【もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事Vol.5】『ヨガスタジオ東京』大友麻子さんがヨガインストラクターを目指したきっかけ
柔道整復師、鍼灸師、整体師など、近年、健康意識が高まるにつれてさらに注目を集めている「ヘルスケア業界のお仕事」にフォーカスした新企画がスタート。今回は「ヨガインストラクター」のお仕事にピックアップ。
自らが主宰する『ヨガスタジオ東京』でインストラクターをしている大友麻子さん。大友さんがヨガインストラクターの道を志したきっかけや、はじめてから今も変わらず夢中になっているという「ヨガ」の魅力についてたっぷり語っていただきました。
教えてくれたのは……
ヨガスタジオ東京主宰 大友麻子さん
22歳頃からヨガをはじめ、世界の著名な先生方から長きに渡り丁寧な指導を受ける。27歳よりヨガインストラクターとして指導を開始。スウェーデン大使館、ヨガフェスタ、オーガニックライフ、湘南ビーチヨガ、東京都杉並区公的機関など、さまざまな場所でレッスンを行う。現在は自らが主宰する「ヨガスタジオ東京」の各スタジオにて週5日ほど指導をし、「ヨーガと心、精神と身体」の更なる探求の為、ヒプノセラピストとしても活動している。雑誌やメディア監修も多数。
Instagram:@asako.yoga.tokyo
ジャック・マイヨール氏に影響を受け、ヨガをはじめるように
―はじめに、大友さんがヨガをはじめられたきっかけを教えてください。
『伝説の素潜りライダー』とも称されているフリーダイバーのジャック・マイヨール氏との出会いが、私がヨガをはじめるきっかけとなりました。私の実家がスキューバ・ダイビング屋さんだったので、兄がジャック氏の通訳を担当していたり、父がジャック氏の親友である成田氏 (水中競技世界選手権大会、ブルーオリンピックの元日本代表)と親しい間柄だったりと、元々海に携わる方々とのご縁がありました。私も家族の影響でジャック氏の著書は読んでいました。
なかでもその本に書かれていた「海に潜るときに雑念があると、酸素の消費量が多くなる。深く潜り続けるためには、いかに平常心を保つかが大事。いざというときに平常心を保つために日頃から『ヨガ』や『禅』を行っている」といった内容がとくに印象的で、その時からヨガと禅と心の働きついて強く惹かれていました。
その後、はじめてジャック氏にお会いしたときに、死の恐怖を乗り越えて潜り続けてきた彼の人柄に触れ「修練した者だけが到達できる境地」があるんだと実感し感銘を受けました。そして彼が平常心を保つために行っていたヨガへの意欲がぐっと高まり、すぐに近所のヨガスタジオに通いはじめました。
―実際にヨガをはじめられて、心身への変化は感じられましたか?
約1年で体重が13kg落ち、風邪を引きにくくなったり、体の免疫機能が高まったのを感じました。ストレスもなくなり、気持ちがかなりラクになりましたね!
また、練習を重ねることで体の動きと呼吸が一致するようになり、何事にも動じない平常心も身に付きました。あと、これは個人的な体験なので説明が難しいのですが、ジャック氏の潜りと通じる「修練した者だけが到達できる境地」である、自由で完全な静寂を感じることもありました。とにかくヨガでは心の働き、思考を一旦止めるので、頭をフル回転して神経を張り巡らせながら日常生活を過ごしてきた自分から、本来の姿に戻ることができるんです。私もヨガを続けるうちに徐々に心に余裕ができ、体も良好な状態をキープすることができるようになりました。
―心身ともに自分を整えることができるヨガに、どんどん夢中になっていったのですね。
それでは大友さんがヨガインストラクターになられた経緯を教えてください。
当時、師事していた先生のクラスに週3~4のペースで通っていたのですが、5年程経ったときに、「教えてみるのはどう?」と先生のほうからお声がけいただいたんです。それがきっかけでヨガインストラクターとして教えはじめるようになりました。
はじめは師匠のスタジオでクラスを受け持っていたのですが、幸いにも英語を話せたことがインストラクターとして活き、徐々に海外の方を対象にしたクラスに呼ばれる機会が増えるようになりました。そこからいろいろな場所に呼んでいただき、さまざまな生徒さんたちと出会うなかで、いつからか「この人たちと今後も長く付き合えるような居場所をつくりたい」と思うようになり、渋谷にスタジオをオープンさせました。その後、スタジオの場所を移転したりしながらマイペースに続け、現在に至ります(笑)。さらに2020年4月からは原宿にスタジオをオープンします。
―ヨガインストラクターとして実際に働いてみて感じた、ギャップや新たな気づきなどがあれば教えてください。
自分と波長が合う先生や、自分が学びたい分野に詳しい先生を見つけて師事し学ぶことが大切だと、教える側に立って改めて気づきました。学びには終わりが無いということです。学び続けることの大切さ、自分が一番良い生徒でい続ける、と言うべきでしょうか。私の場合も指導をはじめてからも継続して世界の著名な指導者から学んできました。
それから、基礎の大切さを感じます。私の場合は長年先生の下に通った末にデビューしたので、授業の流れや動きも自然と体に身についていたのですが、やはり基礎が抜けていると、人に教えるってとても難しいのかなと。いざ教えようとしても何からはじめたらいいのか分からなくなってしまい不安になりがちです。それを防ぐためにも、最近はさまざまな先生によるティーチャートレーニングや養成講座も充実しているので、いろんな先生の講座を受けてみて、自分に合う先生と出会う。その先生のもとでヨガインストラクターとしての基礎と地盤を固められたら自信もつくし安心だし、一番幸せなことだと思います。
―大友さんの1日のスケジュールを教えてください。
レッスンがスタートする時間に合わせ、フレキシブルに働いています。早く帰宅した日は家族で夕食を食べてゆったり過ごします。1日に4~5クラスある日は、帰宅時間が22時を回ることも。
ジャック氏に感銘を受けてはじめたヨガにすっかり魅了され、今ではインストラクターとして日々イキイキと働いている大友さん。インタビューの間も終始笑顔で受け答えしてくださる大友さんのお人柄からも、ヨガの素晴らしさや魅力が伝わってきました。次回はヨガインストラクターのお仕事の流儀や、これからその道を目指す方たちに向けたアドバイスをお届けします!
取材・文:小沼奈央(レ・キャトル)
撮影:石原麻理絵(fort)
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