保育士試験とは? 試験の概要と手続方法を解説|試験勉強におすすめな本を紹介!
子どもの成長をすぐそばで見守ることができる職業の保育士。子ども好きな人なら一度は考えたことがある職業かもしれません。
保育士になるためには、国家資格である保育士免許を取得する必要があります。保育士免許は、保育士の専門学校や大学を卒業しなくても、試験を受けることで取得できます。
本記事では保育士試験について詳しくご紹介します。社会人や主婦から保育士を目指すなら、ぜひ本記事を最後までご確認いただき、保育士試験の参考にしてくださいね。
保育士試験の概要を紹介!
保育士国家試験は筆記試験と実技試験に分かれており、それぞれ満点の6割以上を獲得すると合格です。筆記科目においての合格科目は3年間有効となり、期間内の合格科目については受験が免除されます。そのため、一度にすべての科目を合格する必要はありません。
保育士は国家資格なの? 資格を取得するには?|保育士国家試験の概要を紹介
試験日程|前期・後期の年2回実施
保育士国家試験は、前期と後期の年2回実施されます。2022年度の試験日程は4月と10月におこなわれ、それぞれ筆記試験が2日間、実技試験が1日です。なお、幼稚園教諭免許所有者などは、筆記試験が免除される場合もあります。
受験資格|実務経験でも受験できる
保育士国家試験の受験資格には、実務経験が必要な場合と実務経験が必要ない場合があります。これから、それぞれの場合について詳しくご紹介します。あなたがどちらのルートに当てはまるのか、しっかりご確認ください。
実務経験不要ルート|大学・短大卒業など
実務経験が必要のないルートでは、保育士国家試験は大学・短大を卒業すると、学部や学科にかかわらず実務経験なしで受験が可能です。また大学を中退した場合にも、大学に2年以上在籍し、62単位以上修得済であれば受験可能です。
児童福祉施設での実務経験が必要なルート|中学卒業など
実務経験が必要なルートとしては、最終学歴が中学校卒業の場合が挙げられます。この場合、中学卒業後、5年以上かつ7,200時間以上児童などの保護、または援助に従事した経験が必要です。
児童福祉法にもとづく児童福祉施設での勤務経験がある場合は、申請などはなく、保育士国家試験が受験できます。一方、受験資格認定基準に該当する認可外保育園などでの勤務経験の場合には、都道府県知事による受験資格認定が必要です。
試験問題|筆記試験・実技試験
ここからは、保育士国家試験の試験問題についてカンタンにご紹介します。筆記試験と実技試験に分けてご紹介していくので、保育士国家試験の受験を考えている人はそれぞれしっかりとご確認いただき、これからの勉強の参考にしてくださいね。
筆記試験
保育士国家試験の筆記試験は、以下の9科目となっています。
・保育原理
・教育原理
・社会的養護
・子ども家庭福祉
・社会福祉
・保育の心理学
・子どもの保健
・子どもの食と栄養
・保育実習理論
教育原理と社会的養護は各10問で50点満点、それ以外の科目は各20問の100点満点です。
実技試験|筆記試験合格者のみ
実技試験は筆記試験の合格者のみ、受験することができます。実技試験は「音楽に関する技術」「造形に関する技術」「言語に関する技術」の3つの項目の中から2つ選択して受験。それぞれ50点満点で満点の6割以上獲得で合格となります。
試験の手続方法の流れを紹介!
2021年度保育士国家試験の後期試験のデータにもとづいて保育士国家試験の手続き方法についてご紹介します。手順が多いので、それぞれこまかく分けて解説していきます。しっかりと確認して、手順漏れのないようにしましょう。
1. 受験申請の手引きを取り寄せよう
まずは受験申請の手引きを取り寄せましょう。2022年度試験の受験申請の手引きは、2021年12月ごろに掲載予定となっています。2022年度の受験を考えている人は受験申請の手引きが掲載されているかどうか、今一度確認してみてください。
2. 受験申請手続きをしよう
それでは受験申請の手続きに入っていきましょう。受験申請の手続きには何点かポイントがあります。これから段階に分けて受験申請手続きについてご紹介していきます。
受験申請に不備があると申請に時間がかかってしまうだけでなく、受験ができなくなってしまう場合もあるため、しっかりと確認してくださいね。
手数料を郵便局の窓口で支払う|振替払込受付証明書を貼りつけ
まずは手数料を郵便局の窓口で支払います。手数料は12.950円です。ATMでの支払いはできないため注意してください。また、振替払込請求書兼受領証と書留・特定記録郵便物等受領証は、必要となる場合があるので大切に保管しましょう。
3. 受験申請書類を準備しよう
次に受験申請書類を準備します。受験申請書は簡易書留で送付しましょう。もしもポスト投函で未着の場合は受験ができなくなってしまうため、注意してください。また、期限が過ぎてしまった場合も受験ができなくなるため、期限は必ず守りましょう。
初めて受験申請する場合
初めて受験申請をする場合、または2015年以前に受験申請をした場合は、受験申請書と受験資格の証明書類が必要です。必要書類を確認して原本を送付しましょう。証明書類に旧姓が記載されている人は、戸籍謄本も同封する必要があるので注意してください。
2016~2021年に受験申請した場合
2016~2021年に受験申請をした場合は、受験申請書と一部科目合格通知書のコピーが必要です。また、2016年以降に幼稚園教諭資格などの筆記試験の免除資格を新たに取得し、提出していない場合には該当する免除申請書類を提出してください。
2016年・2017年に合格科目がある場合|筆記試験合格科目免除期間延長制度
2016年・2017年に合格科目のある場合、特例として筆記試験合格科目免除期間延長制度が適応されます。この申請には、該当年度の受験から現在までの勤務実績が必要です。
この制度に該当する人は、合格科目免除期間延長申請用勤務証明書の提出が必要となります。忘れずに準備しましょう。
幼稚園教諭免許所有の場合|幼稚園教諭免許状所有者における保育士資格取得特例
幼稚園教諭免許所有者は免除申請をすることにより、以下の科目が免除となります。
・保育の心理学
・教育原理
・実技試験
申請には幼稚園教諭免許状のコピーが必要です。公印が写っている必要があるため、送付前にしっかりと確認しましょう。
社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士免許所有の場合
社会福祉士、介護福祉士または精神保健福祉士、これらのいずれかの資格を保持している人は登録証のコピーを提出すること一部の免除となります。
具体的には、筆記試験の「社会的養護」「子ども家庭福祉」「社会福祉」です。
4. 簡易書留で発送しよう
必要書類が準備できたら簡易書留で発送しましょう。先ほどもお伝えしましたが、もしもポスト投函で必要書類を発送し未着となった場合、試験に受験することができなくなってしまいます。面倒でも、簡易書留で送付するようにしましょう。
5. 受験票を受け取ろう
最後に受験票を受け取って受験申請は終了です。受験票は試験当日に必ず必要となるので、試験日まで大切に保管しておきましょう。もしも試験までに受験票を紛失してしまった場合は保育士試験事務センター宛に電話をしましょう。平日の日中であれば対応可能です。
2022年試験対策|保育士試験対策におすすめの本を紹介!
ここまで保育士国家試験の概要についてご紹介しました。ここからは保育士国家試験に受かるための試験対策におすすめの本をご紹介します。
過去問の本を利用するメリットとは?
ま過去問の参考書を利用する最大のメリットは、過去問を解くことで問題の雰囲気や出題傾向になれることです。
法律や統計問題は数値が変動していくので、過去問では補うことがむずかしいですが、前提となる知識や問題傾向は過去問を解くことで充分把握できます。過去問の本には解説も付いているため、問題を解きながら効率よく知識を深められ、より合格に近づくことができるでしょう。
「この1冊で合格! 桜子先生の保育士 必修テキスト 上」
保育士国家試験を参考書で勉強するうえで、まずおすすめしたいのが「この一冊で合格! 桜子先生の保育士 必修テキスト 上」です。このテキストは上・中・下巻の3部構成となっています。指導実績10年のトップ講師の講義を受けているような感覚で、サクサク勉強を進められる構成に工夫されています。
「福祉教科書 保育士 完全合格問題集 2022年版」
次におすすめするのが「福祉教科書 保育士 完全合格問題集 2022年版」です。この参考書は保育士国家試験No.1問題集とも言われるほどの実力。
過去10年間の本試験を分析して問題作成しているだけでなく、周辺知識も学べるような構成となっています。どの問題集がよいかわからないから実績のある問題集を使いたいという人にはピッタリです。
「2022年版 ユーキャンの保育士 過去&予想問題集」
資格取得でおなじみのユーキャンからは「2022年版 ユーキャンの保育士 過去&予想問題集」が出版されています。解説が赤シートで隠せるようになっており、解説部分を穴埋め問題としても活用可能。一問一答だけでなく、さまざまな方法で問題に触れたいという人にはおすすめの一冊です。
「福祉教科書 ゴロ合わせでらくらく暗記! 保育士完全合格要点ブック」
暗記が苦手という人におすすめなのが「福祉教科書 ゴロ合わせでらくらく暗記! 保育士完全合格要点ブック」。持ち歩きやすいポケットサイズで隙間時間を使って勉強できます。内容も充実しており、100個を超える語呂合わせと、ていねいな解説付き。語呂合わせで暗記をしていきたい人ならぜひ持っていてほしい一冊です。
受験の準備はしっかりと! 自分に合った手続きをしよう
今回は保育士になるために必要な保育士国家試験の概要・手続き方法とおすすめの問題集をご紹介しました。保育士国家試験は合格率約20%と難易度が高い試験です。しっかりと受験準備をして、あなたに合った手続きを進めていきましょう。
引用元サイト
全国保育士養成協議会 受験申請の手引き[後期用]
全国保育士養成協議会 保育士試験を受ける方へ
全国保育士養成協議会 受験申請の手引き