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特集・コラム 2024-04-01

保育士になるには資格が必要?資格取得の方法や活躍できる場所についてご紹介

なりたい職業ランキングのなかでも、上位に入ることの多い保育士。おもに保育所や児童福祉施設などといった子ども向けの施設で、乳幼児のお世話をするのが仕事です。

そんな保育士として働くには、国家資格である「保育士資格」が必要です。

今回は、保育士になるためにはどうすればいいのか、さらにこの資格の取得方法および受験資格についてご紹介します。

保育士とは?|子どもの保育と保護者に対する保育の指導をできる資格

保育士がどんな職業なのかというと、乳幼児(0~6歳)の身の回りのお世話をするのが、おもな仕事です。また、保護者への育児サポートも仕事のひとつとなり、子どもについての相談に乗ったり、育児のアドバイスをしたりすることもあります。

ここからは、保育士の資格や業務内容について確認しておきましょう。

保育士になるためには国家資格が必要になる

保育士は、児童福祉法で定められた国家資格です。同法第18条においては「専門的知識及び技術をもって、児童の保育及び児童の保護者に対する保育に関する指導をおこなうことを業とする者」とされています。

保育士になるには、国家資格の取得が必須です。2〜4年の指定カリキュラムを修了するか、指定外カリキュラムの学校を卒業する、もしくは2年以上の実務経験を経た上で保育士試験に合格する必要があります。

保育士の資格を取得すると、保育所だけではなく、子どもに関わるあらゆる施設で働けるようになります。

引用元
厚生労働省:ハローミライの保育士!:保育士になるには?

幼稚園教諭との違いは?|「保育」と「教育」

保育士は「児童福祉法」にもとづく国家資格であり、0~18歳までの子どものお世話をします。一方、幼稚園教諭は「教育職員免許法」にもとづいた教員免許であり、3~6歳の子どものお世話をする仕事です。

つまり、保育士は保護者に代わって身の回りの世話などの「保育」をおこないますが、幼稚園教諭は子どもに対して「教育」をおこなうという点が両者の大きな違いです。

保育士になるには?資格の取得方法は2つ

保育士になるには、国家資格である「保育士免許」が必要です。都道府県知事の指定する養成学校や施設に通うか、独学で保育士資格に合格する方法があります。

学校を卒業していなくても、2年以上の実務経験があれば保育士試験に挑戦可能です。

保育士資格を取得し、保育士証の登録をおこなえば、保育士として働けるようになります。ここでは、資格の取得方法や難易度、資格内容を確認しておきましょう。

保育士の資格とは? 保育士免許取得におすすめの養成施設を紹介

都道府県知事の指定する保育士養成施設を卒業する

保育士の資格を取得するには、厚生労働大臣が指定する大学や短大などの保育士養成学校や施設を卒業しなければなりません。大学では、社会福祉系学部に設置されている子ども学科や児童学科、短大では保育学科などで勉強します。

養成学校で保育士になるための授業や実習をおこない、必要な知識や技術を身につけながら、所定の過程・科目を履修し、卒業すると資格取得になるという流れです。

保育資格試験を受験し合格する

指定保育士養成施設以外の学校を卒業した方や高卒で実務経験が2年以上ある方、中卒で実務経験が5年以上ある方は、保育士試験を受験・合格しなければなりません。

保育士試験は年2回の頻度で実施されています。

引用元
一般社団法人 全国保育士養成協議会:勤務経験

保育士試験ってどんな試験?受験資格

保育士試験は、学歴や実務経験の有無が求められる国家試験です。筆記と実技の両方の試験があり、難易度が高い試験といわれています。

保育士試験の内容をチェックして、試験に必要な準備について確認してみましょう。

受験資格は?|学歴によっては実務経験も必要

保育士試験は、指定保育士養成施設に指定されていない大学・短大・専門学校を卒業した方と、実務経験が高卒で2年以上・中卒で5年以上ある方が受験できます。

実務経験としてカウントされる施設は以下のとおりです。

・保育所(利用定員20名以上)
・保育所型認定こども園
・幼保連携型認定こども園
・児童厚生施設(児童館)
・児童養護施設
・助産施設
・乳児院
・母子生活支援施設
・障害児入所施設
・児童発達支援センター
・児童心理治療施設
・児童自立支援施設
・児童家庭支援センター

また、以下の施設では受験資格認定(知事認定)の申請が必要となります。

・認可外保育施設(認証保育園、認定保育園等を含む)
・小規模保育事業(小規模認可保育所など)
・幼稚園型認定こども園
・地域裁量型認定こども園
・幼稚園(特別支援学校幼稚部を含む)
・家庭的保育事業(保育ママなど)
・居宅訪問型保育事業
・事業所内保育事業
・放課後児童健全育成事業(学童クラブ・放課後児童クラブ・学童保育など)
・一時預かり事業
・へき地保育(特例保育)
・小規模住居型児童養育事業(ファミリーホーム)
・障害児通所支援事業(保育所訪問支援事業を除く)
・一時保護施設
・放課後等デイサービス(児童デイサービス)
・院内保育
・企業主導型保育事業 など

指定保育士養成施設を卒業した方に関しては、保育士試験が免除されます。

試験内容はどんなもの?|筆記と実技が必要

保育士試験には筆記試験と実技試験があり、両方の合格が必要です。筆記試験は2日連続おこなわれ、筆記試験に合格すると実技試験を受けられます。

試験科目は以下の9科目です。

1.保育の心理学
2.保育原理
3.子ども家庭福祉
4.社会福祉
5.教育原理
6.社会的養護
7.子どもの保健
8.子どもの食と栄養
9.保育実習理論

筆記試験は範囲が広く、9科目のなかから出題されるのが特徴。100点満点中60点の合格ラインを超えなければなりません。一方、実技試験は、音楽・造形・言語という3分野のなかから2分野を選択して受験することになります。

引用元
一般社団法人 全国保育士育成協議会:令和6年試験案内

保育士試験の難易度は?|合格率は2~3割の難関!

保育士試験の合格率は20%前後となっており、難関試験ともいえます。合格率は年々上がってきてはいますが、合格ラインである60点は変わりありません。

難易度が高い理由としては、科目が多いこと、出題範囲が広いことがあげられます。9科目すべてで6割以上の点数を取る必要があることもむずかしい点です。そのため、養成学校や独学でしっかりと勉強する必要がある試験といえます。

引用元
子ども家庭庁:保育士試験の実施状況(令和4年度)

保育士が活躍できる場所は?|保育所や認定こども園だけじゃない

保育士は保育所で働くイメージが強いですが、活躍できる場所はそれだけではありません。保育所のほかにもあらゆる施設で活躍できるので、自分に合った働き方を選ぶことが可能です。

ここからは、保育士が活躍できるとされるそれぞれの施設の特徴をご紹介します。

1.保育所・認定こども園

保育所とは、仕事などを理由に育児ができない保護者に代わり、就学前の0~5歳児を保育する施設です。なかには、早朝や夜間に対応している園もあります。

一方、認定こども園は幼稚園と保育所それぞれの施設のよさを兼ね備えた施設で、保育と教育の両方を受けられるのが特徴。対象は0歳から就学前の子どもで、保護者が働いていても働いてなくても、利用できます。預かり時間が、保育園よりも長いのも特徴です。

2.乳児院や児童養護施設

乳児院は、なんらかの事情によって保護者の養育を受けられない子どもを養育するための施設です。障がい児・被虐待児・病児などに対応できる専門的な養育機能を持っており、おもに乳幼児の身の回りのケアが仕事内容となっています。

児童養護施設は、保護者をなんらかの理由でなくしたり、保護者に保護させることが適切でなかったりするような児童が対象です。上記に該当する乳児をのぞく18歳未満の児童に、安定した生活環境を整えることを目的としています。

3.学童保育所

こちらは、共働きやひとり親の小学生を対象にしている施設です。継続的に放課後の生活を保障し、親の仕事と子育ての両立支援をおこないます。学校休業中は一日預けることが可能ですが、基本的には小学生低学年が対象です。

子どもにとって適切な活動や遊びを提供し、成長をうながすことがおもな仕事。放課後に安心して過ごせるような環境作りも担います。

4.障害児入所施設

身体や知的・精神に障がいを持つ児童や、発達障がいを持つ児童を支援するための福祉施設です。障がい児のお世話だけでなく、学習の手助けや就労支援も仕事内容となります。

入所型と通所型があり、入所型の場合には身の回りのケアも含めてサポートしなければなりません。そのため、障がいに対する幅広い知識や柔軟性が重要な仕事といえるでしょう。

5.母子生活支援施設

こちらは、18歳未満の子どもがいる母子家庭、もしくは母子家庭に準ずる家庭を保護し、生活の支援をおこなう施設です。母と子が一緒に生活し、ともに支援を受けられます。

保育士資格を持っていれば、この施設で母子指導員として勤務することが可能。母親が働いているあいだに保育をすることに加え、臨時で送り迎えをしたり、生活指導をしたりするのも仕事です。

6.ベビーシッター

自宅や託児所に出向き、保護者の代わりに子どもの世話をするサービスです。保護者が仕事などの用事で子どもの世話をすることがむずかしいときに、一時的に子どもを預かります。

自宅だけでなく、イベント会場や結婚式場に設置されている託児所に出向くこともあるのが特徴です。仕事内容は身の回りの世話から学習支援、送り迎えなど幅広いです。

7.インターナショナルスクール・プリスクール

子どもに英語で保育するインターナショナルスクールやプリスクールも、保育士の活躍できる場所です。プリスクールでは、一般的な保育園よりも教育に重点を置いたカリキュラムが実施されますが、子どもの親は日本人であることが多いです。一方で、インターナショナルスクールの場合には、海外の家族も増えてきます。

ネイティブ講師と保護者との間の仲介役として活躍する機会が多いです。

8.幼児教室

幼児教室は、主に0〜6歳未満の未就学児向けのスクールです。楽しく遊びながら子どもの脳や体、心を鍛えていきます。

小さな子どもにもわかりやすく説明できるような説明能力が求められるでしょう。

9.ベビーホテル

ベビーホテルは、20時以降の夜中・早朝の時間帯、休日・祝日に宿泊をともなう託児を受け付けており、利用児童のうち半数以上が一時預かりの保育施設のことです。夜中から早朝の時間帯でないと働けない保育士でも働けるのが魅力ですね。

大人数を預かることは少なく、少人数の子どもに対して保育サービスを提供します。

引用元
厚生労働省:平成21年地域児童福祉事業等調査結果の概況:用語の定義

保育士に向いている人はどんな人?「子どもが好き」以外にも必要

保育士に向いている人の特徴は以下のポイントにまとめられます。

・子どもとの触れ合いを楽しめる人
・忍耐力と体力がある人
・感受性が豊かで相手の気持ちを汲み取れる人
・計画的に行動できる人
・状況に応じて柔軟に対応できる人

保育士に求められるのは子どもや他の保育士、子どもの親御さんと円滑にコミュニケーションをとれるスキルや子ども目線に立った保育サービスを提供できる点です。

また、長期にわたって子どもたちと向き合っていく忍耐力と体力が求められます。加えて、状況に応じて柔軟に対応できる能力があると職場で重宝されるでしょう。

保育士として働くメリット

保育士として働くメリットは、以下の3つの点にまとめられます。

・合格が難しい国家資格職、かつ人材不足なので就職先が見つかりやすい
・ライフスタイルに合わせて自由に働ける
・子どもたちの成長を間近で見られる

保育士は難しい国家資格職の上、常に人材不足の状況です。そのため就職先が見つかりやすく、何らかの問題で離職してしまっても、復職・転職しやすいのがメリットだといえます。正社員だけでなく、派遣社員やパート、アルバイトなどの雇用形態もあり、自由に働き方を選択可能です。

子どもたちの成長や変化を間近で観察できるのも子ども好きの方にとっては魅力ですよ。

保育士の資格を取得して就職に活かそう

保育士になるには、国家資格である「保育士免許」が必要です。資格を取得したあとは、数ある施設のなかから就職先を選ぶ必要があります。

保育士として働くためには、体力や忍耐力、コミュニケーション能力などが求められますが、子どもの成長を間近で見られる喜びや働き方の選択肢の多さは大きなメリットです。

保育士になるためのルートや就職先を確認し、自分に合った仕事を見つけてみましょう。

また、保育士の資格を活かせる仕事を探すならリジョブがおすすめです。保育や介護、医療業界などに特化した求人サイトとなっています。

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