら取り組めるので、体が硬い人にはぴったりなんです。そこで多くの家庭にあるタオルを使うことを思いつきました。

例えばタオルを畳むときに、ちょっと体を伸ばしてみよう。顔を拭いたついでに、体をまわしてみよう。それだけでちょっと楽になるよ、ということが伝えられたらと思ったんです。

——タオルヨガ®のいいところは?

体が硬い人でも取り組みやすく、変化がわかりやすいところです。タオルを使うことで、強度を自分で調整できますし、道具があることで頼ることもできます。

またタオルヨガ®ではポーズをとったあとに体をゆらす「ゆらぎ」を行います。すると伸ばしたところがちょっとずつほぐれるので、体が硬くても確実にほぐせて変化を実感しやすく、もっとやりたくなるんです。

体が硬いと「自分には無理だ」と思って、エクササイズしたくなくなりがち。でもタオルヨガ®は仰向けで寝ころんだままでもできるし、きつければ関節を曲げたままでもOK。できるところから呼吸と共に少しずつほぐしていけば変化を感じられます。

そして、必要なものは長さのあるタオルのみという手軽さも魅力です。ハンドタオルだと負荷がかかりやすいので、フェイスタオルやスポーツタオルが◎。椅子に座ったままでも、寝転んでいても立っていてもOK。ヨガマットもいりませんよ。

坂本さん直伝!「タオルヨガ®」のおすすめポーズ

坂本さんが考案したタオルヨガ®をチラッとご紹介。タオルを使うことでヨガポーズが取りやすくなり、負荷も調整しやすいそう。手元に長めのタオルがあれば、すぐ挑戦できます!

むくみ解消!もも裏のばし
体への負担が少ない仰向けで行えるタオルヨガ®。もも裏を伸ばすことでリンパの流れがよくなり、むくみ解消に◎。

仰向けに寝転んで脚を伸ばし、片脚を上げて足裏にタオルをかける。息を吐きながらタオルを引っ張り、無理のないところで軽くゆらす。逆脚も同様に。

POINT

膝を伸ばすのがツラい場合は曲げてもOK。脚を上げてゆらすだけでも効果あり。
座って同様に行うと、体幹の強化にも効果的。

タオルで楽に!ウォーリアⅡ
下半身強化と肩&胸のストレッチができるウォーリアⅡのポーズ。タオルを使うことで、少し負荷が軽減され取り組みやすく。

右足を大きく引いてつま先を90度にし、骨盤は横向きに。左ひざを踏み込み、左かかとの真上に膝がくるようにする。タオル両端を長めに持って真上に上げたら、タオルを少し引っ張りながら肘が90度になるまで曲げる。

膝をキープしたまま、右手を後ろに引いて左体側をのばす。左膝が伸びてきやすいので、しっかり踏み込んで。体側を伸ばした状態で、右手でタオルを小刻みに引っ張ってゆらす。気持ちがいい回数行う。逆側も同様に。

——タオルを使って揺らす「ゆらぎ」が心地いいです。

ただポーズをとるだけだと人によっては固まりやすいんですが、ゆらぎを加えることで体がよりほぐれやすくなります。

でもヨガのポーズをとらなきゃ!と思わなくてもいいんです。タオルがあったら両端を持って腕を上げて左右に傾けたり、肘を曲げて肩甲骨を動かしてみる。それだけでも体は変わっていきます。

——最後に、今後の展望や目標を教えてください。

体を動かすのが苦手な人、ヨガを知らない人にも、ヨガの魅力を広めていきたいです。ヨガって何となく、女性でスタイルが良くて体が柔らかくて…というイメージや先入観があると思います。でもそんなの全然関係なくて、誰でもしていいし、ヨガをすることで日常が変わる。日々を快適にするツールとして、ヨガを知って欲しいなと思います。

そして、目指すは80歳まで現役ヨガ講師! 80歳という年齢に括りはないんですが(笑)、できるところまでずっと教えることをやめず、ヨガをしていたいです。


体や心の問題で悩んでいるヨガを知らない人に、もっとヨガを広めていきたいと語ってくれた坂本さん。タオルヨガ®考案の背景も、「あの時期は、とにかくみんなにほぐれて欲しかったんです」(坂本さん)という想いがありました。そんな想いこそ、ヨガ講師にとって大切なことなのだと感じました。

取材・文/山本二季
撮影/高嶋佳代

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Information

KIMI YOGA STUDIO
住所:神奈川県相模原市中央区相模原3-2-3 坂本ビル3F
お問い合わせはHPから

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