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ヘルスケア 2020-03-18

【もっと知りたい!「ヘルスケア」のお仕事vol.3】「誰かのために」が原動力! ヨガインストラクター磯さんが大切にしていること

「ヘルスケア業界」の多様な働き方を紹介する「もっと知りたい!ヘルスのお仕事」の企画。今回は「ヨガインストラクター」の職業に焦点を当ててお届け。

ヨガインストラクター&イベントプロデューサーとして活躍中の磯沙緒里さん。前回は、その道を目指したきっかけや、独立に至った経緯を伺いました。今回は磯さんが感じるお仕事の魅力や、未来のヨガインストラクターに向けたアドバイスをご紹介します。

仕事のやりがいを感じるのは、生徒さんが喜んでいる姿を見たとき

―1歳のお子さんがいらっしゃいますが、出産を機に働き方に変化はありましたか?

子どもがいながら働くのは本当に難しいなというのを痛感しています。やはり、場所と時間帯は制限かかりますね。以前は、自分で全部コントロールできる状況だったので、忙しくても忙しいなりにやってきましたが、今は子どもが第一。できるだけ一緒にいたいと思うと、今まで出ずっぱりで働いていたものを調整したり、呼び出しがかかってもいいように平日は遠くでの仕事は控えるようにしています。それとレギュラーのレッスンをすごく減らしました。

まだ子どもが小さいので熱も出ますし、そこで代行を立てる葛藤もあり日中か土日の仕事を受けるようにしています。ヨガって先生についてきてくださる方が多いんですよね。私が産後にレッスンを減らしたことでスタジオに通いにくくなってしまった生徒さんの中にはそのままヨガを辞めてしまう方もいらしたので、今まで通ってくれた生徒さんが自宅でもヨガをできるように、動画配信もはじめました。

―動画配信には、そういった背景があったのですね。
 忙しい中でもやり抜いていけるモチベーションはどんなところにあるのでしょうか?

子育ては大変ですが愛しい存在なので頑張れます。お仕事も現場にいくと喜んでいただけるんですよね。それが何よりです。「今日来てよかった」、「前回受けて身体が楽になったからまた来ました」と言っていただける。誰かのためになっているというのがすごく大きいですね。

―自己満足のためだったら辞めていたと話す磯さん。
 お仕事で悩んだり、大変だったりしたことはありますか?

レッスン中は声を張らないといけないんですけれど、私はどちらかというと静かに声を出してきたほう。秘書の仕事と一番違うのが、秘書はどちらかというと黒子であり、大きな声は出さないですし、存在感も消します。そう言った意味では真逆。

ヨガの仕事は基本的にはマイクのない状態で行うのですが、一度とても困ったのが、夜の屋外レッスンでマイクが壊れたことがあったんですね。照明が当たっているのはステージだけ。私がステージを降りたらお客さんから見えないため、ステージにいながら地声で100人いる後ろの人にも届くようにしないといけない状況だったとき、すごく大変でした。

発声法なんてしたことなかったので、大声を出そうとすると怒鳴るように聞こえてしまうんですよね。どんな状況でも、ある程度声を響かせて、かつ安定感のある声を出せるようにしないといけないと痛感し、その後、女優をしている友人に舞台の発声法を教えてらったり、自分で研究したりして、腹を使って声を出す練習をしました。声の抑揚の付け方も大事にしています。

生徒一人一人に寄り添った「丁寧なアドバイス」がモットー

―生徒さんの集客に悩んだことはありますか?

私の場合、最初は友人が集めてくれたのですごく楽をさせてもらったのですが、すごく立地が不利なスタジオでレッスンをさせてもらったときは、集客の難しさを実感しました。

大事にしていることは、休講をできるだけ出さずに続けること。あそこに行けば練習ができるっていうことを覚えてもらうことを心がけています。そして来てくださった方と密に接してアドバイスを一人一人に出し、ご自宅で練習できるような内容も伝えるようにしています。例えば肩こりが悩みでも、育児で凝る、デスクワークで凝るなど、一人一人違います。ディスプレイを見る時間が長い場合は実は頭痛があったり、睡眠の質が悪かったりします。いろいろなお話を丁寧に伺ってみるとアプローチの仕方が変わってくるんですよね。

また、以前、尊敬する女性講師から、「自分から生徒さんを選びにいかないように」と教えていただきました。自分の性質やキャリアに合わせて、自分に合った生徒さんがついて来ると。それを講師になりたての頃に言われていたので「そうか、じゃ、背伸びしても仕方ないな」と思えたところもあります。いろいろな場所でレッスンをする機会が増えると、いろいろな方に出会う機会も増えますよね。その中で私のレッスンが合うなと思う方がまた来てくださればいいなと思っています。

―ヨガ講師の魅力を教えていただけますか?

まずはいろいろな人に会えることが一番おもしろいですね。毎日現場が違うし、仕事内容も違うので本当に飽きることがないですね。常にそういう状況なので日常生活の中に学びがあります。ヨガって身体的なものにフォーカスされやすいですけれど、精神的な修行でもあるんです。日常の気づきや失敗も経験になりますので、いろいろな事が仕事に生きるんです。とても辛いことがあっても「でもこの経験をしたことでアドバイスできることが生徒さんにきっとある」と前向きに思えますし、自分のためにも成長するいい機会だと思える。それが毎回ありがたいなと思いますし、魅力だと思います。

―これからヨガインストラクターを目指す人に向けて、アドバイスをお願いします。

一番大事なことは練習や学びを続けること、たくさんのクラスを受けること、それが何より大事ですけども、先ほど申し上げたように、生活の中のあらゆる経験が生きてくるので、その学びをすごく大事にしていくといいかなと思います。

今、ほかのお仕事をされていたら、その仕事で視野を広げていくとか、何かに失敗してしまったら、ただ悲観的になるのではなく、学びを得たと思うようにして次につなげると、いい経験も悪い経験も必ず生徒さんへの質問の答えに生きてくると思うんですよね。そういう風に思っていると、世の中の全ての事がちょっとおもしろくなります。何か嫌なことがあってもグチに終わらないで済みますし、自分が発する言葉も誰かにとっては刃になってしまうこともあるというのがわかります。自分が経験するすべてのことに目を向けて受け止めてほしいと思いますね。

―とっても貴重なアドバイスをありがとうございました。

磯さん流!ヨガインストラクターとしての心得3か条

1.一生学び続ける研究精神を持つ

2.フラットな精神状態を保つ努力をする

3.広い視野で物事をみる

子どもとの時間も大切にしながら仕事に邁進する磯さん。ヨガ講師に活かせる学びが生活の中にあることや、物事を前向きに捉える姿勢を教えていただきました。次回は、磯さんの手技・技法をご紹介します。

取材・文:長井麻記
撮影:中村 早

▽#3はこちら▽
【もっと知りたい!「ヘルスケア」のお仕事vol.3】栄養学を学び、 症状や目的に合わせて多方面からアドバイス>>

教えてくれたのは…

磯 沙緒里さん

ヨガインストラクター。幼少期よりバレエやマラソンに親しみ、体を使うことに関心を寄せる。長期的にみた体調管理の方法を模索していたところ、ヨガに出会う。会社員生活のかたわら、国内外でさまざまなヨガを学んだ後、ヨガインストラクターの道へ。現在は、スタイルに捉われずに楽しんでもらえるよう、暮らしに寄り添うヨガを提案。都内スタジオでレッスンを行うほか、ヨガコンテンツ監修やコラム執筆、ヨガイベントプロデュースも手がけ、活動は多岐に渡る。
URL:http://saoriiso.com/

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オハナスマイルヨガスタジオ駒沢大学店

住所:東京都世田谷区野沢四丁目21番13号 KOMAZAWA STUDIO 2F
毎週日曜日 7:45〜9:00担当
URL:https://www.ohanasmile.jp/

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住所:東京都武蔵野市吉祥寺本町2-13-12
毎週木曜日 11:45〜13:00担当
URL:https://bayflow.yoga/kichijoji/

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