ヘルスケア&介護・看護・リハビリ業界の応援メディア
特集・コラム 2023-10-13

保育士が大変に感じること6つ!対策ややりがいとあわせて、働くうえで大切なことを紹介

保育士は、0~6歳までの子どもの生活や遊びを支えながら、成長をそばで見守ることができる仕事です。子どもが好きな人にとっては、憧れの職業かもしれません。

かわいらしい子どもたちの成長に携われるため、やりがいは大きいです。しかし、どの仕事でもそうですが、大変に感じることもあります。

この記事では、保育士が大変に感じることと対処法を紹介します。また、やりがいを感じながら仕事を充実させられるよう、働くうえで大切なポイントもまとめていますので、参考にしてください。

目次
  1. 保育士のおもな仕事
  2. どんな悩みを抱えている? 保育士が大変に感じる6つのこと
  3. 大変だけど楽しい! 保育士がやりがいを感じるのはどんなとき?
  4. 保育士として働くうえで大切なこと
  5. 保育士は大変だけどやりがいも大きい仕事!

保育士のおもな仕事

保育士とは、児童福祉法で「保育士の登録を受け、保育士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもって、児童の保育及び児童の保護者に対する保育に関する指導を行うことを業とする者をいう。」と定義されています。

引用元
e-GOV:児童福祉法

「保育」とは具体的にどういった仕事をするのか、見ていきましょう。

身の回りのお世話|年齢に応じたサポート

保育園は、仕事やその他の理由で日中育児ができない保護者に代わって、子どもの身の回りのお世話をするのが仕事です。

着替え・オムツ交換・トイレ・食事の介助など、子どもが自分でできるよう年齢に応じたサポートをします。

子ども同士の関わりのサポート|決まりやルールを教える

子どもは年齢があがるにつれ、友達とのかかわりのなかでケンカやケガが増えてしまうもの。保育士は、生活や遊びのなかにあるルールについて、その必要性とともに教え、ケンカの仲裁・危険な行動への注意などもおこないます。

2歳以上になると言葉が理解できるようになってくるため、ルールややってはいけないことについて、なぜダメなのか理由も伝えることが大切です。

健康管理|普段の様子に気を配る

子どもの健康管理も大切な仕事のひとつです。体温測定だけでなく、顔色・食欲・機嫌などから普段の様子と違ったことはないか気を配り、必要に応じた対応をします。

環境整備|安全でストレスのない環境づくり

子どもたちが使用する部屋の整理整頓や掃除だけでなく、危険なものをなくしたり、不便に感じないような配置にしたりといった、環境整備も保育士の重要な仕事。ほかにも、設備・遊具・自然など、子どもたちに関わる環境すべてに配慮が必要です。

子どもたちが、自主的に楽しく学んだり遊んだりできるよう、「人」「物」「場」を整え、事故防止にも努めます。

保護者対応|相談対応や連携

保育に関するプロとして、子育てに悩む保護者の相談に応じアドバイスすることもあります。個別で話す場を設けたり、送迎時に話を聞いたりと機会はさまざまです。

また、子どもの健康や指導に関する連携は欠かせません。情報を共有しながら、子どもたちの健やかな成長をサポートします。

その他|指導計画・日誌の作成・イベント企画・地域交流など

保育士には、次のような仕事もあります。

・日々の活動や指導の計画
・活動をまとめた日誌の作成
・運動会や卒園式などイベントの企画
・地域の方や外部の人との交流を企画・実施

指導計画や日誌の作成は、子どもの成長過程に合わせた指導をするために必要です。イベントや地域交流は、保護者に子どもの成長を感じてもらったり、子どもたちが季節や文化を感じたりする目的があります。

どんな悩みを抱えている? 保育士が大変に感じる6つのこと

保育士は日々、どんな悩みを抱えているのでしょうか。子どもへの関わり方や保護者への対応、職場での人間関係など悩む場面は人それぞれです。

ここでは保育士がとくに大変だと感じる6つのこと、またそれぞれの対策についてご紹介します。

1. 子どもたちへの対応|子どもたちに寄り添い見守ろう

経験の浅い保育士ほど、子どもたちへの関わり方に悩みやすいです。保育士は、集団行動に慣れていない子どもや泣きだす子どもなど、さまざまなタイプの子どもたちに対応しなければなりません。

そのため、好奇心旺盛な子どもたちの質問に答えるための知識や一緒に遊ぶだけの体力も必要となります。

ひとりひとりに個性があり、個性を尊重しながら集団行動や社会のルールなども教えなくてはなりませんが、対応に悩むときは子どもたちに寄り添い見守る姿勢が重要です。

頭ごなしに叱るのではなく、子どもがなぜそのような行動や発言をしたのかを考えて理解してあげましょう。そうすることで、子どもは理解してもらえたと感じて安心できるからです。

こまかく指示するのではなく、さりげなく誘導してあげるのもひとつの方法となります。子どもたちの自発性をうながす対応をしてみましょう。

2. 保護者への対応|ほかの保育士や上司に相談する

保育士は子どもたちへの対応だけでなく、保護者への対応にも気を配る必要があります。送迎時だけでなく、イベントや子どもの体調不良時など、保護者と関わる場面は多いものです。

子どもを心配しすぎて、保育士に過剰な要求をしてくる保護者もなかにはいます。保育士の安易な対応が保護者からのクレームになることもあるので、慎重な対応が必要です。

対応が難しいと感じる場合や、すぐに解決することができない問題などは、ひとりで抱え込まずに、職場の先輩や上司に相談するようにしましょう。過去の経験からアドバイスをもらったり、協力してくれたり、なんらかの力になってくれるはずです。

日頃から保護者と積極的に交流して、信頼関係を築くことも忘れてはいけません。そうすることで、過剰な要求やクレームの防止につながります。

3. 職場での人間関係|中立の立場に徹し挨拶などは積極的に

どの職種でも人間関係の悩みはつきものですが、保育士は女性の多い職場であったり、子どもの命を守る仕事だったりということもあり、人間関係の悩みを抱えやすいようです。

園長やベテラン保育士との付き合い方や保育に対する価値観の違いなど、とくに新人保育士は人間関係での息苦しさを感じる場面が多いといわれています。そのため、ストレスが溜まりやすいことも。保育士同士で意見がぶつかり、板挟みになってしまう場合もあります。

円滑な人間関係を築くには、基本的に中立の立場に徹してどちらかに偏らないようにすることが重要です。誰かの陰口やグループ間での対立があったとしても、なるべく関わらないようにしましょう。

すれ違いや勘違いによるトラブルを避けるためにも、日頃から挨拶などは積極的におこない、職員同士でコミュニケーションをとるよう心がけることも大切です。

4. 給与が安い|キャリアアップ研修の受講や条件のよい保育園へ転職

厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、2021年度の保育士の平均年収は約391万円で、全職種の平均年収が約497万円です。このことから、保育士の平均年収は全職種と比べて低いことがわかります。

高い専門性が求められ、責任の重い仕事であるにも関わらず、あまり給料が高いとはいえません。そのため、給料が労力に見合わないと思う保育士も多いです。

しかし、近年は人手不足や需要の高さから、全国的に処遇の改善をしていく方向性で動いています。

各都道府県ではキャリアアップ研修が実施されており、受講することで役職につけるようになり、給与アップにもつながります。そのほか、今より条件のよい保育園に転職するのもひとつの方法です。

保育士等キャリアアップ研修とは? 受講するメリットと研修内容を紹介
保育士を辞めたいと思ったら…対策方法と自分に合った転職先を見つけるポイントを紹介

引用元
job tag:保育士 – 職業詳細
e-Stat:賃金構造基本統計調査 令和4年賃金構造基本統計調査 一般労働者 産業大分類

5. 労働環境|業務の効率化を図ろう

子どもたちと直接関わる業務だけでなく、保育指導計画の作成やイベントの小物や衣装作りなど、保育士は持ち帰り業務が多いです。

そのため、帰宅後も気が休まらずストレスの原因になることもあります。お昼の休憩時間も、子どもの対応やそのほかの雑務でゆっくり休めないことが多く、あまり労働環境がよいとはいえない職場も存在するのが現実です。

持ち帰り業務や残業を減らすためには、普段の仕事のやり方を変えていく必要があります。業務を効率化して、なるべく仕事を早く終わらせることが大切です。まずはタスクを整理して、業務の優先順位を決めましょう。自分ひとりでは時間がかかってしまうものは、ほかの保育士に協力を仰ぐこともひとつの手です。

また、日々の記録や書類作成は、フォーマットを作っておくことで楽に作業ができます。シフト管理や出勤管理を手作業でしている場合は、タブレットやパソコンを導入するのもよいでしょう。

6. 体力面の問題|ストレスケアや体調管理をしよう

子どもの世話をしたり、遊びに付き合ったりするのには体力をかなり消耗します。子どもたちは元気いっぱいなので、つねに目を離さず見張っておかなければならず気が抜けません。

また、荷物を運んだり、子どもを抱きかかえたりなど、保育士は立ち仕事が多く、一日の仕事が終わるころには疲れ切ってしまいます。残業もある場合が多いので、体力的な悩みを持つ保育士は少なくありません。

体力勝負の仕事に欠かせないのは、徹底した体調管理です。日頃から運動をして体力をつけたり、バランスのよい食事を心がけたりすることで体調を整えましょう。

自分自身でストレスケアをすることも重要です。睡眠をしっかりとることや、趣味で気晴らしをするなど、ストレスを溜め込まないようにしましょう。

大変だけど楽しい! 保育士がやりがいを感じるのはどんなとき?

保育士の仕事は体力的にも精神的にも大変なことが多いですが、子どもたちの成長をそばで感じられたり、イベントが成功したり、やりがいを感じることも多い仕事です。

ここでは、保育士がやりがいを感じる場面をご紹介します。

1. 子どもたちの成長をすぐそばで感じられたとき

保育士のやりがいとして最も魅力的なのは、子どもの成長をそばで感じられたときではないでしょうか。以前はできなかったことができるようになったり、集中できる時間が長くなったりと、子どもの成長をそばでみられることは、なによりうれしいことです。

とくに自分自身の対応がきっかけで成長につながったときは、なおさらうれしさを感じることでしょう。

2. 保護者に感謝してもらえたとき|アドバイスなど

保育や教育についてアドバイスをしたときや、日頃の子どもへの対応などについて保護者から感謝されたときには、とてもやりがいを感じるものです。

保育のプロとして知識を持っている保育士は、保護者から頼られることが多いです。保護者に対して、ていねいに対応することで信頼関係が築け、保護者も安心して子どもを預けられるようになります。

3. イベント・行事が成功したとき|卒業式・発表会など

保育園では発表会や卒業式など、年間行事が多数開催されます。その計画・準備は非常に大変なもので、持ち帰り業務も多くなりますが、職員同士で協力して行事が成功したときには大きな喜びが得られることでしょう。

イベント当日、子どもたちの楽しそうな笑顔を見ることで「がんばってよかった」と心から思えることが、やりがいにつながります。

4. 社会貢献につながる仕事だと実感したとき

仕事をしているなかで社会貢献をしていると実感したときは、非常にうれしいもの。将来を担う子どもたちの健やかな成長をそばで感じられたときのやりがいは大きいです。

子どもだけでなく、保護者の支えとなっていることを実感できるときにもやりがいが感じられるでしょう。保育士は子どもの成長に欠かせない存在であり、需要の高い仕事です。

保育士として働くうえで大切なこと

保育士として、やりがいを感じ仕事を充実させるには、いくつかのポイントをおさえておくことがおすすめです。

ここからは、保育士として働くうえで大切なことを紹介します。

ストレス発散方法を身につける

責任が重く、体力の消耗も激しい保育士の仕事は、ストレスが溜まりやすい職種です。ストレスが溜まったままになると、子どもに当たってしまったり職場の雰囲気を悪くしてしまったりする可能性があり、最悪の場合心の病を抱えてしまうこともあります。

そういったことを起こさないためには、自分なりのストレス発散方法を身につけることが必要です。運動・買い物・趣味活動・友達と話すなど、自分の心が軽くなる最適の方法を見つけ、ストレスをため込まないようにしましょう。

うまくストレスを発散できていないと感じるようであれば、病院を受診したりカウンセラーに相談したりといった、その道のプロに頼ることもひとつの方法です。

職場の人や保護者と信頼関係を築く

職場の人や保護者との関係が円満であれば、ストレスの原因となるものを減らすことができます。

仕事をするうえで、協力や連携は欠かせないもの。職場の人とうまく信頼関係を築くことができれば、お互いの仕事を分担したり休みの融通を効かせやすくなったりと、職場環境の改善にもつながっていきます。

まずは挨拶から積極的におこない、コミュニケーションを大切にしましょう。

保護者との信頼関係は、保護者が子どもを任せることへの不安を払しょくできるだけでなく、過剰な要求や過度なクレームを防ぐことにもつながります。普段から子どもの様子をしっかりと伝え、何かトラブルが起きてしまった場合は真摯に対応することが大切です。

つねに子どもの立場で考える

同じ物事に取り組んだり、子どもの活動を見守ったりしながら、つねに子どもの立場で考えることを心がけましょう。気持ちに寄り添い理解してあげることで、子どもは保育士に対し安心感を持つことができます。

子どもも大人と同じように、得意なこと・苦手なこと・好きなこと・嫌いなことなど、ひとりひとり違うもの。子どもたちそれぞれの個性を受け止め、平等に接することも大切です。

頭ごなしに叱ったり突き放したりせず、うまくできないことは手伝ってあげながら、子どもの成長を見守りましょう。

保育士は大変だけどやりがいも大きい仕事!

保育士は、子どもの身の回りのお世話や社会のルールを教えるほか、保護者の対応・日誌の作成・イベントの企画など、多くの仕事があります。その分悩みやストレスを感じる要因も多く、対処法に悩んでしまうこともあるでしょう。

しかし、子どもたちの成長をそばで見ることができたり、保護者から感謝されたりと、やりがいの大きい仕事でもあります。やりがいを感じながら仕事を充実させるためには、うまくストレスを発散し、周囲の人たちと信頼関係を築くことが大切です。

働くうえで大切なポイントをおさえたうえで、子どもたちの成長に携わる保育士を目指してみてはいかがでしょうか。

引用元
厚生労働省:保育士になるには?
厚生労働省:保育所保育指針解説書

この記事をシェアする

編集部のおすすめ

関連記事

近くの保育士求人をリジョブケアで探す

株式会社リジョブでは、介護・看護・リハビリ業界に特化した「リジョブケア」も運営しております。
転職をご検討中の場合は、以下の地域からぜひ求人をお探しください。

関東
関西
東海
北海道
東北
甲信越・北陸
中国・四国
九州・沖縄